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東京15区補選、都民ファの実力が明らかに!? 注目される都民ファの組織力とは?


都民ファーストとは?

都民ファーストは希望の党ののちに生まれた地域政党です。

小池百合子都知事が特別代表を務め、都議会では27人の都議を
握っています。

政策としては主に「東京大改革」を掲げており、首都東京を、将来にわたって、経済・福祉・環境などあらゆる分野で持続可能な社会となりえるよう、新しい東京へと再構築すること。東京の魅力ある資産を磨き直し、国際競争力を向上させること。都民一人ひとりが活躍できる、安心できる社会にステージアップすることである。といった趣旨が都民ファーストの会のHPで書かれている。

また今回も都知事選で3選が予想される小池氏自身が元自民党の閣僚であり、
現在の立憲民主党及び国民民主党の前身の希望の党の代表を
務めたことから、都内の野党及び与党票にも影響がある。

そのため今回は都民ファーストについて紹介したい。

現在の都民ファーストの執行部

現在の都民ファーストの執行部についてお伝えします。

都民ファーストは都議会で過半数を持たない少数与党であり、
現在は都議会の27名を占める第二党です。

第一党との自民党の議席差はわずか数議席であることから、
都内では自民党に次ぐ集票力を誇ります。

【都民ファースト執行部】
代表:森村 隆行(都議会議員・青梅市選挙区 2期)
全議員支部長総会議長:尾崎 大介(都議会議員・北多摩第3選挙区 5期)
代表代行:成清梨沙子(都議会議員・墨田区選挙区 2期)
副代表:樋口 高顕(千代田区長 1期)・入江伸子(都議会議員・港区選挙区 2期)
代表補佐:後藤奈美(都議会議員・足立区選挙区 2期)
幹事長:尾島紘平(都議会議員・練馬区選挙区 2期)
総務会長:後藤奈美(同上)
政調会長:福島理恵子(都議会議員・世田谷区選挙区 2期)

このようなメンバーですね。なお都知事就任の翌年に大幅に議席を増やした
ことから、2期目の方が多いイメージがあります。

会派的には民進党や自民党系の方がいて、
保守票が取れるイメージがあります。

なお特別顧問は小池百合子氏と荒木千陽前都議の二名が務めています。

気になる都民ファの集票力

では都民ファの集票力はどのくらいなのでしょうか?

まず2021年の都議会議員選挙について見てみましょう。

令和3年度の東京都のHPで確認したところ、
都民ファの合計票数は約103万票です。

府中市を除く29選挙区で仮に等しく割ると、
1選挙区につき3万5,000票都民ファーストの集票力ですね。

都内では公明党以上の組織力があると一見思えますが、
実情はそんなに甘くはないでしょう。

参議院選挙では大敗

2022年の参議院選挙では都民ファーストの国政政党である
ファーストの会で代表を務める荒木氏が立候補し、
落選されました。

なお公明党や共産党と比較しましょう。

2022年参議院選挙 東京選挙区

公明党 竹谷とし子 742,968
共産党 山添拓 685,224
ファーストの会 荒木千陽 284,629←(国民民主党推薦)

公明党と比べ50万票近い差をつけられています。

もちろん一概に比べることはできませんが、
果たして数値としてはどちらが信じられるか?
気になるところです。

東京都知事の小池百合子を支える“土台”がぐらつきを見せている。

小池が特別顧問を務める東京の地域政党・都民ファーストの会が、選挙や離党などで都議会での勢力の縮小が続き、新体制でも課題が山積しているためだ。党幹部は今後の党運営を「いばらの道」と例えてみせた。

