分裂する労働連合。労働者の雇用改善と野党の行方
立憲にも国民にも影響する連合
連合、それは民主党政権の支持母体であり、
労働連合の略称である。
現在、旧民主党は中道右派の国民民主党と
中道左派の立憲民主党に分かれ、
連合の支持もまた二つの野党に分散されている。
しかしよく考えてみれば、なぜ連合は二つの野党を支持し、
組織として成立しているのでしょうか?
全国に強大な組織力を誇る労働連合が二つの政党を支持し、
近年は岸田政権の政策にも影響する連合が、
なぜ分裂しないのか?
今回はこの点を含め解説いたします。
連合とは?
日本労働組合総連合会のことを指します。
組合員数が約683万人の巨大組織であり、主に労働者目線の政策の反映に
尽力している。
富裕層や経営者、企業のための政策とは対照的に、
連合は資本ではなく人が多いことが特徴です。
現在の資本主義
お金:資本家>労働者
人口:労働者>人口
労働者の方が選挙の票数の確保につながるものの、
資本家は選挙にかかる巨額の費用を援助するために
必要のため、代議士はパワーバランスを取るのが
難しいと言えます。
この点は企業団体献金についてもかかわる論争ですので、
今回は保留にします。
連合の組織図
では連合の組織図についても解説致します。
この点は立憲や国民の支持層にも重なるため要注目です。
【会派】
全日本自治団体労働組合
日本教職員組合
日本労働組合総評議会
全日本労働総同盟
の4つの組織をまとめた巨大組織が連合なのです。
詳しくはこちらの記事でも述べられているので、
よければぜひ!
現在の連合会長は芳野 友子会長で連合に加盟する産業別労働組合の5番目に大きい
JAM(ものづくり産業労働組合)出身の会長です。
JAMは機械金属企業の組合員で構成されている34万人規模の巨大組織であり、
村田きょうこ(立憲民主党 参議院議員)氏がその出身です。
その前会長は立憲支持の組織出身で、さらに前は国民支持の組織出身と、
連合内でも支持政党は意外と異なります。
なおJAMは立憲民主党を支持する組織です。
【産業別組織図】(2022年時点)
UAゼンセン:178万人(国民)
自動車総連:79万人(国民)
自治労:77万人(立憲・社民)
電機連合:56万人(国民)
JAM:34万人(立憲)
基幹労連:27万人(立憲)
生保労連:24万人
JP労組:23万人(立憲)
日教組:21万人(立憲・社民)
電力総連:20万人(国民)
情報労連:19万人(立憲)
運輸労連:12万人(立憲)
JEC連合:11万人
私鉄総連:11万人(立憲)
フード連合:10万人
損保労連:9万人
JR連合:7万人(立憲・国民)
国公連合:7万人(立憲・国民・社民)
その他・・・
こんな感じです。一言で言えば電気・自動車の民間企業は国民民主党、
公務員などは立憲民主党ですね。
愛知県の豊田市は国民民主党が強いのはそのような理由です。
共産党と連合の距離がある理由
しかし同じ野党でも共産党と連合の間には
なかなか野党間でも無視できない距離感があります。
それはかつての旧総評から始まります。
旧総評の多くは連合に合流しましたが、
一部は共産と密接な関係のある全労連に
袂をわかち、その対立が今日の連合と共産党の関係です。
全国労働組合総連合は簡単に言えば左派寄りの労働組合です。
そのため自衛隊を憲法違反している党と
ウマが合わないのは仕方はないですが、
今の野党が分裂している状況を見ると
日本国民はどう思うのか?
【野党の構図】
日本共産党(全労連):極左、公明につぐ組織力で、政党交付金を受け取っていない政党
立憲民主党(連合):中道左派、野党第一党の政党で、民主党政権の首相や閣僚の多くが所属。 共産との候補者調整・支援に意欲
国民民主党(連合):中道右派、連合が支持母体のもう一つの政党。希望の党出身の玉木代表が党首を務め、共産との協力に否定的
維新の会:中道右派、大阪および関西圏で圧倒的な地盤を誇る政党。立憲や共産との共闘に否定的であり、野党かつ改憲に意欲のある国民と協力的な姿勢もある。
主にこの4党が候補者調整しない限りは、なかなか
自民党に勝利するのは難しいでしょう。
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