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『どうすれば日本経済は復活できるのか』  全文公開:目次

目次

『どうすれば日本経済は復活できるのか』 (SB新書)が11月7日に刊行されました。
これは、目次全文公開です。

はじめに

図表目次

第1章 G7のトップから最下位へ
1.サミットのトップから最下位に 沖縄から広島への日本の変化
  G7の中での日本の地位は?/日本の1人当たりGDPは「アメリカの          半分以下」/日本の地位低下の原因は円安/円安に安住して改革の努力を怠った/円安によって日本の競争力が低下した

2.日本病の原因は、人口高齢化か?
  なぜ日本病に陥ったのか?/人口高齢化による労働力不足が原因か?/日本銀行は、金融緩和政策の総括で日本衰退の原因をどう説明するか?/長期的な見通しがないままのバラマキ政策/春闘は日本経済の転換点になるのか?/当面の目標はヨーロッパ諸国に追いつくこと

3.アジア太平洋地域で日本より競争力が低い国は3カ国だけ
  日本は64カ国中35位/アジア太平洋地域で日本より下位の国は、インド、フィリピン、モンゴルのみ/「政府の効率性」と「ビジネスの効率性」が低い/政府の能力の低下が浮き彫りに/どうしようもないことだと諦めてはいけない/日本人の基礎学力は世界のトップクラス

4.アジア諸国との所得格差が縮まり、外国人労働力の獲得が困難に
  韓国、台湾が1人当たりGDPで日本を抜く/製造業で日本企業を抜いている台湾、韓国企業/中国の1人当たりGDPはすでに日本の3割/東南アジア諸国と日本の格差が縮まる/海外展開の減少は望ましいことではない/超高齢化社会で、介護人材を得られない

5.企業の新陳代謝で成長するアメリカ、それが進まず衰退する日本
  ハイテク企業の時代は終わったのか?/時価総額のトップは、依然とし て巨大IT企業/日本企業で100位以内は1社のみ/日本の産業構造は古い/注目すべきは医薬品産業/アメリカでは企業の新陳代謝が起きた/日本では企業の新陳代謝が起きていない

6.購買力平価で国際比較をすることの意味
  中国はすでに世界一の経済大国?/「購買力平価」とは何か?/購買力平価は、為替レートのあるべき姿を示す/「実質為替レート」で見た豊かさは、70年代に逆戻り

第1章のまとめ

第2 章 なぜ日本経済は停滞したのか?
1.日本人の賃金は90年代以降上がっていない
  90年代に生じた変化の本質/「付加価値」の推移に着目/付加価値が基本的な指標/製造業の就業者が減り、非製造業の従業者が増えた/古いタイプの重厚長大型製造業が維持された/非製造業では資本装備率が低下/製造業の新しいビジネスモデルが必要

2.賃金が上がらないのは、付加価値が増加しないから
賃金は労使交渉で決まるのか?/付加価値の配分はどう決まるのか?/利潤を最大にするように、労働の投入量を決める/賃金はいかなる要因で決まるか?

3.産業別・規模別の賃金格差をもたらすのは、分配率でなく資本装備率の差
  賃金決定のメカニズムを探る/1人当たりの給与賞与年額は370万円だが、企業規模で大きな差がある/問題は生産性の格差/正規・非正規の問題/産業別にも大きな賃金差がある/分配率は企業規模で差がないが、資本装備率で大きな差/れまでの賃上げ政策が有効でなかった理由

4.日本はⅠT革命に対応できなかった
  日本は90年頃まで成長を続けたが、その後停滞/急速な成長で日本を抜いた韓国/日本はIT革命に対応できなかった/日本では情報通信産業の比率があまり大きくない

5.パートタイマーの増加を考慮することが必要
  指標によって結果が違う/生産性が高く少数精鋭なら、1人当たりGDPは低い場合がある/パートタイマーを考慮したモデルが必要/「フルタイム当量」という概念/日本と韓国のどちらが豊かなのか?

6.社会体制と政策の固定化が、産業構造の改革を阻止した
  高度成長を支えた製造業/中国工業化の影響で製造業が打撃を受ける/政策体系がいまだに製造業中心/医療・福祉以外に成長産業がない/アメリカでは大きな構造変化が起きた/日本では新しい産業への人材移動が起きていない

7.GDPの構造を無視する経済政策は有効でない
  企業会計では「利益」を重視し、「付加価値」を軽視する/生産活動、付加価値、GDP/支出面から見たGDP/分配面から見たGDP/政府も付加価値を生産する/固定資本減耗は巨額/なぜ三面等価の原則は重要なのか?

