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【プレビュー】2022シーズンの松本山雅を予想する

J1開幕から遅れること1ヶ月弱。待ちに待ったJ3の開幕はもう目の前。

まだ先だから大丈夫やろ~と余裕をこいていたら、気づけば3/9の23時過ぎ。
時が経つの早すぎでは。相模原の芝生で茫然自失になったのがつい先日のように感じる。

オフの期間では、

新卒加入選手の出ている試合をフルマッチで繰り返し観て調査する、というイカれたことをしてみたり、、、

割と真面目に昨季を総括してみたり、、、

大好きなクラブの補強戦略をネタにしたりして楽しく過ごしましたとさ。笑

全部1月じゃないかって??
OK。それは言わない約束だ。


さて、近況報告はこれくらいにして、本題に。

今季松本はクラブ史上初のJ3を戦う。未知なる世界への挑戦、色々なことが起こるだろう。今のうちに注目ポイントを整理しようというのが今回のテーマ。
データを用いてみたり、僕の個人的な感情を交えてみたり、様々な角度から予想していきたい。


ではいってみよう!

主力流出で飛躍するのは誰だ

降格チームのオフが厳しくなるのは当然のこと。カテゴリーが下がれば露出は減るし、比例してスポンサー収入も落ちてしまいがち。そうなればチーム人件費を削らざるを得なくなる。選手個人の観点から見ても、レベルの高い環境でプレーしたい・高いサラリーをもらえるチームでプレーしたいと考えるのはプロである以上納得できる考えだ。

松本も例外ではなく、個々の移籍にどういった背景があったかは分かりかねるが、主力選手が移籍していった。ただ、ひとくちに「主力選手が流出した」と言われてもピンとこない人もいるのではないか。具体的に数字で見てみよう。

まずは出場時間。昨季最も長い時間プレーしたのは外山凌と佐藤和弘で3,052分。次いで下川陽太が2,614分。そして4番目に山形へ移籍した河合秀人が2,449分で入ってくる。それ以外にも2,387分を記録した鈴木国友、2,340分の圍謙太朗、1,862分の阪野豊史など出場時間数上位の選手が移籍。
全体で見ると、35%にあたるプレータイムを記録した選手がチームを離れてしまった。

次にゴール数。昨季のトップは鈴木国友の6点。次に途中加入ながら4点を挙げた伊藤翔がランクイン。そして3得点で河合秀人、阪野豊史、佐藤和弘、榎本樹が並んでいる。
もうお分かりと思うが、得点数上位6名のうち4名が移籍してしまっているのだ。割合でいうと、53%。チームは半分以上の得点源を失ったことになる。

しかし、悲観していても前に進まないし、主力選手が去ったということは同時にチャンスでもある。特に出場時間の上位を占めていた選手が移籍したポジションには大きな穴が空いている。試合数が減るので単純比較はできないが、機会が転がっているのは事実。果たして、このチャンスを活かすのは誰か。

個人的にはルカオに期待したい。9番を託された昨季は度重なる負傷もあり、わずか216分の出場に留まった。キャンプレポートを見る限り、とりあえず大きな故障もなくトレーニングを消化している模様。主力選手が多く抜け、軸が不在となったFWにおいてフル稼働&二桁得点を期待したい。


「チームが若返った」は本当か

今年のチームは若返った。とあちこちで耳にする。たしかにレンタルバックした選手は若手が多いし、ベテランを多く放出したりもした。榎本樹や横山歩夢、稲福卓といった若手有望株の台頭も拍車をかけているはずだ。

では実際に平均年齢を出してみるとどうだろうか?

2021年に在籍していた選手(夏に移籍した選手、加入した選手含む)と2022年に在籍している選手の平均年齢を比べてみよう。

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平均年齢は在籍時点の年齢にしているので、昨季の年齢は現時点から-1歳したもの。
ポジションに関しては、スポーツナビの選手一覧に合わせている。ちょっとイメージと相違ありそうな選手を挙げると、下川陽太や外山凌はMF登録で、前貴之や山本龍平がDF登録となっていたりする。

一見すると平均年齢は変わっていないように見える。ただ、昨季から選手は全員1歳年齢を重ねていることを忘れてはいけない。全く選手の入れ替わりがなかったとしても、在籍選手の平均年齢は1歳上がって25.6歳→26.6歳となってしまう。

そう考えると、普通にしていたら+1歳されているはずの平均年齢が、オフの入れ替わりを経て+0.1歳で留まっているのは全体的に若返ったと言っていい。

最も若返りが顕著なのはFWだ。伊藤翔(32)・阪野豊史(30)・鈴木国友(25)といった選手を放出した一方で、小松蓮(23)・菊井悠介(22)が加入して平均年齢がガクッと下がった。フレッシュな選手が多く伸びしろが豊富という見方もできるが、裏を返せば経験豊富な計算できる選手がいないとも言える。果たしてシーズンを進めていく中で思い切った編成がどう転ぶのかは見守っていきたいところだ。


新システムへの挑戦?

