= 一部文章を修正 =


昨日「PG&Eが、山火事の予防と計画停電対策のために今後3年間に毎年$2.6B、合計$7.8Bを費やす計画を提出した」と書いたが、同社は膨大な額の損害賠償請求訴訟を抱えており、今後経営破綻(Chapter 11)から脱却出来るのか、はたまた「解体」に向かうのかが大きな問題になっている。
同社が背負っている負債額は、いろいろな数字が飛び交っておりどれが正しいのかいまひとつ分からないが、一般的には総額$50B以上と考えられており、そのうち裁判所が暫定的に命じた$25.5Bの現金をまずは支払わなければならない。
という状況で、PG&Eが取れる現金調達方法は限られているが、取り敢えずは$23BをDebtで調達しようとしたが、州知事が大反対。
「同提案ではPG&Eが大きな負債を抱えてしまい、山火事のリスクに対応するための将来のインフラ更新等のニーズに対して資金が不足する」との懸念を表明。
しかし、
(1) PG&Eが、投資家から最大で$12Bの自社株の購入を約束するコミットメントを得た
(2) コロナウイルスの大流行によって市場が不安定性を増した(PG&Eの株価が急降下)
(3) これらより州知事がスタンスを和らげた
等で、最終的に破産裁判所が、この「$23Bの資金調達案を承認する」と3月16日に発表。
コロナ騒ぎのどさくさ紛れに、いろいろなことが蛇行しながらも進んでいる。
なお、調達額は、桁が大きくて今一つピンと来ないが、今回調達する$23Bは、2兆3000億円に相当。
(←延期が決まった東京オリンピック・パラリンピックの大会予算は1兆3500億円。)
この借金は回りまわって我々需要家からの電気代で回収されることになる。
なお、「発送電分離」が進んでいるので、PG&Eの収入は「送配電+小売」からだけである。
(簡単のため$1=100円で計算)
因みにPG&Eは、
・売り上げ : $17.14 B (2017年)
・Market Cap : $3.2B(2019年1月16日)
・顧客数 : 16M(1,600万顧客)

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