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病名が増えたのは私にとっては吉!

名も無き不調と付き合っている時間が長い人生です。

小学校入学直後くらいから甲状腺機能低下性の症状が出始めても診断がつくまでに4年かかった。

原因不明の高熱と体の節々の痛みが1年以上続いたのに診断も治療もできなかった。

その高熱以降、2~3年毎に体調を崩し、座ることもままならなくなっても診断はつかなかったし、検査しても異常は見つからなかったし、異常が見つからなかったから治療もできない。なんなら(私の体が弱い、体力がないんだろう。仕事がきつすぎて私には無理だったんだ)という諦めるための理由を自分のせいにして生きてきた。

体力がない、仕事がきつすぎるなら、仕事を変えようと思って、病棟での看護師の仕事を辞めて会社員になったけれど、やはり3年の節目は越えられなかった。

仕事はおろか身の回りのかんたんなこと、洗面や着替えや買い物、料理などの日々の家事なんて全くできなくなって10年目。
昨年秋には今までに無かったような「痛み」で救急車にもお世話になった。でもやっぱりその痛みが何なのかわからず、整形外科には2ヶ所の病院にかかり見てもらったけれどわからなくて、とにかく目一杯の痛み止めをかかりつけの主治医に調整してもらい、痛いながらも耐えてきた。


そんな中アドバイスを下さった方がいた。
「リウマチの専門医にかかってみてもらったらいいよ。道内ではあの先生くらいしか診ていないんじゃないかと思う」

ご本人もそのリウマチ専門医に受診し、痛みの原因がわかり対応してもらっているとのことだった。


慢性疲労症候群を患っていると線維筋痛症も併発しやすい。線維筋痛症は痛みの強い疾患で、圧痛点というところを確認して診断の参考にする疾患だ。
私は圧痛点を押しても(痛いな何となく)という感じだけれど、線維筋痛症の患者さんは大げさでなく飛び上がるほど、失神するほど痛みが強い。
だから、私は線維筋痛症はないんだとも思う。

だったら私の痛みは一体なんだろう。

痛みで座っているのもつらくて、前よりもさらに不自由になっていた。


年末から色々とばたばたしていてなかなか受診に行けなかったのだけれど、親にお願いをして車を出してもらい送り迎えをしてもらえることになり、今住んでいるところから30分くらいはかかる市内の遠いそのクリニックに受診した。

そこはかなり大きなクリニックでリウマチ専門医の整形外科の医師がいるところ。
予診でタブレットを使って日常生活の可能不可能の程度をチェックして、レントゲンと採血の指示が出た。
レントゲンは痛みの部位に合わせての単純レントゲン。

レントゲンでは今まで異常はないと繰り返し言われていたから、何かわかることがあるのかな?と不安と期待とで検査後の診察を待った。


「他では何でもないって言われたでしょう」
とリウマチ専門医の先生は言って、レントゲンを見ながら説明してくれた。

そのとおりで問題ないとしか今まで言われたことはなかった。きれいな椎骨だし、人体が硬化している様子もないし、ヘルニアもなさそう。ほんとにきれいな骨なんだよね。

レントゲンを見て「首が長いね」と言われたのは初めてだったけど、いやほんとに首が長いんですよ。
おかげで働いていた頃より20kgは太っているのに首は無くなるない。そして肩がこる。


一見して問題ないんだけど、と言って、痛みがあるところの椎骨を拡大していくと
その四角い椎骨の右上の角がちょっと角が取れている。四角の角をちょっと切り落とした図形みたいに角が斜めにちょっと無くなっている。
それが何ヶ所かあって説明してくださった。
炎症があるとそんなふうなレントゲンになるとのこと。
それでも疾患のは疑いの病名が出てきた。

翌週詳しく炎症があるのかどうか確認するためにMRIの検査。これは骨の部分が黒く映るように設定を普段とは変えて撮る方法で検査して、骨盤のあたりだけで30分ほどかけて撮影した。


結果、黒く映るはずの骨の何ヶ所かが白く映っていた。この白くなっている部分に炎症があるんだとのこと。
そして診断。

【軸性脊椎関節炎】

これが進行すると、難病に指定されている【強直性脊椎炎】になるとのことだった。
背骨・脊椎は椎骨という四角い小さな骨が並んでいて、それぞれくっついてはいないので、体を前にかがんだり、後ろに反ったり、横に曲げたりできるのだけれど、強直性脊椎炎になるとこれが骨性に固まって体の動きが悪くなるというもの。
難病に指定されている疾患で整形外科系の疾患なので、整形外科で働いていた私は、病名や病態や何かを知っていた。
でも、その前の段階が脊椎関節炎だというふうには考えていなかったから、ちょっとショックではありました。
この先生にみてもらわなかったら、痛いけど異常がないって言われたらそれまでと同じようにとりあえず耐えてやり過ごすしかないのに、進行したら難病になるってあまりに酷くないですかね?


幸い幸運にも見つけてもらえたので、抗リウマチ薬の内服から始めることになりました。

今までの病人人生で「これ飲んだら良くなるよ!」っていうものが無さすぎて【治療ができる疾患だよ】と言われたのにとても感動しました。

内服が効果がなくても次に打てる手もある、そういう、きっと他の人が病院にかかって普通に言われているようなことを言われた経験がないというのもなかなか珍しいのかもしれない。

今までは、「この薬が症状の改善に役立つかもしれないから試してみる」というスタンスなのです。試して良くなかったら次の手を探してみるみたいな。


病名が増える、ということは大抵の人は(かわいそう)(また病名が増えるのか)とネガティブに捉えるんだろうと思うけれど、病名のつかない不調とばかり付き合いの長い私は、
病名がつく≒治療できる方法が何かある!治療を試せる!
となるわけで、嬉しい以外ないのです。

今のお薬が効くのかどうか、副作用はどうなのかはすぐにはわからないけれど、進行しない方法がいくつもあるのは有り難い。もちろん治療にはいくつもリスクはあるのだけれど、今の生活はリスクを選んでももっと悪くなるようなことはあんまりないので、できることはなんでもやるつもりでいる。

この治療で次の病態に進まなければいいし、痛みが取れたらいいし、今よりも苦痛が減るかもしれない、動きやすくなるかもしれない、そういう期待を込めて、私はいい方に向いてるって思ってます。


※写真は慢性疲労症候群の啓発カラーを使って作ったブレスレット。チャリティグッズとして、いろんな色を使いながらワックスコードでブレスレットを作ります。

5月12日は慢性疲労症候群ME/CFS世界啓発デー。
患者会北海道ME/CFS幸せたんぽぽの会ではポスターでの啓発活動を計画中です!参加方法については近日中にお伝えできるように準備します!

世界啓発デー用ポスター

疾患啓発用ポスター


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