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そうだ 東京じゃないところ、行こう。

こんにちは。生まれも育ちも東京な私が、今回「地方創生」をあえて東京からの視点で考えてみたいと思います。「地方創生」といえば、東京以外の都道府県や都市の視点に立った集客方法を想像する人が大半です。しかし、この「地方創生」には、人口が集中する東京が大きく関係すると考えます。

地方創生における課題と東京の関連性、今後の取り組みについて考えていきたいと思います。

「地方創生」とは

私は今回、この「地方創生」という言葉を、「人口・産業・労働力について東京から他の都道府県へ分散する取り組み」と定義します。

ご存じの通り、現在地方の人口減少は深刻化しています。現在、日本には消滅可能性都市(子どもを産める20~39歳の女性の人口が40年以内に半分に減少する都市)が896存在すると言われています。これは、日本全国の自治体のおよそ半分の数に当たります。下の地図の色付けされている範囲を見れば、事の重大さは明確にわかりますね。(参考:日本創生会議「人口再生力に着目した区市町村別将来推計人口について」

消滅可能性都市

原因は東京圏への過密化

このように地方から女性をはじめ人口が急速に減少している背景には、東京への人口流入が大きくかかわっています。

「東京一極集中」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本全国の人口が減少しているにもかかわらず、東京のみ人口が増加しているため、人口移動の形態からこう呼ばれています。下のグラフは、全国の人口推移と東京の人口推移を表しています。2000年以降全国の人口が横ばいになっているのに対し、東京都の人口は右肩上がりに増加していることがわかりますね。(参考:総務省統計局

全国・東京の人口

また、下の地図は2011年から2015年の東京都の社会増減を示しています。社会増減とは、引っ越しなどで人口が増減する状況を示します。(対義語で、生死により人口が変化する自然増減という言い方があります)この地図からわかることは、東京23区に東京以外の場所からの人口が引っ越してきているということです。

東京都の人口増減マップ

つまり、地方に人がいなくなる原因は、東京に引っ越してくるからということになります。

人口集中=日本の消滅!?

人口が集中する状態は、結局東京の経済発展に繋がり良いことなのではないかと感じる人もいるかもしれません。その意見も間違いではないと感じますが、デメリットも多く存在します。

特に強調したいことは、東京への人口集中は日本全国の人口減少へ繋がってしまうということです。各地方の人口が東京に移動しても、日本国内のみの移動のため、日本全国の人口を減らしているイメージはつかないかもしれません。しかしこれは日本の人口減少の直接的な原因となっています。

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まず、東京の人口の特徴として上の3点が挙げられます。都心の生活が便利であるゆえに発生する特徴と言えそうです。

そして、この特徴を持つ東京に人口が集中することで、以下のようなプロセスで全国的に人口を減少させてしまいます。

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このようにして、全国的な人口再生能力を低下させてしまうのが東京一極集中という現象です。日本の未来のために、若者を地方に分散させ、出生率を上げる必要があると考えます。

東京の集客力を利用して

それでは、東京から人口を分散させるためにできる取り組みは何でしょうか。現在行われているものの中で促進すべきと考えるのは、各地方の良さを東京でPRする活動です。

現在、東京には多くの各都道府県のアンテナショップが存在しています。これをもっと活性化させ、現地に訪れてみたいという意識を東京にいる若者に芽生えさせることが必要と考えています。また、現地との連携もしっかりとって、現地で行われている活動や現地の魅力をリアルタイムで東京の人々に伝えられる仕組みができるといいなとも思います。

アンテナ2

アンテナ1

地方の人々が地元を活性化させるために現地で活動を行うことは素晴らしいことです。しかし、その取り組みが実際に東京に移動している若者に伝わらなければ、せっかく行われている取り組みがうまく機能せずもったいないと思います。

東京は人口が集中していることが課題です。地方の課題は人がいなくなっていることです。それならば、地方の活動に対する発信力は人口が集中する東京が担うべきです。課題を一つの特徴と捉え、プラスに変えることで人口集中も一緒に解決すべきだと考えます。

新しい生活スタイル「二地域居住」

また、地方の活性化のために新たに取り入れられているのが「二地域居住」という生活スタイルです。これは、例えば平日は都会で仕事をし、休日は地方でのびのびと生活するといったように、一人の人が拠点を複数持ち、都心も地方も両方堪能できるものです。国土交通省も地方振興のため、積極的に広報活動を行っています。(参考:国土交通省

二地域居住

実際に二つの拠点を持ち、平日はサラリーマンとして勤務、休日は岡山県の一戸建て住宅で農業をする方の特集がニュースで組まれているのを見かけました。その方は岡山県の一戸建て住宅を格安で購入し、さらに広大な農地がついてきたので農業を始めたそうです。お孫さんもいて、休日を費やして育てた作物をお孫さんが「美味しい!」と言っていた時のその方のうれしそうな顔が印象的でした。二地域居住は人生を豊かにしてくれる生活スタイルの一つと言えそうです。

ただ、維持費や交通費などのコストの問題や、親の介護をするタイミングの喪失など、まだまだ課題となる点はいっぱいありそうです。今後この二地域居住をしやすくできるかどうか、国の政策や民間事業などにかかってきますね。また、この暮らし方が広がるように東京都としても政策が必要であると考えます。

こちらのサイトが二地域居住について参考になりますのでご興味ありましたらご覧ください。→「ゼロから始める田舎暮らし

まとめ

地方創生の大きな妨げとなっているのが東京への人口集中でした。このまま地方から若者が東京に流入してくることとなれば、地方はおろか、日本全体が消滅してしまう可能性も示唆されています。

それを食い止めるための案として、東京の集客力の利用と二地域居住を紹介しました。東京は人が集まるからこそ情報も集まる。それを利用し今後地方を活性化させる情報をどれだけ若者に伝えることができるかが大切です。

私は生まれも育ちも東京ですが、積極的に国内旅行をし、現在は47都道府県中29都府県を既に訪問しています。そして、コミュニケーションが活発な場では、その経験を友人や初めて会う人と共有しおすすめの場所などを発信するようにしています。みなさん興味を持ってくださるので、これからも経験を発信しつつ、47都道府県制覇して魅力を感じていきたいと思っています!

東京生まれ東京育ちですが、だからこそ特定の地域を指定せず広い視野で地方創生を考えられると思っています。今大きな課題にたくさん直面している日本だからこそ、すべての土地の人が手を取り合い、自分にできることを少しずつやっていくことが結果として大きく地方創生につながると信じています!みなさんで協力していきましょう!


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