第2章のまとめ

第3 章 今後の日本経済はどうなる?
1.日本の成長率はなぜ低いのか? 成長率が低いのは高齢化のためか?
  日本の成長率が著しく低いため、賃金で韓国に抜かれた/人口成長率が低いと、1人当たりGDPの成長率も低くなる/出生率は高められないが、労働力率は高められる/移民を受け入れるにはタイムリミットがある/人口要因を克服して日本経済の成長率を高めるのは、不可能ではない

2.新人口推計と外国人労働力
  世界で突出する日本の高齢化/高齢者の活用は生産性向上に寄与しない/外国人労働者に見放される日本/AIは労働力不足を解決してくれるか?

3.貿易収支が20兆円の赤字に
  貿易収支が巨額の赤字に/国際収支の構造/日本の輸入品目は原材料品だったが、最近では工業製品が増える/貿易収支と経常収支/赤字拡大の直接の原因は、資源価格高騰と円安/円安は輸出量を増やさず、国内の生産活動を活性化しない/貿易赤字はなぜ問題か?/海外生産の変化が貿易赤字拡大の原因ではない

4.経常収支が赤字になるとどうなる?
  重視すべきは経常収支/経常収支が赤字になるとどうなる?/「有事に弱い円」になったのか?/経常収支の赤字は回避すべきことか?/世界的分業の必要性

第3章のまとめ

第4章 日本が直面するスタグフレーションの恐れ
1.ホームメイド・インフレが生じている
  消費者物価の上昇が収まらない/輸入価格の上昇は止まったのに、国内物価が上昇/食料品価格の上昇が著しい/宿泊・飲食業では賃金の上昇が顕著/為替レートが再び円安に/円安が進むのは日銀が緩和続行を約束したため

 2.政策を誤れば、日本経済はスタグフレーションに陥る
  宿泊・飲食サービス業で、賃金が大幅に上昇/実質賃金上昇は宿泊・飲食サービスのみ/賃上げで利益が圧迫され、経営が困難になる/スタグフレーションに陥る危険/物価引き下げによる実質賃金の引き上げを目標とすべきだ

3.コロナ対策の財政支出がインフレを引き起こした
  補正予算で国債発行額が増加するパタンが定着/MMTは国債で財政支出をいくらでも賄えるというが……/MMTは実際にインフレを引き起こした/日本ではインフレが起きなかった/日本でMMTをやってよいことにはならない

4.増加する財政需要に対処するための税制はいかにあるべきか?
  増える財政需要/消費税導入で日本の税構造が大きく変わった/少子化対策で社会保険料率の引き上げは筋違い/法人税の増税を検討すべきだ/増大する社会保障費を賄うために、消費税率引き上げが必要

第4章のまとめ

第5章 金融政策の誤り
1.失敗に終わった大規模金融緩和政策
  異次元金融緩和は物価上昇を目標にしたが……/マネーストックは増えず/金融緩和は株価を引き上げた/イールドカーブコントロールに転換/イールドカーブはなぜ右上がりか?

2.2022年になぜ急激な円安が進んだのか?
  アメリカの金利引き下げと引き上げ/日銀が金利上昇を認めないため円安が進行/円キャリー取引で円安が進む/9月に介入するも再び円安になり、1ドル=150円を超える/2022年12月に長期金利上限を引き上げ

3.2023年の異常な円安はなぜ止まらないのか?
  再び介入か?/円安は構造的な原因によるものか?/円安への安易な依存が企業の活力を奪い、円安政策から脱却できなくなった/円安の弊害は明白だが、政策は動かない

4.長期金利上昇を認めると、経済に悪影響が及ぶのか?
  金利を上げると不況になるか?/名目金利が上昇しても、経済に悪影響が及ぶわけではない/金利が上昇すると、国債費負担は増加するか?/「物価高騰は一時的なものだから、対応しなくてよい」と言えるか?/長期金利は市場の実勢に任せるべき

5.長期金利が1%でも過剰な金融緩和
  分かりにくい「柔軟化措置」/イールドカーブは上方にシフ
ト/為替レートはターゲットでないというが…… /物価上昇率は短期的には上がるが、持続的でない/自然利子率の概念を用いて金利の目標値を決めよ/過剰な金融緩和の是正が日銀新体制の課題

