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TOEIC IIBC Award of Excellenceとテディベアの行方…

数年前に送られてきた"TOEIC IIBC Award of Excellence"の表彰状を処分しました。この賞に「意味がない」と言うつもりはありません。最近英語の学習を始めた方や、元々英語が苦手で、少しずつスコアアップしてきた方などにとっては、意味のある、大切な賞かもしれません。

でも、私にとっては、あまり意味はないのです。

ずっと翻訳の仕事をしてきたり、通訳ガイドの仕事をして英語を使ってきたことや、思うようにスピーキングテストのスコアが上がらなくても、友人たちが

”I love talking to you. I always wana talk to you.”

と言ってくれることの方が、TOEICのawardよりずっと大事だからです。

場所を取るわけではないけれど、見る度に何だか複雑な気持ちになっていた表彰状。ずっと処分できずにいたんですよね。

でも、最近、あるお笑い芸人さんが漫才グランプリの優勝トロフィーを抱えているのを見て「優勝とか過去の栄光にしがみついているのは、なんだかかっこよくないなぁ…私はそうなりたくないな…」と感じて、捨てる決心がついたんです。

私の場合、「過去の栄光」として表彰状を取っておいたわけではありません。以前からずっと処分したいと思いつつ、どこからともなく「えっ、捨てちゃうの?!頑張ってその賞を目指しているのに…」という声が聞こえる気がして、後ろめたさを感じていました。

ずっと心にモヤモヤと引っかかっていたものを手放せて、本当に気分スッキリしました。こういうのって伝染するのか、夫の趣味のグッズがクローゼットの片隅を占領していたんですけど、「もう処分してもいいかな」と急に許可が!嬉しい!さっそくこちらも手放しました。

私は物質的なものにあまり執着心はないので、結婚写真や結婚指輪もないし、卒業アルバムも捨ててしまって何の後悔もありません。でも、ちょっぴり心にひっかかっていることがありました。

それはイギリスで買った小さなテディベア。

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数年前、突然に体調を崩し難病を二つ宣告され、4回目の入院から帰って来たばかりの頃。寝たきりから歩けるくらいまでに体調は回復していたのだけど、日常生活も満足に送れなくて。なので、もう仕事や旅行などもできないだろう…と悲観的になっていた部分もありました。

そして家族旅行で買ったお土産や、イギリスで友人と観光した時に買った思い出のテディベアなども売ったり処分してしまったんです。持っているのが辛くて。

でも、最近テディベアのことをふと思い出し…

何もあんなに慌てて手放す必要なかったのかもしれないな。
大切な思い出があったのにな。

なーんて、ちょっぴり後悔。そして、買った時に一緒だった友人に愚痴っていたら、

"Well he was a lucky bear to spend all that time he had with you.
Now he can go somewhere else and tell people how amazing you are."

ゆきのと一緒に過ごすことができてラッキーなテディベアだったね。今はどこかで別の所に行って、ゆきのがどんなに素晴らしい人だったか話していると思うよ。

と、彼が言ってくれたんですね。

私から自由になって、新たな持ち主の元で楽しく過ごしているイメージがふくらみ、思わず涙がこぼれました。手放してしまったことは淋しいけれど、とても暖かい気持ちになった出来事でした。


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