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【野党共闘】立憲は国民と維新、共産との調整へ。



【概要】
次の衆院選に向け、長野県では立憲民主党、共産党、社民党は
市民グループの要望を尊重し、
候補者一本化を目指す方針を確認しました。
また立憲の小沢一郎議員は
泉健太代表の支援に難色を示し、
共産党の小池晃書記局長は「野党共闘に弾み」
と述べています。
野田佳彦元総理は維新や国民民主党との連携を
重視し、立憲内では共産党との共闘に賛否が
分かれています。野党共闘の行方が注目されます。



野党共闘

まず野党が候補者を乱立した状態で衆院選に臨めば
負けるのは確実だ。

特に野党第一党で中道左派の立憲と
野党第二党で中道右派の維新と
立憲と同じ連合の支持を受ける国民の
3党は共闘が必須だろう。

なお国民と立憲はそれぞれ候補者同士の棲み分けは
現職のみは行なっているが、
新人では10数選挙区が
立憲と国民の両方が擁立されている。

これは連合としては大変不満だろう・・・。

一方で維新の会は160近い候補者を擁立したものの、
現在の勢いでは関東の小選挙区では勝利することが
困難であり、東京の23人の候補者のうち、
比例区での復活当選を勝ち取れるのは
わずか2人しかいない。

そういう見方ができるからこそ、
維新の候補者にとっては、
大変な状態だろう。


【現在の野党】
立憲:野党第一党の中道左派(旧民主の閣僚etc)
維新:大阪で強固な地盤を持つ野党第二党(元自民系が多い)
国民:立憲と同じく連合の支持を受ける政党(中道右派)

この3党が歩調を合わせる予兆のない現状であれば
政権交代の可能性は格段に減るだろう。

長野、ついに動くか?

次の衆議院選挙に向け、
立憲民主党、共産党、社民党の県内組織は、
市民グループが提出した
「政権交代のために野党候補を一本化し当選を目指す」
などとする政策要望書を尊重する方針を確認しました。

これにより、市民グループを通じた
三つの野党の共闘が事実上確立し、
候補者の一本化に向けて調整が図られることになります。

立憲民主党長野県連の杉尾秀哉代表は「次の総選挙では、この要望を尊重して行動していく。野党候補者の一本化を心から期待したい」と述べました。

共産党長野県委員会の鮎沢聡委員長は「市民と野党の共闘は自民党政治に正面から立ち向かうものだ。市民の声に寄り添って共闘をさらに発展させていきたい」と述べました。

社民党長野県連合の中川博司代表は「要望書にある政策実現に向けて全力で努力していく。ともにがんばりたい」と述べました。

出典:NHK 2024年7月31日 衆院選に向け3野党共闘 候補者一本化に向け調整へ

個人的にはこの野党共闘は
長野県の5選挙区のうちの棲み分け
という意味かなと思います。

1区と2区はそれぞれ立憲の現職がいて、
共産は候補者を擁立していません。

しかし維新は候補者を擁立していますが、
共闘のテーブルに乗ることは
極めて難しいでしょう。

問題なのは3区と5区が一本化できていないことです。
3区は立憲の比例現職である神津 健氏、
5区では今回、裏金議員の一人として
農水大臣を辞任された宮下一郎議員の
お膝元です。
その対抗馬である福田淳太氏が公認内定されています。

つまり立憲としては長野の小選挙区で
こういうふうにしたいのかなと
個人的には予想いたします。


市民連合を選択すれば連合からの推薦や支援の可能性は極めて低い

【立憲及び市民グループの野党共闘】
長野1区:
自民vs立憲vs維新
長野2区:
立憲vs自民vs維新
長野3区:
自民vs立憲
長野4区:
自民vs共産
長野5区:
自民vs立憲

こういう形ですね。特に5区に関しては
宮下家の地盤であり、
裏金問題の逆風は大きくても、
なかなか容易には勝てない選挙区であるため、
少しでも確率を上げるための共闘だったのかな
と思います。

