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失恋曲だけじゃない!異国描写が的確な中森明菜の楽曲

最近、いろんなアーティストが昔のライブ映像を無料公開してくれるおかげで、興味があるアーティストからこの人誰?まで片っ端からライブ見まくっている。緊急事態宣言が解除されたとしても、三密バリバリのライブを再開する希望はなかなかもてず、今年は何を糧にして生きていけば・・・と悶々とする日々だったが、ライブ映像公開のおかげで少しは気が紛れている。


アーティストの皆さんはさらに悶々としているでしょうが、楽曲制作に勤しんでいると信じて、ニューアルバムの発売を楽しみにしておりまする。

最近見た中で思わず見入ってしまったのが昭和の伝説的なアイドル中森明菜の1989年のライブ映像。デビュー曲からのシングル曲のみ24曲をぶっつづけで歌い続けるライブは30年以上前のものとは思えないほどの迫力。

そもそも中森明菜ってアイドルなの?アイドルとは、偶像のことで、芸能界でいうとあこがれの的や熱狂的なファンを持つ人という意味。
であれば、中森明菜はアイドルなのかもしれないけれども、私的なアイドルというのは、フリフリの衣装を着て、笑顔で手を振って、ファンにかわいくウィンクするイメージで中森明菜はそれに当てはまらない。アーティストと呼んだほうがしっくりくる。衣装はコリに凝っているし、ダンスも独創的。

全部シングル曲の構成というのもあり、ほぼ歌えるほど知っている曲ばかりで、1曲もすっ飛ばさず、24曲聞きまくった。曲を聞いていて、昔のあれこれを思い出したのでまとめてみたくなり、勝手に1曲ずつ思い出とともに振り返ってみることにする。

1989年4月29&30日読売ランドEAST公演
『中森明菜イースト・ライヴ インデックス23』


01. TATTOO


出た!1曲目からセクシーダイナマイト炸裂!
真っ赤なミニスカートに、真っ赤な手袋、そしてよくわからないボンボンがついたイヤリング。夜のヒットスタジオでよく見ましたよ。このスタイル!真っ黒なビスチェを着てるのにいやらしさは全くなく、むしろかっこよすぎる!無造作に作ったおだんごヘアーに真っ赤なシュシュという、そこいらの女がやったらダサすぎる&ちょっと生活に疲れたおばちゃんになるところを、かっこよく乱してしまう中森明菜。あんた、すごいよ!

と見た目だけでも度肝を抜かれていたけれども、伸びのある歌声はまるでCDを聞いてるかのごとくの美しい。これが本物の歌姫。
ほんとに歌がお上手なのね・・・とうっとり。手を伸ばして、カモンされているときなんて、思わず画面にすり寄ってしまった。なんという魅惑的な女よ。

今でこそTATTOOの意味はわかるんだけれど、小学生にはわかるはずもなく、勝手に衣装を見て、色っぽいとかそんな意味だろうかと解釈していた。
改めてこの歌を聞くと、ルー大柴並みの英語が目白押し。

くどき上手なチープなレプリカント
感動したくて女はアジテーション
ソウルを感じたいウェイクアップ
都会はスイートドラッグ
やさしささえ毒入りのジェリービーンズ

今でもよくわからない(笑)
あの情熱かつ刺激的な音楽と歌詞を見ると、TATTOOで私を手に入れてごらんって感じか。なんとも傲慢な女だこと!自分に自信がないと歌えない。

2曲目に入る前に控室の様子の映像が入り、もろすっぴんの明菜ちゃん登場。画像修正なんていう特殊技術はそんなに発達してなかった30年前。
だから本物のすっぴんであることがわかる。インスタでアイドルたちがすっぴん!とアップしているのはほぼ信じてない私だけど、これは信じられる。
昔の芸能人はほんとに美しくなければ芸能人になれなかったのだ。
だから高嶺の花、憧れの存在だったのだ。