第5章のまとめ

第6章 マイナンバーカード「迷走」曲
1.健康保険証を廃止して、いいことがあるのか?
  健康保険証が使えなくなる!/カードの取得・更新に行けない人もいる/健康保険証システムの枠内でやるべきことは山ほどある/利用者の利便ではなく、カード普及だけが目的/データシステムが対応していない/余計な事務が増えた

2.健康保険証を廃止するな
  トラブルが解消されても、基本問題は残る/カード取得が「任意」ではなく「強制」に/マイナンバーカードの取得が難しい人もいる/技術的問題が解決されても、根本問題は残る

3.マイナ保険証迷走のあげくに現れた「資格証明書」という不可解な代物
  政府は「資格確認書」を交付する方針/資格確認書はいまの保険証と同じもの/事務量「爆増」という深刻な問題/秘密鍵の更新ができない場合、混乱が発生しないか?/「曖昧な」メリットと「明確な」デメリット/なぜ政府はマイナンバーカードに執着するのか?

4.マイナンバの利用範囲拡大のポイントは預金口座
  マイナンバーの利用範囲拡大で公金受取/すべての銀行口座についてマイナンバーの紐付けを強制するか/国に対する信頼が不可欠

5.ワクチンパスポート
  ワクチンパスポートとマイナンバー/国内用ワクチンパスポートは、感染拡大防止と経済再開を両立させる/ワクチン接種済証では証明にならない/健康保険証は不完全な本人確認手段/マイナンバーカードでデジタル証明をしたらどうか?/VRSの入力遅れが障害

第6章のまとめ

第7章 生成AIという大変化に対応できるか?
  1.日本経済衰退の原因は、IT革命に対応できなかったこと
     デジタル化の遅れで生産性が向上せず/デジタル化投資こそ日本が目指すべき道

  2.デジタル化の第1ステップは、失敗の反省
     コロナではっきり分かった日本のデジタル化の遅れ/20年前に同じことを試みて失敗/技術の問題というより、組織のあり方の問題/デジタル庁は国民の信頼を獲得できるか?/失敗の検証がなければ、同じ過ちを繰り返す

3.デジタル移民:「国境を越える在宅勤務」に対応できるか?
  「会える機会」を広げたビデオ会議/いとも簡単に国境を越える/国際集会に簡単に出席できる/言葉の壁が消滅すれば何が起こるか?

4.生成AIの登場という大変化が生じている
  働き方と社会のあり方に甚大な影響を及ぼす生成AI/好ましいことだけではない/知的労働者の失業が生じるが、抵抗は無意味/まったく新しい技術の影響は評価しにくい/日本はこの新しい技術を使えるか?/日本型の組織はデータドリブンには向いていない?

5.トランスフォマー技術の成長に見るアメリカの強さ
  ChatGPTの基礎になっている「トランスフォーマー」とは/Googleの研究者が2017年に発明/巨大になったGoogleは活用できず/ChatGPTとして開花したトランスフォーマー/Mosaicが小規模なモデルを開発/日本でも開発が進むが、企業が利用するか?

第7章のまとめ

おわりに 日本経済再生の第一歩は、国民の自覚
 超高齢化社会に向かう日本/対外収支が悪化すれば、国際的な生活保護申請?/金融政策は低金利政策から脱却できない/バラマキ政治家の怠慢/沈没が確実なかつての豪華客船/経済政策を大転換し、新しい技術を取り入れる/国民が現状を許してはならない

索引

図表目次

図表1-1 G7各国の1人当たりGDP
図表1-2 日米韓台の1人当たりGDPの推移
図表1-3 ドル円レートの推移
図表1-4 自国通貨建て1人当たりGDP、… 2000年と2023年の比率
図表1-5 日韓台の1人当たりGDP(単位ドル)
図表1-6 実質実効為替レート指数の推移(2020年=100)
図表2-1 従業員数の推移
図表2-2 従業員1人当たりの売上高
図表2-3 売上高に対する付加価値の比率
図表2-4 資本装備率
図表2-5 企業規模別の賃金など
図表2-6 産業別の賃金など
図表2-7 製造業と非製造業の付加価値の推移
図表2-8 産業別就業者の推移
図表3-1 人口増加率と高齢化率
図表3-2 日本の貿易収支と経常収支(単位億円)
図表4-1 現金給与総額(名目値)の対前年同月比
図表4-2 第1四半期の賃金指数
図表4-3 業種別名目賃金指数の推移
図表4-4 有効求人倍率
図表4-5 税収の比率


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