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私にはお母さんがたくさんいる

私にはお母さんがたくさんいる

アメリカのお母さん
初めてホームステイした先のお母さん。
食後のデザートは生クリーム&バニラアイス付きのお手製アップルパイ。
おなかいっぱいだから残すと寂しそうな顔をして、しょんぼりするもんだから、死に物狂いで残さず食べた結果、胃袋が大きくなり1か月で8kg増加。あれから20年もたったのに今でも家にいくと大量のアップルパイを作ってくれる。

東京のお母さん
学生時代、毎日おお手製天むすを持参して食べていた友人。
海老のしっぽがちょこんと出たおいしそうなビジュアルが気になって、かなりまじまじと見ていたせいか、1個あげるよともらった天むすのおいしさといったら!おいしいを連呼していたことを自宅でお母さんに伝えた友人。
するとお母さんは次の日、私の分の天むすを作ってくれた。それ以来、卒業するまで私の天むすを作り続けてくれた心優しきお母さん。

大分のお母さん
大分市内に仕事で滞在していたとき。一人で部屋でご飯食べるのもわびしいな~とふらふらと入った居酒屋で出会ったおかみさん。こじんまりとしたお店のカウンターには手作りお惣菜がずらり。おかみさんお手製の総菜を求めて、客が一人また一人と入ってくる店。入ったものの、注文の仕方がわからずにぽつんとたたずんでいると
「何が好きなの?」と声をかけてくれ、あれやこれやとお皿に盛りつけてくれた。そこから調子こいて、あれもこれもと食べ続け、飲み続けたにも関わらず、清算はたった2000円也。
「いいのよ。おいしそうに食べてくれたんだから。その代わりまた大分においで!」鶴の恩返しじゃないけど、大分にいくたびに通っている。

ニュージーランドのお母さん
ニュージーランドで働き始めてすぐにご厄介になった家のお母さん。
平日は毎日サンドイッチ、おやつにスコーンを作ってくれた料理上手。
部屋を退去したあとも、ニュージーランドにいる間は、ちょくちょく顔を出していつも何かしらごはんを食べさせてもらった。今でも私の第三の家的存在。

基本的に人見知りをせず、うちに遊びに来てねと言われたら、社交辞令という言葉は私の辞書にはないので必ず遊びにいく。
友達の実家に遊びにいって、ごはん食べて帰りなさい、泊まりなさいと言われたら、家族団らんの食卓に交じり、お父さんと酒を酌み交わしたり、旅先で出会ったご家族に「ノルウェーにきたら必ず連絡して!」と言われて、本当に泊まりに行ったりと、そのたびに世界各国にお母さんが増えていった。

そして、2020年、また新しいお母さんができた。

100年ものの型で押しずしを作ってくれた奈良のお母さんだ。

コロナの影響で、約2年も本物のお母さんがいる秋田に帰省できていない。
GWは帰省できるだろうと思っていたが、
東京のゆりちゃんは「東京にこないでいただきたい」
大阪の吉村さんは「不要不急の外出、府外への移動は禁ずる」

なんて言ってるさなか、帰れるわけもなく、GWに帰省して新鮮な山菜を食べるという楽しみが奪われてしまった。

外食もできず、テイクアウトも近くになく、毎日自分で作るごはんに飽きてきて、食欲が減退していた本日。

友人からラインが届いた

「山菜好き?」

好きなんてもんじゃありませんよ!大好物!

と返信したところ、

「んじゃ、わらびとイタドリ持ってくわ」

な、なんと!イタドリって何の鶏?
いやいや、その前に大事なこと、というよりもうちょっと甘えていいかしら?とひと様のお母さんなのに

「わらびはあく抜き済み?あ、調理済み???www」

と返信すると、「あくぬき、調理済みだよ。ご心配なくwww」

ああああ、お母さん、ありがとう。
母は娘が欲しているものがどうしてわかるんだろうか。

そして、友人が届けてくれたあくぬき済みの大量のわらび。

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美しい!なんともおいしそう!

初めて聞いたイタドリは、漢字では痛取、別名「すかんぽ」と呼ばれる立派な山菜だった。
生で食べると酸っぱいからすかんぽ?命名理由がよくわからないが、見た目は緑のちくわ風。

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一口食べてみると、繊維がないセロリみたいな食感。いや、中途半端に煮たウリ?

書き方がまずそうだけど、ほどよい食感がくせになるし、何より、お母さんの味付けが抜群にうまい!

さらに、春の風物詩、タケノコも!

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地元で評判のたまご15個までつくサービスっぷり。

何よりうれしかったのが山菜の横に入っていた直筆のお手紙。

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最近は、ラインやメールで簡単にメッセージのやり取りができたり、パソコンでちゃかちゃか打てばキレイな文字が出力される便利な時代だけれども
やはりもらったときの喜びは、手書きに勝るものはない。

ものすごく感動することが書かれているわけでもないのに、手書きお手紙が久しぶりでうれしくて何度も何度も読み返した。手書きってその人となりが出るし、なにより時間をかけて書いてくれたことがうれしい。

と書いているくせに、noteでひとまず返信させてください(笑)

奈良のお母さんへ                          コロナ禍の中、不要不急の外出禁止令が出ちゃって一歩も外に出れずに
元気じゃなかったけど、お母さんの手間ひまかけた山菜の数々に元気がでました。お口にあわないどころか、合いすぎちゃって1日ですかんぽは、全部食べちゃいました。まだまだ食べたい(笑)
わらびは、レンコン、シイタケ、人参、こんにゃくと一緒に炊き込みご飯を作ったよ!
奈良のお母さんこそ、まだまだ朝晩寒いのでお体ご自愛ください。
まんぼう解除されたら、またお母さんの揚げ物食べにお伺いします。
それまでお元気で!                         おなかいっぱい幸せいっぱいのゆきんこより

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