鍵を握る旧民主の幹部たち

一方で、立憲民主党の小沢一郎衆院議員は、
泉健太代表を支援することに難色を示しました。

小沢氏は「3年でできないのに、この1カ月でできるのか」と述べ、
泉氏の代表就任以降、
野党共闘が進まなかったことを指摘しています。

前回の代表選では小沢氏が泉氏を支援し、
当選させたこともあり、
小沢氏が現状において誰を支援するかは
党内でも注目されているでしょう。

立民議員の国政報告会での講演では、次期衆院選に関し「国民、維新などと力を合わせれば絶対勝つ。野党協力がなければこんな自民党でも勝ってしまう」と強調した。

出典:東京新聞 2024年7月27日 立民の小沢氏、泉代表支援に難色 「野党共闘進まず」

過去に二度ほど政権交代を実現した小沢氏で
元自民党の国会議員です。

今回は代表選で誰を支援するかが注目でしょう。

野田佳彦元総理もまた、
維新や国民民主党との協力を
野党連携の軸足にすべきだとの認識を示しました。

特に「保守系の無党派層に働きかけ、
支持を得ることが基本的に大事だ」
とも述べ、
幅広い支持層の取り込みを目指しています。

なお本人が代表選に出馬するかは本人は
否定的な発言をしており、未だ代表選の出馬は
明言されておりません。

さらに野田氏は、「保守系の無党派層に働きかけ、支持を得ることがこれからは基本的に大事だ」と強調しました。

出典:TBS 2024年7月29日 立憲・野田元総理「野党連携の軸は維新と国民民主」

一方で一番立憲にとって課題だった無党派層と保守層の
取り込みは保守に近い野田元総理が適任
とも言え
、いずれにせよ全国に応援に行かれる可能性は
極めて高いでしょう。

立憲民主党のライトウイングの議員は数が少ない
貴重な人材のため、野党第一党になるためには
右ウイングの支援は欠かせないでしょう。

反自民での共産と現実的な共闘

共産党の小池晃書記局長は、
次期衆院選に向け「野党共闘に弾み」
をつけると意気込んでいます。

共産党は前回の衆院選で多くの選挙区で
候補者を下ろし立憲候補への一本化を図りましたが、
期待していた比例票を減らしました。

特に委員長の交代後、初めて田村執行部が
迎える大型選挙です。

 28日投開票の衆院3補欠選挙で立憲民主党の候補者を支援した共産党は、次期衆院選に向け「野党共闘に弾み」と勢いづく。今回は候補者を取り下げたものの、「本選挙ではそうはいかない」として、次期衆院選での譲歩を立憲側に求めた。

出典:朝日新聞デジタル 2024年4月29日「共闘に弾み」3補選、立憲勝利で勢いづく共産 立憲内には警戒感も

一方の立憲民主党は、共産党との共闘が進むことを望む一方で、
共産党と一体と見られることを警戒しています。

他の野党や支持母体である
連合の反発を恐れるためです。

実は千葉5区では次期衆議院選は立憲と国民の
両党が候補者を擁立するものの、
連合は両方の政党を支持しているものの、
国民民主党の候補を推薦されました。

連合千葉は7日の会合で、次期衆院選千葉5区に出馬する予定の国民民主党新人への推薦方針を確認した。同区に立憲民主党も新人を擁立し、国民と競合する。連合は両党の最大の支援団体で、一方に推薦を出す悪影響を全国に波及させないよう本部へ上申せず、地方組織レベルの推薦にとどめるとした。連合千葉の永富博之会長が取材に明らかにした。

出典:産経新聞 2024/5/7 連合千葉、次期衆院選で5区は国民推薦 立民と競合

共産が強い都市部では共闘が進むだろうが、
地方では手を組みたくない人もいること。

加えて連合は共産との共闘に否定的です。

この件については選挙区の事情によって、
共産党と連合の関係を上手く棲み分けをしなければ
いけないと現実的に思います。

例えば共産党は完全に共産党の路線を貫き、
共産党の主張のまま政策を推し進めるでしょう。

この点については各党の考えであり、
否定はしなくていい。

一方で候補者は前回の衆院選以上に
共産と立憲の棲み分けは現実的にはない可能性は
高いものの、

次の衆議院選挙に向けた野党共闘は、依然として課題が多い。

しかしギリギリまで各党の対応により、
進展が見込まれています。

果たして、この共闘がどのような形で実現し、
選挙結果にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。

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