賞レースってやつは。

今更ながら、録画していた「キングオブコント2019」を見た。

どぶろっくが優勝したことだけは知っていて。
友人や上司と言いたい放題言っていたのである。
ただ今日見て、優勝したのを納得できた。

なぜ、どぶろっくが優勝したことを喜べない人がいたのか。
なぜ、どぶろっくは優勝できたのか。

考えてみた。

○どぶろっくが優勝したことを喜べない理由：
・世間の人は、賞レースを人生大逆転イベントと捉えている。
（だから）
・既に成功しているやつより、苦労しているやつの方が応援したくなる。

お笑い業界の中には、いくつもの賞レースが存在する。M-1、KOC、ABCお笑いグランプリ…
どの芸人も、この賞レースに人生をかけているのだ。いろいろなものを犠牲にして。売れたい、有名になりたい、人を笑わせたい…いろんな欲望と共に。

一方で、どぶろっくは既に「売れた」芸人だったのだ。
周りの人が「自分だったらうるとらブギーズを優勝させてあげたかった」「もういいじゃん」と言っていることからわかるように。

みんな、不満だったのだ。
既に一定の知名度がある人が、頂点に立つことが。

ではなぜ、頂点に立てたのか。

○どぶろっくが優勝した理由：
もともとあった、審査員の期待値が低かった。

これはあくまでも、私の持論。
思うのだ、世間の人のように、審査員も
「どぶろっくってただ歌っているやつらでしょ、もしかしてだけどって。」

そんな彼らが、彼らのスタイルである「下ネタ」をつきつめ、
ミュージカル調のコントをした。
コントは、設定、人物関係がきちんと規定されている。立派な「コント」だ。

どうせ「どぶろっくのネタはあのネタだろ、どうせ。」と思っていた審査員の心を、ぐいと動かし、「裏切られた」からこそこの優勝につながったと思う。

メディアのニュース記事やSNSを見ると「大きなイチモツをください」「どぶろっく優勝」という言葉だけが並ぶ、表層的なニュースしかないから誤解を生みやすい。

私も、結果だけを知って全く納得がいかなかった。

けど今は思う、今年の優勝はどぶろっくがふさわしい。

賞レースは何が起こるかわからない。だから楽しくて、みんなを引き付ける。

それは野球や、ラグビーのように。

うるとらブギーズも、ゾフィも、空気階段も、GAGも、ジャルジャルも、わらふじなるおも、ネルソンズも、かが屋も、ビスケットブラザーズも、また来年もっと面白いコントを見せてくれると思うと楽しみでしかない。

何よりも、おめでとうございます、どぶろっく。