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「超」時間管理法(5) 「超」整理手帳も真っ青?「超」カレンダーで時間を捉える

 もし、手帳やカレンダーを見ないで、頭の中で今後数週間を思い浮かべられることができれば非常に便利だ。
 ベッドで横になりながらでもスケジューリングができる。歩いているときでも、満員電車の中でもできる。車を運転中でも、風呂に入っている時でもできる。

 「実際に手帳を見ずに、いつどんな場所でもスケジューリングができる」というのは、「時間の見える化」が常時可能になるということだ。それができれば、時間管理能力は著しく向上する。
 重要な案件までの準備期間を把握できる。締め切りまでどの程度の時間があるか、その間に他の用事がどのくらいあるか、なども把握できる。
 こうしたことによって時間を有意義に使えば、1日1日を充実したものにすることができるだろう。

 しかし、「カレンダーを実際に見ずに頭に描く」のは、簡単なことではない。以下では、このための方法を提案しよう。

7の倍数日の曜日を把握していれば、カレンダーを頭に描ける
 そのための方法は、「7の倍数日の曜日」を、毎月把握しておくことだ。
 手始めとして、「2018年9月には、7の倍数日は金曜日である」ことを覚えておこう。
 これだけで、カレンダーを頭の中に描くことができる。それは、金曜日に7、14、21、28日が並ぶものだ。
 他の日付の曜日や他の曜日の日付は、これをもとにして容易に知ることができる。例えば、日曜日は、金曜日の翌々日だから、18年9月には、2、9,16,23,30日となっているはずである。
  このようにして、9月全体のカレンダーを頭の中に描くことができるだろう。

 繰り返し述べるが、手帳やカレンダーやスマートフォンを見れば、カレンダーは見える。重要なのは、そうしたものなしに、カレンダーが分かることなのである。カレンダーを頭の中に描ければ、冒頭で述べたように、どんな時、どんな場所でもスケジューリングができる。だから、少なくとも当月と翌月については、「7の倍数日の曜日」を覚えておくことにしよう。

  では、どうすれば、「7の倍数日の曜日」を毎月把握できるか?
 もちろん、カレンダーや手帳を見ればすぐに分かることだが、任意の年の任意の月について、即座に知る方法はないか?
 そのための道具が、下に示すものだ。


◇ 「超」カレンダー
 上に示したのは、私がつくった「超」カレンダーだ。
 これは、任意の年の任意の月について、7の倍数日の曜日を示すものである。使い方はつぎのとおりだ。

 まず、A欄で西暦年数の下2桁がある行を選ぶ。つぎに、B欄の月で列を選ぶ(閏年は黄色の月)。両者の交点が当該年月における7の倍数日の曜日だ。
 例えば、2018年ならA欄で1番上の行を選ぶ。9月ならB欄で右から2番目の列を選ぶ。両者の交点から「金曜日」と分かる。

 このページをブックマークしておけば、どこでも参照できる。このページをブックマークするだけで、カレンダーの類は一切不要になるのだ。

 つぎの月も簡単に分かる
 上で、「当月と翌月については、7の倍数日の曜日を覚えておこう」と言った。しかし、実を言うと、ある月の7の倍数日の曜日さえ覚えておけば、つぎのようにして、翌月以降は、簡単にわかるのだ。

 例えば、「9月の21日は金曜日」と覚えていたとしよう。もし9月が28日までだとすれば、7で割り切れるから、10月の7の倍数日の曜日は、9月と同じになるだろう。つまり、10月の21日は金曜日になるだろう。
 しかし、実際には、9月は30日まである。つまり、7で割って2余る。だから、10月には9月より2日だけずれる。つまり、10月の21日は、金曜日から2日だけずれた曜日、つまり日曜日になる(上の「超」カレンダーで、実際そうなっていることを確かめられる)。
 同じ理由で、11月も分かる。10月は31日あるので、7で割って3余る。だから、11月には、10月より3日だけずれる。つまり、11月の21日は、日曜日から3日だけずれた曜日、つまり水曜日になる。

 このようにして、数か月間のカレンダーを(「超」カレンダーさえ見ずに)頭の中に容易に再現できるのである。

◇いくらでも簡単に拡張できる
 上に示した「超」カレンダーでは、スペースの制約で2018年から2018年までしか示していないが、これを広げるのは容易だ。A欄の西暦年数の数字を、閏年のつぎに空白があるようにして、順に並べていけば、それだけでできてしまう。実に簡単なことだ。
 「万年カレンダー」という類のものが作成されているのだが、そうしたものは、不要なのである。

 拡張超カレンダーを作っておけば、現時点とかなり離れた時点のカレンダーも分かる
 例えば、あなたは、自分の誕生日が何曜日かをご存じだろうか?もし分からなければ、拡張した超カレンダを作って確認することができる。


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