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あの世から出禁を喰らっている仙人の話。

『出禁のモグラ』という漫画、これ面白い。
作者の前作『鬼灯の冷徹』が好きで、正直今作はどうなんだろうかと第三巻が出るまで手を出さなかった。
でも我慢出来なくて電子書籍版を購入。

結論 : 面白い。

出会いは広辞苑を側頭部に喰らった日。

八目大学の文芸部に通う、真木と八重。
ゼミの飲み会からの帰り、そばを通った男の側頭部に、どこからか飛んできた広辞苑が衝突。男は血を流して倒れます。

「見なかったことにして通り過ぎてもいい」と言う男ですが、お人好しな二人は引き下がらず、救急車を呼び、「救急車はまずい!」と男が逃げるので警察を呼・・・ぼうとしたところで「話し合おう!!」と男の住処に案内されます。

そうだぞ特に若い女の子は「一人暮らしです」とか
よく知らない相手に不用心に言ってはいけないぞ。
そういう情報は、そうなってもいい相手が出来てから。


あの世と現世の貯蓄

男の名前は「モグラ」。フルネームは「百暗 桃弓木〈もぐら ももゆき〉」です。
なんらかの刑罰としてあの世から追い出され、現世で永らく暮らしています。

霊には鬼火があり、それが案内してくれるので人は死後、あの世へ迷わず逝けるとのこと。
ところがモグラは刑罰で鬼火を没収されており、そのままだとあの世に逝きたくても迷ってしまいます。

そこで男は、謎のカンテラに幽霊から奪った貰ったを貯めることで、あの世に逝こうと計画しています。

ところが・・・・・・。

現世で生活するにはお金が何かと入り用です。何を手に入れるにも、何をするにも、金金金​。
保険証も戸籍もないので病院には行けず、体の健康を保つために、カンテラにせっかく貯めたエネルギーを少し貰う日々。

そう。
この男、お金もカンテラの灯も貯まらない。
そうやって現世の片隅に閉じ込められているのです。

一度、貯めたお金で戸籍を取得したところ、家に届いたのは赤紙​───。
あの絶対に従わないといけない、赤い紙です。

戦場ならそこら中に霊がいるだろうから、灯を集めやすいかもと、ふと思いましたが、戦場はとにかく地獄です。

そういや運動会や体育祭で、「前へ倣え」とか「右向け右」とかやらされますけど、あれ好きじゃないんだよなぁ軍隊みたいでさ。
行進だって脚をもっと上げろとうるさく言われたし、あんなん揃えなくたって普通に歩いていいじゃんね。誰もそこを評価しながら眺めてないよ。
あれに何か意味があるとも思えないし、指示を出す教師がちょっと気持ち良くなるだけでしょ。

おっとついつい本音を垂らしてしまった。
どこまで話したっけ・・・・・・ああそうそう、戦場も経験したモグラは、当然銃で人を撃ったこともあります。
今でこそFPSゲームとかで銃を普通に撃ちまくってますが、実際の戦場で銃を渡されて「人を撃ち殺せ」と命令されたら、一体どれくらいの人間が後悔も迷いもなく遂行出来るんでしょうね。

一応これに関してはデータが出てて、人間の97%は「羊」と呼ばれる、優しくておとなしくて親切で、真の意味で攻撃的になることが出来ません。

残りの3%は「犬」と呼ばれる人たちです。
生まれながらの兵士で、忠実でいつも油断がなく、環境が求めれば十分に攻撃的になれます。大きく分けて「牧羊犬」「野生の群れ」「狼」です。

「牧羊犬」は環境が求めれば攻撃的になれます。しかし攻撃性を乱用はしません。
「野生の群れ」はギャングや攻撃的な軍隊です。
「狼」は 社会病質者ソシオパスで、攻撃性を悪用します。

私はどうだろうなぁ。まあ『ゴールデンカムイ』風に言うなら、道理があれば人を撃つかもしれません。その時が来ないことを願いますが。

あ、このデータに関してはデーヴ・グロスマン『戦争における「人殺し」の心理学』という本に載ってますので興味がある方はどうぞ。


モグラの特技

モグラ、器用です。
でもお金が貯まらないので恐らく器用貧乏です。

チャリこぐ速さは自動車並み。
食品サンプルが作れる。
絵が描けるので「同人誌出したら?」と真木。
即席で百合の春本(エロ本)の表紙を筆で描きましたが、
「絵柄をアップデートしろ」と指摘されるモグラ。
なに?「百合」が何かわからない?
それぐらい自分で調べなさい!
自分で調べた方が刺激的だから!
新しい扉は自分で開くものですわよ!


まとめ

気になったなら読め!!
今なら第4巻まで出てるから!!
4冊なら十分追いつけるよな!!
こち亀やONE PIECEやゴルゴ13に比べたら!!
たったの4冊だよ!!
だから気になったなら読んでみろ!!

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