約束

郵便局で配送の手続きをしていると
1本の電話が。
 
 
手続きそっちのけで
慌てて電話に出ました。
 
 
ずっと気になっていた人からだったから。
 
 
全盲の神戸の父。
本当の父ではないよ。
父的存在の古川さん。

  

入院中の奥様の余命が残りわずかで
泊まり込みでそばについています。
 
 
数日前に奥様と2人で2度目の結婚式をあげました。
 
 
奥様は必死に生きようと
今日も手すりを掴んで起き上がろうとしているそうです。
 
 
そんな中、古川さんは
ツイッターで呟いていました。

「僕の家庭では無理という言葉は
 
さあこれからだ!という意味だ」と。
 
  
 

いつも胸を摘まれます。
私は奥様も詳しくは存じ上げておりません。
でも、そんな私に電話をくれました。
  
 

 
「ゆきちゃん、元気か?
 
今はこんなんやけどな、

これを糧にまた人生楽しむねん。
 
超えられないことは起こらない。
 
超えられるから起こるんや。 
 
自分がさらに成長するための試練やで。
 
次、元気ないかもしれないけど、
 
その時は
 
元気ないやん!!
 
って言うてな。
 
 
ええか、ゆきちゃん

誰に何を言われても
 
自分が信じた道を貫けばいいんやで。
 
ぶれずに1本貫くんや。
 
それで、
 
どんなことあっても楽しく生きようや!
 
楽しいこと一緒に作り上げようや!
 
後はゆきちゃんの身体だけが心配や。
 
無理したらあかんよ。」

って。
 
 
今、古川さんが1番辛い筈なのに
 
私を心配して電話をくれました。
 
郵便局で号泣でした。
 
 
.

 

落ち着いたら

芦屋にある
 
風の牧場のソフトクリームを

一緒に食べに行くことを約束しました。
 
揚げパンと一緒に食べるソフトクリーム。
 
 
電話の向こうで
 
それええなぁー!って元気な声。
  
 

これぐらいしか今の私には出来ないけれど、

一緒に食べるソフトクリームは
 
甘じょっぱくて絶対に美味しいと思うんだ。

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