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『生成AI革命』全文公開:目次

『生成AI革命』(日経BP 日本経済新聞出版)が1月19日に刊行されました。
これは、目次全文公開です。

目次

はじめに 3

第1章 ChatGPTはどのように使われているか? 25

1 ChatGPTの使い方をアンケート調査で見る 26

生成AIはどのように使われているか?/予想どおりの結果と予想外の結果/外国文献の翻訳と要約能力が高く評価されている/文章作成の利用が、文章校正より多い/アイディア出しの利用がかなり多い/アイディア出しの具体的内容は、「タイトル」や「問題解決策」

2 私はChatGPTをどのように使っているか? 33

音声入力の誤変換校正が著しく簡単になった/資料収集にも使える/ ChatGPTにできないこと/進歩が著しい/「ハルシネーション」と能力の限界に注意

3 検索エンジンより生成AIのほうが使いやすい? 39

ChatGPTを用いれば、検索語が不明でも調ベられる/検索エンジンは、求める回答を示さないことも/プラグインの導入で「幻覚現象」に対抗する/ Bing の急成長とGoogle の停滞

4 企業や自治体は、生成AIをどう利用するか? 44

日本企業は生成AIをどの程度利用しているか?/地方公共団体での利用状況/時事通信社のアンケート/生成AIとのAPI連携/今後に期待したいこと

5 生成AIの影響は、教育ではすでに顕在化。日本では、企業利用が進まない 50

日本企業での利用は進まない/教育・学習での利用は進む/ビジネスより教育での利用が先行している/教育・学習体制に対する影響はすでに表われている/日本はこの大変化に追いつけるか?

6 ChatGPTは、企業活動に根源的な大変革をもたらす 57

教育に大きな影響/医療、ヘルスケアでのさまざまな利用/金融での顧客サービスの充実/法律関係や科学研究での利用/カスタマーサービスを充実させ、DXのためのプラットフォームとなる

第1章のまとめ 62

第2章 企業はChatGPTをどこまで使うことができるか? 65

1ChatGPTはビジネスモデルを変える 66

ChatGPTはどれほど重要なのか?/いまが準備開始の時/すでに行なわれていること/今後2~5年以内に現実になる可能性のあるもの/ビジネスモデルの再構築が必要になる/日本企業の経営者は、改革をリードできるか?

2 生成AIの価値の75 %以上が「顧客対応」「営業/マーケティング」で生じる 71

生成AIで営業が大きく変わる/マーケティングでの利用/内部の知識管理システム/対顧客サービス/小売り業界/銀行業界に大きな影響/研究開発での潜在的な可能性/「変化は革命的」とのコンセンサス

3 ChatGPTで創薬が革命的に変わる 79

創薬に革命的な変化/コロナワクチンでAIが活躍/製薬会社とテクノロジー企業の共同体制/研究プラットフォーム・テラ( Terra )/武田薬品によるAI創薬

4 日本の金融機関はどう使うか? 85

銀行での利用/証券会社での利用/保険会社での利用/日本の金融機関は、対顧客業務に使わない

5 ChatGPTに積極的な企業、否定的な企業 90

三井化学の新しい取り組み/日立製作所の取り組み/パナソニックなどによる積極活用/否定的な企業が多い

6 日本でも進むChatGPT利用の社外向けサービス 95

ChatGPTを利用した社外向けのサービス/続々と登場するChatGPT 連携のチャットボット/API接続で広がる用途/ ChatGPT APIの具体的な利用

7 生成AIとスマートコントラクトによる完全自動化企業 100

ブロックチェーンによる自動化/スマートコントラクトとは?/ビットコインからDeFiへ/柔軟なスマートコントラクトに/完全自動化された企業/人間でなければできない仕事は何か?

第2章のまとめ 106

第3章 データドリブン経営が可能になるか? 109

1 生成AI利用の本命は、意思決定の支援 110

日本で考えられているのは、単純業務の効率化/生成AIは、意思決定をどのように支援するか?/これまでの手法と生成AIの違い/大量データ処理で可能になった「データドリブン経営」/銀行APIの利用でも可能

2 データドリブン経営を行なっている企業 116

Amazon.com / Netflix / Airbnb /日本では、コンビニのポイントカード情報利用

3 生成AIを活用できる企業構造への転換を図れ 120

経営者を含めて、すべての従業員が利用することが重要/データドリブン型の組織文化を確立する必要がある/日本企業の縦割り構造が問題/これまでの日本企業はデータを活用していない/情報のサイロ化が進んだ/日本的組織文化を変革しなければ、日本は取り残される

第3章のまとめ 125

第4章 医療や法律関係にもChatGPTが進出 127

1 生成AIは、「弁護士が要らない社会」を実現するか? 128

インターネットを超える影響がこれから生じる/生成AIを用いて契約書の作成ができる/弁護士の役割はなくなるか?/幻覚による誤りを克服できるか?

