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2021シーズン松本山雅 個人的3つの注目ポイント


こんにちは。
J2の開幕まで残り1週間ほど。
未曾有のコロナの影響は収まらず、今年も目に見えない驚異と戦いながらのシーズンになりそう。

そんな2021シーズンの開幕に向けて、個人的に注目したいポイントを3つにまとめてみた。

ちなみに、新体制発表会にて掲げられた「勝点84・得点84」という目標にも注目しているけど、既に書いているので触れません。興味があればこちらもどうぞ!



1.新システムへの変化

今季は慣れ親しんだ3バックから4バックにシステムを変更し、キャンプから4-4-2に挑戦している。公式の発信しているキャンプレポートを見ても、攻守の切り替えや繋ぎの部分を重点的に意識付けている様子。あとはエルシオがフィジコとして帰ってきたこともあり、走り込みもちゃんとやってるっぽい。シーズン通してハイプレスやり続けるには走れることが大前提だし、新加入選手が多くてベースとなる走力の基準を揃えておかないとってことだと思うけど。今年39歳を迎える田中隼磨は相変わらずチームトップで走れるようで、もはやキャンプの風物詩感すらある。一体何を食べているんだろうか。長野だし蜂の子とか?

現時点で練習試合は4試合を行って山形に2-2、広島に1-8、清水に4-4、鹿屋体育大学に8-2となかなか派手な試合。新システム、新加入選手のフィット、既存選手のコンディションなど様々なことを試しながらの試合のため結果がすべてではない。あくまでトレーニングマッチとして一喜一憂せずに受け止めたいところ。

個人的に注目したいのは柴田監督が4-4-2をどこまで引っ張るかという点。メディアでも報道されている情報だが、3-5-2も併用してトレーニングしている。仮に新システムの仕込みが思うようにいかなければ、序盤は慣れ親しんだ3バックで乗り切る可能性もありそう。ただ、さらなる高みを目指すために変化を求めたはず。キャンプをほぼ全部使って4-4-2の浸透を図っており、開幕を間近に控えたトレーニングマッチでも1本目から導入していることから簡単に切り捨てるとは考えにくい。とはいえ目の前の勝点も稼ぐことを考えると結果を出しやすいのは従来の3-5-2かもしれない。

目先の結果か、理想を追い求めるか。

今年1年間通して柴田監督はこの問に悩まされ続けるだろう。クラブとして短期的な結果を追い求めながらも中長期的にはスタイルの確立を図ると公言している以上、柴田監督に求められるのは「二兎を追って二兎を得ること」だ。舵取りを間違えれば降格という最悪の結末も待ち構えているため、変化の目玉である4-4-2への挑戦にどれくらいの比重を置くかは注目ポイントである。

先日のサポーターミーティングでも「強化と育成」については触れられていた。結構面白い内容だったので、まだ見ていない方は前半の神田社長・加藤副社長のプレゼン部分だけでも見てほしい。


2.若手の台頭

実際のところどう言われているかは別として、個人的な感想としては松本は若手が育たないクラブだと思っている。育たないというと断定的すぎるので、育てられた実績が少ないクラブという方が正しいかもしれない。高卒・大卒問わず有望な選手は数多く在籍してきたが、自クラブで主力級に成長した選手は一握りで、ほとんどが他クラブに活躍の場を移している。
日本代表にまで成長した前田大然はレンタル先の水戸で覚醒し、北九州で成長著しい永井堅梧は松本に帰ることなく個人昇格していった。

クラブを取り巻く環境も多大に影響していると思う。2012年のJ2昇格からわずか3年でJ1昇格を勝ち取るも1年で降格。その後は毎年のように昇格候補に挙げられ、J1再昇格を至上命題として求められるようになった(あくまで個人的な印象)。サポーターや街の人々からも期待も大きくなり、勝利という結果を追い求める場面が増えてきたように思う。悪い事のように書いたけど、結果としてスポンサーも増えてクラブの予算規模も拡大し、他クラブから主力級を引き抜くこともできるようになった。

想像を超えるスピードで成長していくチームでは、まだ荒削りな若手に十分な成長機会を与えるほど余裕を持てなかった。J1残留を目指そうとすればJ2で主力を張れる実力者を多数補強して挑まざるを得なかったし、年々競争が激化していくJ2を勝ち抜くには即戦力の獲得は正しかったと思う。しかし反面に、新卒で加入した選手はほとんど出番を得ることができず同カテゴリー以下のクラブへレンタルされ、再び松本のユニフォームを着ることなく契約満了を告げられる選手も多かった。

大枠の話をすると、松本という地方をホームタウンとしてJ1上位クラスの予算を用意することが難しいクラブにおいて、自力で若手を育て上げるというのは現実的な生存戦略だと思う。幸いにも松本は関東圏から近く、周りに誘惑が少なくてサッカーに集中できる環境だ。長年クラブを率いた反町監督が去り、若手育成に定評のある布監督を招聘。そして後任をアカデミーを長く見てきた柴田監督に任せた人事を考えても、クラブから変わろうとしている意志は感じられる。

