こちらのメダカちゃんはとても人懐っこいです
コロナ禍になり、在宅勤務が続くと人肌が恋しくなる。
といっても、すりすりできるものといったら肌ざわりのよい毛布ぐらい。
基本的に掃除嫌いなため、余計なものは一切部屋に置かない。だから、癒しグッズなんてものは皆無。
今までは家にいる時間が短かったからそれでよかったものの、こうずっと家にいると何かに癒されたくてたまらなくなる。
多肉植物を増やしてぷにぷにしてみたりするものの何か物足りない。
やっぱり動きや反応があるものがいい。
あ~ペットが欲しい。
愛らしい目で私を見つめてほしい。
というのも、トマト農家の友達の家に泊まりに行ったとき、はじめて抱っこさせてくれる猫に出会った。
猫って基本的には家主にしかなつかず、家主さえ抱っこさせない気位高き猫もいて、今まで抱っこさせてくれる猫に出会ったことがなかった。
なのに、ミミは初めて会ったにも関わらず、もふもふも許してくれた。あ~幸せの極み。
最初はネズミ取り用に飼ったらしいのだが、真冬に小屋に置いておくのが忍びなくなり家猫にしたそうだ。そういった経緯から鶴の恩返しならぬ、猫の恩返しってやつで、人に対して感謝の気持ちがあり、心を許しまくってくれているのだろうか。
ミミに出会ってからというもの、犬派だったはずが、猫派にチェンジ。
最近では人気猫チューバ―のもち様の動画配信を待つ日々。
超お気に入り↓
もふりたい。
自分がもふっている気分になるために動画に顔を近づけてみたりもする。
もはや変態の域に入ってきた。
オンラインライブ配信では動くもち様に奇声をあげ、あまりのキュートさに投げ銭までしてしまう始末。手に負えない。
アイドルユーチューバーに投げ銭して貯金が底をついた40代男性というニュースをみて
「リアルに会えないのになぜ投げるのか意味不明」
って言ってた口が、猫に投げ銭をしている。
もふりたくてもふりたくてたまらないけれど、同居人が猫アレルギーのため飼えないのだ。猫のために同居を解消してしまおうかとまで思ってしまったがそうもいくまい。
猫カフェにいったら去りがたくなるだろうし、さて、どうしたものかということで思いついたのがペットショップ。
自転車で15分ほどの場所にあるペットショップは、なかなかな規模の割に利便性がよくないからか、ホームセンターのような簡易なつくりだからか、いつも閑散としている。いつ潰れてもおかしくないと目の前を通るたびに思っていたペットショップに初めて足を踏み入れた。
入るとすぐにかわいすぎる子犬や子猫が飼い主を待つエリア。
すやすやと眠っている子もいれば、狂ったように走り回っている子もいる。
じ~っと見つめていると、
「私を連れて行って」
という目で見つめ返してくる子猫がいて、
「うん、一緒におうちに帰ろうね」
とついつい連れて帰ってしまいたくなる衝動に勝てる気がせず、早々に退散しようとしたとき、目線の先にカラフルな熱帯魚。宮古島でのシュノーケルを思い出すも、飼うのは別。
見ててキレイで癒されるけどなかなかの値段だし、温度管理も大変そう。真冬は間違いなく殺してしまう。
とスルーをし、隣の水槽に目をやると
黒メダカ50円、白メダカ100円
のお値段ボード。熱帯魚よりははるかに安いが、そもそもメダカって購入するものなのか?
いや、メダカってのは近所の川で普通にうようよ泳いでいるもの。
ペットとして飼うというのはどういうこと?!
とかなりあやしげな目でみていたはずなのに、顔にしまりがなかったのか、線が細いさかなくんのような若者に声をかけられた。
「こちらのメダカちゃんはですね、とても人懐っこいんですよ」
ものすごいいとおしい目でメダカ、いやメダカちゃんを見る彼。ちゃんづけしているところをみるとメダカが恋人と言わんばかりのかわいがりようだ。
「こちらのメダカちゃんはですね、これからの時期卵も産みますよ」
何も質問していないのに、メダカ好きと思われたようで、メダカ話に花が咲く。
「こちらのメダカちゃんはですね、繁殖が簡単にできるんですよ」
キラキラ輝く真っ白なメダカちゃんを指さす。
なんとなく会話を続けたほうがよさげな雰囲気になってきたため、黒メダカと白メダカの違いを聞いてみた
「こちらのメダカちゃん(黒)は日本の天然メダカで、田んぼや小川などによくいるメダカちゃんです。こちらのメダカちゃん(白)は改良メダカなんですけど、白さがキレイなのと繁殖が簡単で人気なんです。ぼくはこちらのメダカちゃん(白)がうちにいます(ハート)」
うちにいますのくだりで、恥ずかしそうにもじもじするさかなクン、いやめだかくん。
何かしれっと帰れない雰囲気になってきた・・・
デパ地下や道の駅、お土産屋で試食すると、ついつい買ってしまうあの感じ。しかも、白メダカちゃんをずっと見ているとたまに目を見開きながら、こっちに突進して泳いできてなかなかかわいい。
尾びれを痙攣させるように泳ぐ姿もまたいとおしい。
そうして、めだかくんと二人でかわいいメダカちゃんを眺めること5分。
「あの、実はメダカちゃんを飼うの初めてなんです。何を買ったらいいでしょうか?」
あ~あたし何を口走ってしまったのだ!と後悔先に立たず。めだかくんは全力で必要なものと、使い方を教えてくれた。
水槽、酸素を送るエアレーション、めだかが遊ぶ水草、ろ過フィルター、
太陽の代わりのライト、底砂利、水交換するときのスポイト、カルキぬきなど、あれよあれよという間にかごいっぱいになり、もう引くにひけなくなってしまった。
最後にメインのメダカちゃん
「今の時期はもう卵を産むんですよ。ちょうど卵がついているメスのめだかちゃんがいたので、入れおきますね」
とオス1匹、メス2匹をビニール袋に手慣れた手つきでいれてくれた。
メダカちゃん飼うのも初めてなのに、卵って。勝手にふ化して育つのか?
といろいろ懸念点もあったが、なんだかもうおなかがいっぱい。ひとまず、家に帰ってメダカちゃんの環境を整えるところから始めよう。
子犬と子猫鑑賞にいっただけなのに、めだかくんの説明にほだされて買ってしまったメダカちゃん。最初はどうなることやらと思ったものの、めだかくんのいう通りにしてみたら、2か月経過した今も元気に泳ぎまくっている。今じゃ、朝からメダカちゃんに振り回される、いや癒される日々。
かわいいメダカちゃんをめだかくんのようにニタニタ眺めていたとある日。
環境がいいからか、毎日卵をぶら下げて泳ぎまくるメスのめだかちゃん。
勝手にふ化するもんだと思い込んでいたものの、待てど暮らせどちびメダカちゃんが出てこない。ふ化するのに数か月とかかかるのかな~なんて眺めていたら、卵をぶら下げた雌をオスが追っかけまわし、挙句のはてに自分の子どもをぱっくりと食べてしまった!!!!家政婦は見た!見ましたぞ!
大事な子どもたちを守らねばならない!というよくわからない母性愛?のようなものが生まれ、グーグル先生にまずは聞こうかと思ったものの、ここはやはり、メダカちゃんの師匠めだかくんに相談!と鼻息荒くペットショップに向かった
つづく・・・
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