2 医療に進出するChatGPT 134

セルフ・トリアージでのChatGPTの能力は高い/人間より優れているとの評価も/ GoogleのMed-PaLMなど、医療に特化した大規模言語モデル/慎重意見も強い/健康に関する利用はさまざまな微妙な問題を含む

3 知の独占の崩壊 ChatGPT が弁護士や医者に取って代わる日は来るか? 140

法律や医療にChatGPTが進出/専門家の価値の低下

4 ChatGPTがコピーライターの仕事を奪いつつある 142

ChatGPTがコピーライターの職を奪う/AIによる人員削減が実際に始まっている/品質よりもコストが重視されている/「能力が高いから、ChatGPTを使うのだ」という考えもある/正規社員と非正規の問題/「タダには勝てない」か?

第4章のまとめ 148

第5章 知識の伝達と教育機関の根幹に関わる大変化 151

1 ChatGPTは、教育の根幹をゆるがす 152

生徒・学生の規制より、教育者がどう変わるかが問題/積極的な利用に関する記述はあるが……/教育・学習用アプリが多数登場/現時点での能力は限定的/教師よりもチューターの役割が適している/そもそも勉強は必要か?/専門知識は必要か? 専門教育のために大学が必要か?

2 ニューヨーク・タイムズの訴訟で、ChatGPTが立ち往生? 158

裁判の結果次第では、ChatGPTが成り立たない/事前学習の価値は、学習用テキストの価値か? モデルの価値か?/ ChatGPは、無料では使えない?/生成AIが従来のメディアを破壊する?/私が行なった実験:生成AIでウェブの記事を読めるか?

第5章のまとめ 163

第6章 大規模言語モデルの仕組み 165

1 うまく使うには、仕組みを知っている必要がある 166

解説記事には、肝心のことが書いてない/説明がわかりにくい理由 基本的な点が説明されていない/「パラメータ」という一般的な用語が、特別の意味で用いられる/「教えてもらう方法」が重要/ ChatGPTに聞けば、知りたいことがわかる

2 AIはディープラーニングで進化した 172

機械学習/ニューラルネットワーク/ディープラーニングでAIの能力が著しく高まった

3 ディープラーニングのさまざまな手法 176

深層学習の手法: 教師あり・なしなど/ AlphaGoは、「教師あり学習」と「強化学習」を使用/スマートフォンのLLMは「教師あり学習」/GPTなどは、「自己教師あり学習モデル」と「教師あり学習」

4 大規模言語モデル(LLM) 180

深層学習のさまざまな用途/大規模言語モデルと生成AIの位置づけ/これまで開発されたLLM/巨額のコストをどう調達するか?

5 エンコーダが文章を読んで理解する 185

ChatGPTはなぜ自然言語を理解できるのか?/トランスフォーマーモデルとアテンションメカニズム/普通になされる説明は、あまりに粗雑/エンコーダの目的は、文章の意味を理解すること/単語はベクトルとして表現される/単語を「埋め込みベクトル」で表わす/クエリ、キー、バリューの計算が重要/異なる文章では、単語の解釈が違うものになる

6 デコーダが出力を生成する実に不思議な仕組み 194

デコーダの役割/デコーダが答えを生成する過程/デコーダが確率判断で出力を決めるのは自然なこと/ChatGPTは成り行き任せ。全体を考えて答えているのではない/ ChatGPTは答えを見直さないのか?/ChatGPTはコンテキストを考慮する/同じ質問に違う答え/プロンプトの書き方への影響/ ChatGPTはデコーダのみを活用する

7 ChatGPTは、どのくらい読書をしたか? 203

ChatGPTが博識なのは、大量の事前学習をしたから/人間の5000倍の書籍を読んだ/日本の国会図書館の情報量とほぼ同じ/能力の限界をChatGPTに聞いたら/真に創造的な作業ができるのは人間だ/AIは感情を持たない

第6章のまとめ 208

第7章 大失業・大転職時代 211

1 ChatGPTで自動化される仕事は何か? 212

すでに現実化しているAI失業/影響を受けるのは、テレマーケティング担当者と大学教師/労働力の約8割が仕事の1割に影響を受ける/参入障壁が高く、賃金が高い職業が影響を受ける/データを用いた実証分析や、対応策の検討も必要