そして今季のチーム事情を考えると若手が台頭する条件は揃っている。
・チームの半分以上を入れ替え。競争は横一線からのスタート。
・新システム、新戦術に挑戦しているので若手の抜擢がしやすい土壌。
・監督がアカデミーを見てきた柴田さんである。

昨季主力候補に成長した大野佑哉は一気に飛躍するチャンス。3年目の榎本樹、2年目を迎える村越凱光・山田真夏斗あたりは松本でプロとして生き残る上では勝負の年になるだろう。自ら売り込んでプロ入りを勝ち取った横山歩夢も下剋上を期待したい。そして何より将来的に松本山雅の旗印となる可能性を秘めているのが神田渉馬と稲福卓である。松本山雅の歴史上初めてユースからストレートでトップ昇格を勝ち取った2人。彼らのルーキーイヤーはクラブにとっても歴史的な1年になることは間違いない。いずれも1年生時からスタメンを張っていた逸材で、特に稲福卓はプロのスピードやフィジカルに慣れればターンオーバーで出場機会を得るかもしれない。

また少し先の話ではあるが、彼らの先輩で2年前にプリンスリーグ北信越昇格に貢献した世代の主力の凱旋にも密かに期待したい。専修大の樋口大輝、阪南大の中村海斗ら強豪校に所属している選手もいる。昨季栃木でブレイクした明本がユースから国士舘大学を経由して加入したように、近年ユース出身者を大卒時点で獲得するのはひとつのトレンドになりつつある。ユース卒業で終わりではなく大卒後に加入するルートを確立できれば、アカデミーに所属する選手のモチベーションにもなるはずだ。

若手育成の基盤を作る初年度として、クラブの歴史に新たな1ページが刻まれる瞬間を楽しみにしている。


3.「山雅らしさ」の追求

「山雅スタイル」とはなにか?
「山雅らしさ」って具体的にどんな?
俺たちの追い求めてる「信州松本のFootball」ってなんぞや?

1つ目と被るところもあるが、クラブが中長期目標として掲げている「強化と育成」を考える上で切っても切れない問題である。一般企業で言うならビジョンやミッションと呼ばれるもの。給料や役職に代表される待遇面を目的にするのもOKだけど、ビジョン・ミッションに共感していることの方が大事だよ的な。これはサッカークラブも一緒。明確な指針があればトップチームはそれに則って選手や監督を補強し、アカデミーでは将来のトップ選手を育成することになるからだ。この方針がブレブレだと、監督が変わるたびに180度違うサッカーを展開されたり、よくわからない補強が繰り返される現象が発生する。継続的にチームをクラブを成長曲線に乗せるにはしっかりと目指すべき方向を定める必要がある。

近年J1に主力級の選手を多数送り込んでいるレノファ山口は、クラブ公式でレノファの流儀として強化育成の方針を展開している。毎年のように主力を抜かれながら有望な若手が集うのはこうした明確な指針のもとでサッカーをしているからだと思っている。

注意しないといけないと思っているのは、この「山雅らしさ」に正解はないということだ。サポーターに聞いたとしても答えは十人十色だと思うし、選手やクラブスタッフに聞いても同じ結果になるはず。そしてサッカーのトレンドというのは変わるもので、絶対の模範解答など存在しない。だからこそ、クラブ主導で定めるべきだと思う。入れ替わる監督や選手に依存しない軸を。

先日のサポーターミーティングでこんなスライドが展開された。

2021松本山雅サポミ_チームが大事にすること

全力・直向き・躍動感・感動・チャレンジ

抽象的な言葉が並んでいるので、これだけで明確な指針と言うには難しいところがあるが、イメージを共有するスローガン的役割としては十分だろう。
言葉から浮かんでくる情景は、1対1を厭わず球際に厳しくいく姿や、最後まで諦めない姿勢だ。決して綺麗ではないが見る者の心を打つサッカーは僕が山雅に出会ったアマチュア時代を彷彿とさせ、どこか懐かしい匂いがする。

一昔前の山雅を連想させる言葉が並ぶので、ロングボールやセットプレーが想像されてしまうが、答えは決してそれでだけではないはずだ。柴田監督が山雅らしさを具体的にピッチ上でどう表現するのかは注目したい。長いこと松本を見てきた柴田監督だからこそ自分なりの色を混ぜながら具現化してくれるのではないかと期待してしまう自分がいる。
サポーターとしては、一朝一夕で答えが出る問題ではないので温かく見守りつつ、自分なりの「山雅らしさ」を考えてみると視える景色が変わるかもしれない。


さいごに

5回くらい書いては消してを繰り返し、書き上げるのに結局1週間半かかってしまいました、、、(本当は先週の土日に完成させる予定だった。)
気持ちが全面に出すぎてしまい駄文になっているところが多々あったと思いますが最後まで読んでいただきありがとうございました。

毎年シーズン前に思っていることではありますが、今年は昇格できそうな気がする。笑

新しいチャレンジには逆風が付きものですが、時には厳しく時には優しく1年間見守っていきたいと思います!去年から引き続きですが今年もシメはこの言葉で。

では!

俺達は常に挑戦者


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