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【にじと葉っぱちゃんの世界】Vol.1「ありのままにありがとう」

数日前は雪が降った。
寒い日は家に出るのが億劫になる。
でも今日は、そんな寒さまでも楽しむにじと葉っぱちゃんに、ハーブを育てている畑を順番に案内してもらった。

まずは家から歩いてすぐのところにある畑から。

「これはレモングラスで、これはレモンバーベナ。」
「これはティートゥリーだよ、摘んでハーブウォーターにでもしようかな。」

初めて会ったお友達を紹介するように、植物たちの名前を教えてくれる。
今ではもう、植物のことをたくさん知っているけど、いつから興味を持ったのだろう。

「なんとなく小さい頃から興味を持っていたのかなあ。お父さんが庭でハーブを育てて、それを料理に使ったりしてくれていたからね。でも、自分でハーブティーを飲むようになったのは介護をしているときかな。」

最初は自分がリラックスするために、庭に植わっているハーブを適当にお湯に入れて、職場に持っていっていたという。
そうしてるうちに、職場の中でも飲みたいって言ってくれる人が増えていったんだとか。

「みんなが美味しいって言ってくれるから、じゃあ明日はどんなのを作ろうかなーって考えるうちに、ハーブティーを作るようになった感じかな。」

飲み始めた頃は3種類くらいしか知らなかったハーブも、美味しいって思ったものは効能を調べたり、人から教えてもらったりして知識がついていったという。
『好き』とは、結局こういうことを言うのだろう。

でも、そもそもなんで『にじと葉っぱちゃん』なの?

「まだ介護をやっているときにね、1年間くらい虹を3日に1回くらい見たの。空を見上げると虹があるっていう、不思議な年があってね。だから、葉っぱが好きっていうのと併せて『にじと葉っぱ』。で、最後に『ちゃん』をつけると可愛いなって思って『にじと葉っぱちゃん』(笑)」

なんとなく作るようになったハーブティー、単純に好きだから、可愛いからと決めた名前。
心の赴く方向に進んできて今がある。
そんな純粋な姿が周りの人も惹きつけるのだろう。
ハーブに関わるようになってから、不思議と色んな自然農の人たちとご縁が繋がっていったという。
自然を大切にする人たちとのご縁で、ハーブを育てる場所も増えていった。

「よくハーブ園を見せてくださいって言われるんだけど、存在しないんだよね(笑)ハーブティーに使っていいよって、自然に元気に育ってる植物を分けてくれる場所が点在してるからね。だから住宅街に住んでいるけど、大きな森の中に住んでるみたいな感覚。ちょっと車を走らせて、あそこに行けばこれがあるみたいな、私にとっての森に囲われて暮らしてる。」

そう話してる間に、キウイの木のつるを使ってあっという間に可愛いリースを作る。
本当に森で遊ぶ少女のよう。

車を20分くらい走らせて、次の畑に向かう。
今の時期は枯れている植物が多いらしい。
少し寂しい感じもするが、こういう自然の姿が好きだという。

「人間が意図的に耕して植えてできる自然よりも、風で飛んできた種から芽が出たり、動物たちが運んできた実から木になったり、そういうあるがままの自然というか、森羅万象が好き。」

ミントの上を覆いかぶさるようにして生える雑草を抜くと、隠れていた新しい芽が顔を出す。
寂しいのではなく、これも自然のサイクルなんだと実感する。
ハーブティーを作る上でも、なるべく自然な状態を意識しているという。

「植物って、月や星の動きとか太陽の位置に影響されるのよ。ハーブの香りが強くなるときもあって。人間もそうでしょ?生まれるときは満潮のときが多くて、息を引き取るときは干潮のときが多いみたいな。」
「全部が全部そうじゃないけど、なるべく自然の動きを気にしながら作れたらいいなって思ってる。だから大量生産ができない。ほんとにご縁のある人に、自分の感謝とか喜びとか、楽しい!っていう気持ちを植物のエネルギーにのせて届けたいなって。」

自然を大切にしている人の畑でハーブを育て、ひと摘み、ひと摘み、感謝を込めて収穫し、風や太陽の向きを見て干す場所を変えながら乾燥させる。
ここまで植物が好きで、手間暇かけてハーブティーを作る人はきっといない。

「植物を使って、無理なく楽しめたらいいな。さっきみたいにリースを作ったり。そういう楽しみ方をしながら生活していたら、豊かだなって思って。物の豊かさっていうよりは、与えてもらってるっていう恵の豊かさというか。足元見たらいっぱい色んな恵を与えてもらってることに感謝できるっていう生活。そういう風に生きていきたいな。」

自然にあることを見逃さずに、感謝する。
大切だけど忘れがちなこと。

にじと葉っぱちゃんが届けるハーブティーには、植物のエネルギーだけではなく、「好き」と「ありがとう」のエネルギーがたくさん詰まっていると思う。


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