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#087 次に行われる Go To キャンペーンは「Go To 商店街」

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こんにちは。中小企業診断士の多田と申します。

今年の7月に、政府が進めるGoToキャンペーンについて以下の記事を書きました。

#073 最近話題の「Go To キャンペーン」と「マイクロツーリズム」|多田幸生(中小企業診断士)|note
https://note.com/yukio_tada/n/n2c20632e338a

この記事を書いた時点ではまだキャンペーンは始まっていませんでしたが、その後順調にスタート。
「Go To トラベル」「Go To イート」については、消費者として実際に活用された方も多いのではないかと思います。

今回は、上記の記事の最後に書いた「Go To 商店街」キャンペーンについて。
先週10月15日に事業者向けの公式ホームページが開設されるなど、制度の内容がかなりはっきりしてきました。

Go To 商店街キャンペーンの概要

Go To 商店街キャンペーンに関する情報は、ほぼ以下のWebサイトにまとめられています。

Go To 商店街【随時更新】 | 経済産業省 中小企業庁
https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/8784/

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このキャンペーンでは、日本各地の商店街が、自分たちの商店街で行いたいイベントや施策を企画し、キャンペーンの事務局に申請を行います。
その後、事務局でそれらの申請それぞれについて審査を行い、審査を通過したものに対して、決められた補助が行われます。

Go To トラベルや Go To イートのように、商店街で買い物をすればお客さんが割引を受けられる、という制度ではないので注意しましょう。
あくまで補助が受けられるのはイベントや施策を実施する商店街になります。

事業スキーム

募集期間

募集期間は、「先行募集」と「通常募集」の2フェーズに分かれています。
「先行募集」は、10月19日から11月30日の間に開始する事業が対象で、10月2日から応募受付が始まっており、3次募集の〆切は10月30日
「通常募集」は、12月1日から2月14日の間に開始する事業が対象で、10月30日から募集開始だそうです。

応募書類はエクセルファイルが上記のWebサイトからダウンロード可能。
よくある補助金の申請などと同様、推進体制、何をやるのか、期待効果、使用する予定の経費一覧、などを記入して提出するようになっています。
顧問先の中小企業診断士さんに書類作成をお願いする商店街さんも多いのではないかと予想します。

何に対してどのくらいの補助がもらえるのか

対象となる事業は、イベントなどの実施(オンラインイベントも可)、新たな商材の開発、プロモーションの制作、など。
補助の上限額は1つの団体で申請する場合は300万円
2つ以上の組織(隣同士の商店街など)で連携して申請する場合は、300万円 x 申請者数 + 500万円、だそうです。
(ただし、1申請あたりの上限額は1,400万円)

補助の対象となるのは、イベントなどを実施するために必要な経費です。
必要経費の50%まで、などという縛りもないので、上手くやれば全額この補助で賄うこともできそうですね。
(ただし、出演費などの一部経費については、限度額や限度割合などの要件ありとのこと)

具体的な施策の例 - こんなことをやれば補助がもらえます

事務局が出している資料から、「こんな取り組みはどうでしょうか」という施策の例が資料として出ていますので、おもしろそうなものをピックアップしてご紹介してみましょう。

・オンラインまちゼミ

お店の人が、オンラインで自分たちの商品やサービスを紹介するイベント。外出しなくても商店街の雰囲気がわかったり、尖った技術の紹介などを聞くことができるのはおもしろそうです。

オンラインまちゼミ

・空き事務所をコワーキングスペースに

商店街のお店から食べ物をデリバリーしてくれる商店街の中のコワーキングスペース。あったら便利そう。

コワーキングスペース

・まちあそび人生ゲーム

商店街全体を使ったすごろくゲーム。自分たちで全部作るのは大変ですが、最近はこういうゲームを作ってくれる業者さんも増えたので、補助がもらえるならお金で解決、という手もあると思います。

人生ゲーム

・アンケート実施

これも、自分たちでやろうと思うと大変ですが、お金を払って業者さんにお願いできるのであれば、ぜひやりたい商店街さん多いんじゃないでしょうか。

アンケート実施

その他、スタンプラリーとか、商店街のWebサイト作成とか、フリーマーケットやってみるとか、歩行者天国にして道路に机と椅子を並べて飲食スペースにするとか、お金さえあれば商店街のイベントとしてやってみたいことってたくさんあるように思います。

こういうの考えるのって楽しいですよね。

感染拡大への対策を義務づけ

もちろん、まだコロナは収束しきっていないわけで、感染拡大への対策も必要になります。

このキャンペーンでは、イベントを行う際、感染防止対策のマニュアルを配布し、それらの対策がきちんと実行されているかをチェックするそうです。
もしチェックで感染対策がきちんと行われていないことが発覚した場合、契約破棄となり、イベントは中止になります。

地域における商店街の役割

このキャンペーンにおいては、商店街は、地域の生産者と消費者を結びつける重要な役割を担っているという考え方の下、以下の活動原則(商店街の役割)が定められています。

【活動原則】
[1] 暮らしの安全・安心に積極的に貢献
[2] 地域住民が真に求める商品・サービスの提供
[3] 地域コミュニティ・人と人とのつながりの構築

私は、以前、五反田に住んでいたことがあるのですが、よく近くの戸越銀座商店街まで散歩をしました。
とても雰囲気が良い商店街で、ああいう街に住みたいなと思いました。
世の中的に、最近の買い物の多くはオンラインになってしまっているように思いますが、それでも、商店街を活性化させることは、そこに住む人たちの満足度を上げることに直結するように思います。

今回のキャンペーンを通して、魅力的な商店街が増えるといいなと思いますし、このキャンペーンを通して発信されるであろう、全国の商店街の成功事例を共有できるとさらに良いのではと思いました。
私も、何かおもしろい事例があれば、随時この note でも共有していきたいと思います。

まとめ。

(1) この10月から、「Go To 商店街」キャンペーンが動き始めています。このキャンペーンは、商店街が独自のイベントや商品開発、プロモーション等を行う際に補助が行われる、というもので、金額の上限は、概ね1商店街あたり300万円となっています。

(2) 具体的な施策について、事務局の資料に具体例がいくつか紹介されています。Webを使った情報発信、商店街全体を使ったゲーム、アンケート調査、など、この機会にお金をかけてやってみたいことってたくさんあるのではないでしょうか。

(3) 特にコロナ禍においては流通のオンライン化が進んでいますが、それでも地域の生産者と消費者を結びつけ、まちの雰囲気を向上させる商店街の役割はこれからも無くならないと思います。今回のようなキャンペーンを上手く利用するととともに、日本中の商店街のおもしろそうな取り組みを共有することで、もっと楽しい商店街が増えるといいなと思います。

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(ここに書かれている内容はいずれも筆者の経験に基づくものではありますが、特定の会社・組織・個人を指しているものではありません。)

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