02. DESIRE -情熱-


♪まっさかさまに落ちてDESIRE
Get up Get up Get up buring heart♪
で有名な歌。
DESIREって欲望、切望、欲求するとかそんな意味だけれど、~情熱~ってなっている。が、歌詞を聞いていると、何をしても楽しくないの夢中になれないという青年時代特有のなんか物足りない症候群の曲なのだろうか。

だからGet up Get up Get up  buring heart→起き上がれ、ハートを熱くさせろ!という応援するような終わり方になっているのか。
ちなみに、この部分
ゲラップゲラップゲラップ バーニハー

と聞こえてて、中学の英語の時間に「Get Up Nancy!」を発音しなさいと言われ
「ゲラップ!ナンシー」
と読んだら先生に
「ゆきんこさんの発音は素晴らしい!」
と褒められた。

明菜ちゃんのおかげである。


03. Fin


あまり思い出がない曲。
♪心の中のコートにかくす♪
というフレーズがあるから、セレブの人が着そうなパジャマ風コート着て、手を突っ込んで歌っている。
それにしても、この曲の最後のリピート
♪手でピストルまねて 涙のむ私♪
ってちょっと怖い。
報われない愛か・・・


04. SOLITUDE


この歌も引き続き、ちょっと寂し気な歌。
♪探さないでね 冷めちゃいないわ♪
ってことはFinとは反対に、渡り鳥的な女?
明菜ちゃんが歌うからこういう悪女的な歌もぴたっとはまっちゃうのね。
伏し目がちに歌う表情がなんともいえずなまめかしい。


05. BLONDE 


スローテンポな歌なのに、軽やかにステップを踏む明菜ちゃん。
今気づいたけど、安室ちゃんもびっくりのピンヒールをはいて、腰をくねらせながら踊りまくり、ジュディオングのようにコートを広げて、ヒラヒラさせている。あんなに細いのにかなりの体力&体幹力
は~とかふ~とか吐息のようなものを混ぜながら歌う明菜ちゃんが色っぽく感じる曲。

06. I MISSED "THE SHOCK"

中盤の
lonely night in the rain~~~~~~~~~~~~~~~~んんんんん
と長く歌い上げるところが圧巻。
MISIAばりの音域といっても過言ではない。

07. SAND BEIGE -砂漠へ-


この歌は、私が砂漠というものを始めて知った歌である。
イントロから、アラビアンなメロディーで異国にいざなわれるのだ。

冒頭の♪サハラの夕日を見せたい♪
って歌われて、サハラってどこよ!と調べたくらい。

今だによくわからないのが
♪アナ~フィアローホ サンドベージュ♪
というところ。
アナ~フィアロ~ホってなんだろ?

失恋した女が彼を忘れるためにエジプトに旅立ってサハラの夕日を見たけれども、やっぱり、彼にも見せたい、会いたい、寂しいという歌。
そんなこともわからなかった私は、

「このメロディー素敵!いつかエジプトに行って、サハラの夕日見るぞ!」と誓った歌なのである。
が、結局、始めてサハラ砂漠と出会ったのはモロッコだった。
明菜ちゃんの歌のように夕日を見て、昔の男を思い出すことはなく、砂丘を上り詰めた達成感で満たされていた。サハラの夕日を見せたい男なんていなかったというのもある。

08. AL-MAUJ(アルマージ)


この歌うたっている明菜ちゃん、山口百恵に見える(笑)
♪別にわたし孤独なんか 愛しちゃいない♪
とか強い女的な歌だからだろうか。

イントロ部分がちょいとアジアン音楽のような感じで明菜ちゃんもバリ舞踊のような手の形をして、くるくる踊ってくれる。ふわっふわのフレアスカートがくるくる回るたびに美脚を見せてくれて、これまた素敵。


09. ジプシー・クイーン


宇宙を感じるメロディーと歌詞。
結局、あんなに愛し合った彼と別れ、次の星でまた会えるまで待つという
これまた寂し気な歌。やっぱりこういう歌多いな。ちなみに私は来世を信じていない。

10. TANGO NOIR


これですよ、これ!
荒川静香も真っ青のイナバウワーからのクルリ回転。
突き刺さるような視線で歌うあの表情にぞくっとする。

♪命を燃やして踊れば Tango Tango
口づけられTango Noir~~~~アアアアアアアア♪
のノア~~~~~~の伸びること伸びること。
かっこいい!