2 日本で生成AIを本格導入すれば、失業率が25%になる可能性 218

労働者の3分の2が生成AIによる自動化に直面し、業務の25~50%がAIに代替される/事務・管理職と法務では、業務の約45%が自動化できる/ホワイトカラーの半数が失業する?/実際には、失業する労働者は25%でなく、7%程度に抑えられる/最も必要な経済政策は、労働力の流動性確保

3 知識労働者が最大の被害者 224

従業員の時間の60〜70%を占める作業活動を自動化する/高学歴者の仕事を自動化/経済拡大規模は、
イギリスのGDPより大きい/高度な知的労働の半分が自動化可能/「ルーチンワークで失業、高技能職に新しい雇用」との分析も

4 ChatGPTは、労働者の敵か、味方か? 230

生成AIは低スキル労働者に有利か?/需要総量が増えるかどうかが問題/事務的な仕事は人手が過剰で、人手不足の建設や介護には生成AIの影響は少ない/従業員の職種間・産業間移動が必要/私が目撃した1960年代の大規模自動化

5 生成AIに応じて仕事のやり方を変えた人が生き残る 236

第三次産業革命では肉体労働でなく、知的労働が影響を受ける/仕事が生成AIに代替されるか否かは、プロンプトがどれだけ重要かによる/専門的職業の仕事の内容が変わる/教師の仕事の内容が変わる

6 生成AIは、リスキリングの内容の見直しを迫る 241

日本でも、大量失業がいずれ問題になる/就職氷河期世代が退職期を迎える/大転職時代?/リスキリングの目的は、基礎的な能力の向上/日本政府の問題意識は古いまま

第7章のまとめ 247

第8章 ディストピアか? 249

1 「シンギュラリティ」はすでに到来したのか? 250

火や電気より深遠な影響/2045年と予測されていたが/チューリング・テストには明らかに合格/富める者はますます豊かに/すべての人が無料で使える環境が必要/生成AIのルールづくり

2 ディストピアと「アンナ・カレーニナの法則」 256

生成AIに関する「アンナ・カレーニナの法則」/失業の発生/金持ちだけが、さらに能力を高められるディストピア/人々が生きがいを見失う/ビッグ・ブラザーの世界/ではどうする?

3 「ベーシックインカム」はAI失業への正しい答えか? 263

AIによる失業が現実の問題に/現行制度の見直しこそ必要/働かなくても生活できる社会は健全か?/フリーランサーが失業する/制度改革の必要性が急務に

4 人間よ、驕るなかれ ― 「共感」に甘えれば、失業する 268

大失業時代の足音/AIは万能でないという意見が強いが……/AIのメッセージに感動したことも/AIと共感することがある

5 中国問題 272

バイドゥが3月にアーニー(文心一言)を発表/8月にアーニーボットを一般向けに公開/2017年にBabyQが起こした騒動/「賢い」アーニー/人材不足/中国外にも影響が及ぶ可能性

第8章のまとめ 277

第9章 ユートピアを実現できるか? 279

1 豊かな社会の実現 280

人類の夢が実現/生産性が向上するので、豊かな社会を実現できる

2 人間は人間にしかできない仕事に集中する 282

やりがいのあるクリエイティブな仕事/思いやりや共感が重要

3 基礎サービスがすべての人に 284

すべての人が、望むだけの教育を受けられる/自分の健康状態を的確に把握できる/法律相談や税務処理もやってくれる/高齢者の相談相手になってくれる/情報アクセスが容易に

4 マズローの階段を昇る 289

働くことが生きがいになる/人間の欲求の5段階/生成AIは、マズローの何段階目までを実現するか?/平等な社会を創るには/社会の姿は政策に大きく依存

第9章のまとめ 294


おわりに 295

1 秩序を破壊する大変化を歓迎しよう 295

「何もなし」はありえない/平穏な生活が乱される/ディストピアかユートピアか?/秩序を破壊する新しい技術によってこそ、新しい社会を創ることができる

2 秘密研究Q*は、人間に何をもたらすか? 298

アルトマン氏解任騒動の原因は、人類を脅かす研究?/ ChatGPTの数学力は低い/シンボルグラウンディングできないことが、AIの数学力の低さの原因か?/ Q*でブレイクスルーがあったのか?/シンボルグラウンディングがいいとは限らない/本当に人間の可能性を拡大する創造的な発想とは?

参考文献  304
索  引  311

図表目次

図表1‒1
ChatGPTの利用に関するアンケート調査
(利用していること) 28

図表1‒2
ChatGPTの利用に関するアンケート調査
(アイディア出し) 32

図表6‒1
機械学習をモデルで分類 173

図表6‒2
ディープラーニングを利用目的で分類 175

図表6‒3
深層学習を手法で分類 177

図表7‒1
生成AIによる自動化比率(アメリカの場合) 219


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