キャンプを通じて名波監督は4-4-2の新システムにチャレンジしているようだ。地元紙でも報じられていたり、ヤマガプレミアムの編集長さんがTwitterスペースで語っていたりして情報は漏れ出ているので、それほど目新しい話ではないが。

就任当初からビルドアップに手を加えたいと口にしていた名波監督。ポジショナルプレーを浸透させようとしているとの話もあり、サイドバックの片方を落として3バックへの可変、3バックにボランチ1枚を加えた4枚でのプレス回避、大外レーンとハーフスペースを使い分けての崩しなど変化が観られるかもしれない。

ちなみに、可変しながらのビルドアップは昨季第24節秋田戦で片鱗を見せている。佐藤和弘が3バックの中央に下りて、右HVの宮部大己をサイドバックのような立ち位置に押し出す。右WBの下川陽太はやや内側に絞ってみたり、逆に大外に張って宮部にインナーラップを促してみたり試行錯誤していた。

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決して完成度が高いとは言えなかったのと、ロングボール主体のサッカーに途中で切り替えたこともあって、秋田戦のようなビルドアップは影を潜めた。仕切り直して1ヶ月間のキャンプで叩き込み、3バックと二刀流を目指すという考えに至ってもおかしくはないと思う。

また、4-4-2に挑戦するに当たって、いくつかポジションコンバートも行っているらしい。やや飽和気味のセンターバックの選手をサイドバックへ?ボランチの選手をサイドハーフへ?など興味は尽きない。

名波監督と言えば、選手のポテンシャルを見出す慧眼の持ち主。サポーターが想像もしないサプライズが待っているかもしれない。


ユニットの崩しにこだわる?

串本キャンプ・鹿児島キャンプのレポートは、皆さん見ているだろうか。

もしまだ、あんまり読めていないという方はぜひ目を通してほしい。キャンプの内容から、今季のチームが大事にしていることが見えてきたりする。

ピックアップしたレポートではこんなことが書かれている。

・2対2の対人インターバル

・4対4、6対6、10対10など人数が同数かつ攻守の素早い切り替えが求められるトレーニング

・ミドルサード、サイドライン際、ゴール前など、それぞれのエリアで、3対2の攻防

・4対4や8対8を行い、1次キャンプをおさらいしながら、守備のチャレンジ&カバーの意識を高める練習

戦術練習をやたらと少人数で行っているような印象を持った。

ここから僕は、名波監督は「局面局面での勝負にこだわりたい」「2人~4人といったユニット単位での連携を成熟させたい」といった意図でキャンプに取り組んでいるのではないか?と感じている。

局面を切り取った攻防に着目すると、例えば、敵陣右サイド深くまで押し込んだ際の3人での崩しとか、カウンターを受けて2対3で数的不利に陥った際の対応とか。試合中に起こりうる場面を再現してトレーニングに落とし込むことで、「あ!これ進研ゼミで見たやつだ!」みたいな効果を狙っているのかもね。

J3全体の傾向としても、カウンターの撃ち合いが多かったり、攻守の切り替えの早いリーグだと聞いている。ともすれば、2対2や3対3といった局面は、試合中に大いに有り得るわけで。その局面をいかにして打開するかを落とし込んでいるのだろう。

また、今季の松本は2人~4人くらいのユニットでセット起用される選手が増えるかもしれない。なんとなくの予想だけど。5人交代制という環境を活用すれば、3人交代で右サイドを相取っ替えしたり、2トップをセットで交代したり、試合中に別のユニットに切り替えるみたいな展開があり得るかもという話。
よく同時に起用される選手がいるなあと感じたら、○○選手と▲▲選手は補完性が高くて相性がいいのかも!などと予想してみても面白いかも。


夏に大物補強に動く?

現時点で36人とJ3を戦う上では大所帯でシーズンインしている松本。GKを除いても32人と3チーム分の選手を抱えている。通常であれば、編成ミスと切り捨てて終わりなのだが、コロナ禍という特殊な環境においてはそうとも言い切れない。同時多発的に複数人が離脱する可能性があり、規定の人数を満たさない場合は試合を実施できないリスクも有る。果たして何名の選手を抱えるのが適正なのか、どのクラブも答えを見出せていないように思う。それを差し引いても多いけど。

そして、上位カテゴリーのクラブが下位カテゴリーのクラブの選手を引き抜くというのも日常茶飯事。前半戦で目立った活躍を見せた選手がいれば、他クラブの触手が伸びるだろう。刈られる側として、夏に主力選手を失う覚悟もしておかなければならない。

もしフロントが36名の編成を完成としておらず、主力選手の流出があったとしたら、夏に即戦力の補強に動くと見ている。個人的に気になっているのは、2番・6番・10番と若い番号が空き番となっていること。2番と6番あたりは、今オフ加入が噂された今野を想定していたのかもしれない。10番に関しては特に目立った噂もなかったので、夏の補強に空けているんじゃないかと。入国制限次第になるが、外国籍選手の獲得に水面下で動いていて、交渉材料の一つとしている可能性もあるのかなあと思ったり。

2017年以降毎年埋まっていた背番号が空いているというのは気になるし、シーズン中含めてひとりふたりの加入はありそうだなと。今季を追っていく上で、注目しているポイントのひとつである。


まとめ

数字を用いた真面目なテーマからオカルトっぽい話まで、5つのポイントを挙げてみた。人それぞれ着眼点は違うと思うので、開幕前に予想を立ててみて、どこかにメモっておくと振り返った時に面白いかもしれない。

今季もできるだけ試合を観た感想をnoteに書いていこうと思っているので、引き続きよろしくお願いします!!


One Sou1

俺たちは常に挑戦者


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