アルタイ山脈の花園を散策する
これまで、汚染されつくした核兵器実験場や、核戦争で最終報復を行なう地下秘密指令所など、物騒なところばかりを見てきた。
シベリアには、そうしたところしかないのかと言えば、もちろんそうではない。
もう一度東に戻ると、アルタイ山脈がある。
ここは、モンゴルと中国とカザフスタンと、そしてロシアが国境を接するあたり。
クラスノヤルスクやノボシビルスクの南500キロくらいのところ。セミパラチンスクの核実験場からは、東へ300キロくらいだ。
ここは、鉄道が通っていない秘境だ。
地球の「緑の薬局」とか、地球の「肺」と言われる。それほど、きれいで汚染されていない。
酷暑の日本を逃げ出して、アルタイの花園のバーチャルツアーに出かけよう！
ここは、シベリアの南の端なので（といっても、緯度は北海道と同じくらいだが）、植物相が豊かだ。とくに、花が美しいことで知られている。
こういう写真を見ていると、仮に全面核戦争が起きて人類が絶滅しても、山は残るだろうという不思議な感覚に囚われる。山だけでなく、植物も残るだろう。彼らは、人類が登場するずっと前から咲き続けていたし、今後も咲き続ける。
人間はつかの間だけ地球の主人になったが、それは本当につかの間のことであって、本当は、山や林や花が地球の主人であり続けているのだ。
ところで、ここは、日本人にとっても、もしかしたら深い関連がある場所だ。
金田一京助の日本語の起源に対する論によると、日本語の起源は、原アルタイ語だという。
そうだとすると、われわれの祖先は、このような風景の中で生活していたのだろうか？
そう思って、これまでの写真を改めて見直してみると、何となく心が落ち着く。
上の写真では、川が流れていて、その周りには草原が広がっている。川の流れも穏やかなように見える。ここなら、農耕生活ができそうだ。
上の写真では、林があるので、狩猟ができるのではないだろうか？
湖の周りには、森が広がっている。こういうところなら、仮に流刑になったとしても、何とか生きながらえることができそうだ。
ところで、よく「日本人の原風景は棚田だ」と言われるのだが、「そうだろうか？」と私はいつも疑問に思っていた。棚田の風景は、われわれの祖先が日本列島に住み着いて、稲作を始めてからの比較的新しい風景なのではないだろうか？
われわれの心理の底に眠っている風景とは、こうしたところなのではあるまいか？
下の写真は ベルカー山。これは、アルタイ山脈の南西200キロくらいのところにある。
ここも深い山の奥だが、緑が豊かだ。
Image Credits
花
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地図
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花
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青い花
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赤い花
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紫の花
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川と中州
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湖
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ベルカー山