「カサンドラ症候群」のこと
※見出し画像は、「カッサンドラー」/イーヴリン・ド・モーガン画
この日になると思い出す
毎年、この日になると、松任谷由実の「誕生日おめでとう」が脳内再生されます。
今日は前夫の誕生日です。
こういう風に書くと、「死別?」みたいな感じがしますが、(多分)前夫は元気に存命だと思います。同い年なので、もういいオジサンになっているだろうと思います。
ここまで書くと、もうお分かりかと思いますが、ユキノジはバツイチでして。1度目は大学の同級生と結婚し、色々と気持ちの行き違いで、3年経たずに離婚しました。
前夫との間に子供はいません。
離婚してしばらくして、今の夫と知り合い再婚しました。で、授かった息子が知的障害・発達障害持ちでして、息子の事について色々調べているうちにあることに気がついたのです。
「ひょっとすると、1度目の結婚をしてた時って、"カサンドラ症候群"だったのかも知れない?」
「カサンドラ症候群」というのは、ギリシャ神話に登場する、トロイの王女のエピソードが由来です。
このエピソードから、、「カサンドラ症候群」とは、世間的には問題なく見えるアスペルガーの伴侶への不満を口にしても信じてもらえない状況を言い、それによる身体的・精神的症状を表すようになりました。(診断名ではないそうです)
息子を育てているうちに読んだ、発達障害に関する書籍の1つにそういう記述があり、それが前夫の行動ととてもよく似ていたのです。
前の夫は、まぁごく普通の人で、性格はやや押しが弱いというのか、優柔不断なところがありました。ちょっと自分の意見を言うのが下手で、他人の気持ちを察したり、共感するのが苦手なのかなぁ位で、付き合っていた当時は特に問題があるようには思えませんでした。
ところが、結婚して一緒に暮らし始めると、問題が出てくる出てくる…。
何に関しても自分の意見や感想を言わないんですよ。正確には、言う事ができないというのか…。
「~したいけど、こうしても良いかな?」 「さぁ?」
「~なんだけど、どうしたらいいと思う?」 「さぁ?」
…いやいや、「さぁ?」じゃなくてね…、「俺はこう思うけど?」みたいなことも一切なくて。「さぁ?、分からない」・「別に」で会話が終わってしまう。暖簾に腕押し状態。対話ができない。議論にならない。
「いや、それじゃ答えになってないんだけど?」と詰め寄ると、だんまりを決め込んでしまって膠着状態になって終わるのがいつものパターン。こちらは「何で自分の意見が言えないんだろう?」とモヤモヤ。
ケンカとかしていなくても、しばしばこちらが傷つくような酷い言動をして、「ちょっと、それはあんまりと違う?それ言われると結構キツイんだけど」とたしなめると、「何で?本当の事やろ?」と悪びれる様子もありません。
お金の事でも、「今月は~でお金がいるから、あなたの分から予め〇円分取り置いとくね。」と言えば、「何で?俺が稼いだ金なのに?」と言い放つ始末。
だから給料は一切家に入れてくれませんでした。二世帯だったので、住居費が掛からなかったのが幸いでしたが。
元夫は給料の一部を義父母に入れていたようですが、あとは全て自分の遊興費(主にパチンコ)として使っていました。
では生活費はどうしていたかというと、全て私の給料(フルタイムパート)から賄っていました。だから毎月カツカツでしたね。
今どきに言うとほぼ経済的モラハラ or DVですねぇ。
たまに私が体調を崩して寝込んだりすると、「あれ、ご飯は?作れないの?じゃああっち(義父母宅)で食べるわ。」と、お箸と茶碗を持って同じ敷地内の義父母宅へ行くという気遣いのなさにもがっかりしていました。(またそれを義父母がいさめないという…)
電話で実母や友達に愚痴っても「男の人はそんなもんよ」と取り合ってくれないし。
なんか、ちゃんと結婚したのに、実質親付きの同棲というか、ヒモというのか…。
私が悪いのかなぁ…。理解する努力が足りないのかな、我慢が足りないのかなぁ…。とずっと鬱々していて、たまりかねてある時、黙って実家に帰ったんですが、安否確認電話の1つもなく、そこで何かがキレてしまって離婚したのでした。
離婚した当時は、「どうしてあんなに人の気持ちを理解しないのか」と怒りの方が強かったんですけど、今となっては、「そういう特性だったとしたら、仕方なかったよなぁ…。」と腑に落ちるようになりました。
現在、配偶者の言動に悩んでいる方は、当事者のブログなどもあるので、覗いてみられると良いかと思います。
「カサンドラ症候群」においては、どっちが悪いという事ではなくて、特性を理解したうえで関係性を見直すことが重要らしいので、カウンセリングなどを受けるのも1つの方法でしょう。
まぁ、いずれにしろ「心身ともに消耗する」のは確実なので、壊れないうちに離婚などで距離を置く方が良さそうな気もしますが。(個人の感想です)
離婚後、しばらくして何かバラエティー番組を見ていて、「あぁ、これよく見てたなぁ…。」と元夫にかけたのが最後の電話だったかな。
「あ、今俺も見てた。…こういうのは良く分かるんや?」
「まぁね。何となく見てるんじゃないかなって思って。」
「ふぅ~ん。…よう見とったよな。」
「だね。」
「…まぁ、元気でな。」
「うん。元気でな。」
こんな話をした後、ガラケーのアドレス帳から番号を消去しました。
当時は今のようにネットが発達する前だったので、ガラケーのアドレス帳から削除してしまえば"友達かも?"なんてのが出てくることもなく、気持ちを切り替えられたんで、それはそれでいい時代だったなあ…と思います。
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