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カフェサイクリストへの誘い:Raphaとnarifuriのあいだに服はないのか


行きつけのカフェに集まり、愛車の自慢をしたり、ファッションまでこだわりを持ったバイカーのことをカフェレーサーと呼ぶので、それを自転車に置き換えてカフェサイクリストと呼ぶことにしてみます。
似た名前のブランドがあるため他にいい名前がないか考え中。



ユニフォームの美しさ



自転車に真剣に乗るようになるほど、ガチのウエアがカッコよく見えるようになってきます。
走りやすさを考えたらビンディングシューズは理想で、靴底が硬くて力のロスが少なく足の位置がブレないので疲れづらい。いちどケルビムの今野さんにイベントでお会いしたとき、すごくオシャレだったので靴を選ぶ基準を聞いたら、靴底が硬いことは重要だと話していました。

ビンディングシューズを履くと白いソックスが似合うことに気づき、そうなるとバランスとして長ズボンよりはビブショーツ・・・
 ビブショーツ? 
 あのピチピチのパンツ? 
 アマチュアレスリングみたいなやつ?
 あれだけは何があっても履かないぞと心に決めていたビブショーツ?
 
それが「楽だから」というだけの理由ではなく、ロードバイクの正装に思えてきます。

どんなにオシャレなジャージを着ていても、野球のグランドではユニフォームのほうがカッコいい。スポーツの正装には、機能美はもちろん、特殊なパワーがあると思います。


腕にラインが入っているとRaphaかと思っちゃう
ラインがブランドのアイコンになっているってThom Browne級の発見!


競技場を出ると



プールで最強のウエアは競泳用水着だけれど、海でさえ違和感がすごいです。ましてや海沿いのカフェにそのままの格好で入れません。
ユニフォームが美しいのは競技場のなか。ロードバイクの場合、どこを競技場とするかは難しいものがありますが、自転車を降りたらオフになるように思えます。

コンビニやファミレスに入ったとき、そこでは異星人に見えるってことを忘れないようにしたい。
ちょっと前まではそっち側の感性だったのだから。そちら側の視線をいつも自分のなかに持っておきたい。

荒川サイクリングロードを40km/hで巡航するとか、キャノンボールに挑戦したいとか、そういう目標を持ち続けられる歳じゃないですし、自転車を降りたときに大事なこともあります。ただでさえカメラを持っていると気を使うことが多いので。
輪行するなら電車にも乗らなきゃいけない。上から下まで着替えるのが難しいこともあります。

ガチのウエアに夢中になりすぎた人たちの、それにそれを組み合わせるのは間違っている的な指摘も、にわかには辛いものがあります。
ミリタリーが好きだったとき、上野で買い物をしていたら「真鍮ジップのM-65に60年代製と思われるチノパンはおかしい」と、全く知らない人に声をかけられました。
ある種のドレスコードであることも理解しているつもりですが、それを崩す楽しみや、事情があって揃えられないときの自由があっていいように思います。


これはベルリン。駅のホームで自転車を見るのが自然。
今まで行ったことがある街だとコペンハーゲンがいちばんだった。



今回のタイトルにもなっている二つのブランドについて


Raphaは、機能が最優先されるサイクルウェアでありながら、洗練されたオシャレを提案していて、narifuriは発想が逆で日常のオシャレをどれだけ自転車に最適化できるかを提案しているように見えます。
Raphaのショップに併設されたカフェは自転車に興味がない人でも「こんなところにオシャレな店が」と入りたくなる雰囲気で、narifuriの品揃えは一見するとBEAMSなどのセレクトショップに近いです。

Rapha

narifuri


三人三様



おしゃれするならミニベロ一択?



ミニベロのポタリングだと、服を優先して選ぶこともできます。汗をかくほど必死に漕がないし、アップライト(前傾姿勢の逆で体を起こして乗るポジション)なので服のシルエットもふだんの服と変わりません。
じゃあロードバイクを乗るのにガチのサイクルウェア以外に似合う服はないのかってことは、最初のうちからずっと考えていました。

チェーンで汚れるからLevi's 517とか難しいのはわかります。足首が固定されると漕げないのでブーツも厳しい。バイクに乗らないのにライダースジャケットが好きでLewis Leathersを何着か持っていて、それも向いてませんでした。Barbourも蒸れるから厳しいです。

今じゃローテクシューズの代表であるConverseのChuck TaylorやadidasのStan Smithは最先端のスポーツシューズだった、なんてウンチクは無力。

でもアスレジャー(スポーツウェアをオシャレに着る流行)だったらイケるのでは。
それで思い出したのが、十五年前くらいにカメラバッグに入れておくレインジャケットとしてMontane(イギリスのアウトドアブランド)のLitespeed Jacketを買ったとき「小さく畳めるためサイクリストに大人気」と書いてあったこと。

いまはサイクルアパレルが充実していて、どこのブランドもレインジャケットを出していて、走りやすさだけでなく撥水性などの機能も高いけれど、その頃はたぶん少なかったのだと思います。
Raphaが日本で普通に買えるようになってまだ十年ちょっとだと聞きました。あれがオシャレ系サイクルウェアのはしりのはず。
そこで思ったのが、Arc'teryx、The North Face、Patagoniaなど機能的にはガチなアウトドアウェアなのに街着として定着しつつあるものを、自転車にも流用できないかってこと。
そのとき海外のサイトで見つけたのがこの写真。

Bristol Cyclist 


上に着ているのはBerghaus。イギリスのアウトドアブランドで、ジャミロクワイやオアシスなどミュージシャンにも愛されています。靴が見えないのが残念。


スナップ写真のなかの自転車


自分が乗るようになる前から、美しいフォルムが好きで、スナップ写真に自転車を取り入れることはよくありました。

スカートでロードバイク! しかもヘルメットが似合ってる

通行人のなかに、ヘルメットを被った男性が自然に溶け込んでいるのが、さすがはロンドン。車に厳しい街なだけに、自転車に優しい印象があります。

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