東京大改革の旗を掲げ、小池の“勢い”を示してきた都民ファーストの会に今、何が起きているのか。

出典:2023/1/5 NHK政治マガジン 小池百合子と、いばらの道。
縮小する都民ファーストの会

統一地方選挙

改選前の計24議席から倍に近い人数となる44人が当選し、
一定の成果がありました。

小池氏の影響力は健在といえます。

しかし維新の会が2023年の統一地方選挙において、
都内で67人が当選するなど、
都民ファの票が維新に流れているのではないか?
という点も伺えます。

中道派の維新と都民ファには、それぞれ地方政党が母体も、
残念ながら勢いには雲泥の差が生まれてしまいました。

維新の会は大阪の国会議員、府議会議員、市町村議員の
多くを占め、維新が与党なのは当たり前です。

それだけでなく、隣県の奈良県でも維新公認の首長が生まれ、
和歌山県では維新の国会議員が生まれました。

さらに隣県の兵庫でも次期衆議院選挙では
多くの小選挙区で維新候補が当選する可能性が高いでしょう。

一方で都民ファは残念ながら都議会でも過半数を握れず、
都民ファ公認の国会議員は未だ生まれていません。

仮に乙武洋匡氏が東京15区の補選にて当選したとしても、
次期衆議院選挙まで議席を守り続けられるかは
分かりません。

果たしてこの先の都民ファに待ち受けるのは希望か?それとも衰退か?
ここからは15区の補欠選挙と前回の都議会選挙でまとめていきたいと思います。

都民ファがこれから待ち受けているもの

都民ファがこれから待ち受けているものは
東京15区の補欠選挙と次期衆議院選挙、参議院選挙、都議会議員選挙の4点です。

都知事選は小池百合子氏の3選の可能性が極めて高いため、
省かせて頂きます。

東京15区の補欠選挙

東京15区の補欠選挙は自公が撤退し、
乙武洋匡氏にファーストの会と国民民主党が推薦する形で
立候補されました。

乙武氏の選挙実績は2022年の参議院選挙で
無所属ながら322,904票を獲得した実績があります。

もし政党の推薦が得られたり、公認で出馬すれば
参議院議員として当選していたかもしれません。

なおこの当時の参議院選挙で乙武氏に入れた
江東区民の数は東京都の選管HPによると15,054
で荒木氏の票は10,367票
二人の人数を合わせた場合、
2万5,000票の力はあると考えられます。

ただし同じ参議院選挙で
公明党候補に入れた票数は28,785票、
共産党候補に入れた票数は23,234票と
二人を単純に合わせたとして、ようやく匹敵する実情です。

ただ東京15区では共産党候補が候補者を下ろし、
立憲民主党の候補である酒井氏を支援する形となったことから、
蓮舫氏の28,216票➕松尾氏の10,425票が加わり、
単純計算ですと6万1,000票は入るかと思います。

しかしこの選挙は補欠選挙であるため、
通常の選挙に比べ投票率は低く、
立憲内からは公認の酒井氏と無所属の須藤参議院議員が出馬されて
いることで、立憲の支持者内でも票が分裂するでしょう。

そのため4.5-5.2万票前後だと考えられます。

また公明党および自民党が推薦を出さなくても、
乙武氏に票が流れれば、4.5-5.5票で当選するかもしれません。

ボーダーは5万票-6万票です。

果たして誰が当選するのか?注目ですね。

衆議院総選挙

衆議院選挙では東京3区の奥本有里氏は元都民ファースト所属の区議会議員で
国民民主党の公認で擁立されることとなりました。

東京15区の乙武氏も含めて2名を当選させるかが、鍵となるでしょう。

今後も都民ファの候補が立候補される?もしくは
与党か野党の支持に回るとなれば、強いともいえます。

特に自民党にとっては立憲が都内で強い地盤を誇る選挙区も多いことから、
都民ファの支援があれば、自民党に対する逆風を一定程度、
抑えられるかもしれません。

東京都議会議員選挙

2025年に都議会議員選挙があります。

しかし前回と同様の戦い方を都民ファができるとは限らず、
都民ファは次回の都議会議員選挙では厳しい選挙戦になる可能性が高いと
個人的に考えます。

  • 維新の統一地方選挙の躍進で、都議会での大幅議席増

  • 保守党・参政党など少数政党の乱立

このような形で厳しい選挙戦が強いられることになるかもしれません。
参議院選挙でも同様に、都民ファが躍進するためには
まず15区補選での乙武氏の勝利が、求められます。

まとめ

都民ファの組織力は自民票の一部と革新系の票から来ます。

つまり中道左派、中道右派の票が揺れれば、組織力の衰退となるかもしれません。

小池都知事によって躍進を果たした都民ファーストが、
組織として今後も生存できるかは注目したいところですが、
ひとまず組織票についてまとめたいと思います。

  • 都民ファの組織力は小選挙区あたり1.5万票-2万票

  • 中道右派・中道左派の基盤固めができている。

  • 維新と支持者が被る場合もあり

  • 都内の地方議会選挙では、やや衰退の兆しも

  • それでも小池都知事の3選は可能性高い

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