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バーチャルツアがこんなに簡単に

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訪れるのが困難な場所にも、いまは地上から抹殺された街にも、時空を超えてひとっ飛び。
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2018年8月の記事一覧

「オデッサの階段」はいまでもあるか?

 「戦艦ポチョムキン」(1925年)は、ソ連の映画監督セルゲイ・エイゼンシュテインによる、映画史上、空前絶後の作品 。   空前であるのは当然だが、ある意味で絶後でもあると、私は考えている。  私は、大学生のとき(1962年か63年頃)に、東大駒場祭で見た。「ポチョムキン上映促進会」というのがあって、その団体の主催で上映したのだ(日本初公開は1967年とされているが、これは、一般公開の時点だ)。非常に強い衝撃を受けた。  それ以降、何度も見た。いまはなき日劇アート・シアター

「スターリングラードの戦い」の噴水は、いまどこにある?

 スターリングラード(現在はヴォルゴグラード)は、ボルガ川に面した工業都市。  1942年6月、ドイツ南方軍集団は、猛烈な砲爆撃とともに、西側から市街地に突入した。  これに対してソ連第62軍は頑強に抵抗。市街地南部で、史上かつてない大激戦が展開された。  この戦闘を描いた映画はいくつもある。比較的新しいものでは、「スターリングラード」(原題: Enemy at the Gates:2001年)。  ユンカース急降下爆撃機の攻撃を潜り抜けた渡河船団で上陸したソ連兵士は、

ウラル山地と文化の都ペルミ

 アルタイ山地の花園は、私の友人たちの間でも評判がよかった。  やはりあのあたりは、われわれモンゴロイドの発祥の地で、原始的記憶に訴えるものがあるのだろう。  自然の美しさという点で言えば、ウラルも自然が豊かなところだ。山や川や湖や湿地帯がある。  アルタイは「モンゴロイドの領地」というイメージがあるのに対して、ウラルまで来ると、ロシア人の領域だと言うイメージだ。もっとも、それはロシアの文化が及んでいるという意味であり、風景に差があるわけではない。  湿地には花が咲いて

アルタイ山脈の花園を散策する

 これまで、汚染されつくした核兵器実験場や、核戦争で最終報復を行なう地下秘密指令所など、物騒なところばかりを見てきた。  シベリアには、そうしたところしかないのかと言えば、もちろんそうではない。  もう一度東に戻ると、アルタイ山脈がある。  ここは、モンゴルと中国とカザフスタンと、そしてロシアが国境を接するあたり。  クラスノヤルスクやノボシビルスクの南500キロくらいのところ。セミパラチンスクの核実験場からは、東へ300キロくらいだ。  ここは、鉄道が通っていない秘境だ。

バイコヌール宇宙基地を宇宙から見学

 人類最初の人工衛星 スプートニク1号は、1957年10月4日に打ち上げられた。  これは、私が高校2年生の時で、その日のことはいまでもよく覚えている。たまたま遠足の日だったのだが、一日中人工衛星のことを考え続けていた。  この日のショックは、私だけでなく、同世代の者の人生進路に甚大な影響を与えた。  1999年のアメリカ映画「遠い空の向こうに」(原題: October Sky)は、アメリカ、ウエストバージニア州の高校生の話。主人公は私と同年齢だが、やはり、この日の出来事で