11. ミ・アモーレ


私が海外にいざなわれた歌第二弾!

♪リオの町はカーニバル銀の紙吹雪
黒いひとみの踊り子汗を飛び散らせ
きらめく羽飾り
魔法にかかった異国の夜の町
迷い迷わされてカーニバル♪

ってリオのカーニバルをこれほど忠実に表現するとは!
いつか迷いたいリオのカーニバルと思っているのに実は行けてない。

結局、この歌は彼と愛しあいたいけど、きちんと捕まえていてくれないから
物足りない、その物足りなさを埋めるために、アモ~レって叫んでいるってことは愛しすぎてるってことか?

12. 難破船


あ、ダメだこれ。
出だしからちょっと泣きそうになっている明菜ちゃんみると思い出すやつがいる。

♪寂しすぎて壊れそうなの 私は愛の難破船♪

壊れちゃったんだもん、明菜ちゃん。
自分が捨てられたわけじゃないのに、なぜか最愛の男にこっぴどく振られて
捨てられた気分になって落ち込む歌。
あ~明菜ちゃん、涙流している・・・
アップにしないでくれ~。涙腺崩壊。

13. 飾りじゃないのよ涙は


やっぱりこれくらいアップテンポのほうがいい!

♪私は泣いたことがない♪
そうそう、その調子でいけ!と応援したくなる。

飾りじゃないのよ涙は~は~っは~

ってかっこいいなと幼心に感じてた。
間違いなく代表曲。

14. 禁区


禁句じゃないと今知った!
言っちゃいけない言葉じゃなくて、行ってはいけないエリアってことか!

しかし、これもうまくできてる歌詞。
私からさよならしないと終わらない恋
とまどいはもう愛
遊びならまだまし
戻りたい 戻れない 気持ちうらはら

不倫ですな。


15. 少女A


明菜ちゃんといえばこれ!

♪じれったい じれったい
いくつに見えても私誰でも~♪

ってどこにでもいる普通の少女だけど、いろんなこと試したいの!バッチコイ!って感じか。あ~私も高校のときに付き合ってた人、奥手だったなと思い出したり(笑)。奥手だったのか、そういうことに興味なかったか、はたまた私がそういう気にさせるような女じゃなかったか。もやもやさせてくれる歌。

16. 十戒


真っ黒い服に大きな銀の十字架つけて、またしても荒川静香のイナバウワーから始まる歌。

この歌初めて聞いたとき、十戒って何?といろんな大人に聞いたのに誰も答えてくれなかったよくわからなかった言葉。
が、モーセの十戒を知ったときに、これか!これだったか!となんかピッカ~ンと霧が晴れたような気がした記憶あり。ま、でもモーセの十戒とはあんまり関係ない歌だった。

早く告白して私をモノにしなさいよ!イラっとするわ~という短気な女性の歌。

17. 1/2の神話


かわいい顔で笑って歌ってくれているのがいい。
明菜ちゃんの歌ってゆるふわな歌がないんだもん。
あんな男を恨めしく思うような歌詞を歌わされたら、どうしても表情が険しくなっちゃうんだろうな。

18. サザン・ウインド


これ、作曲、玉置浩二!
だからちょっとメロディーが他と違うのか!

南のリゾート地で美少年にあったり、異性からの窓越しの視線を感じたり、
かなり開放的に旅を楽しんでいる歌って感じで、明菜ちゃんにしてはやわらかめ。ここにきてやっとほっと優しい気持ちで聞けた。
それくらい、恋に破れた女性搭乗率が高いのだ。

19. 北ウイング


空港で北ウィングを見つけると、この歌を鼻歌で歌いながら通過してしまう。
♪夜をよぎり 追いかけて 夜間飛行♪
ってフレーズがかっこよくて、夜間フライトにあこがれたものだ。

でも、「一度はあきらめた人」と冒頭で歌っているということは、
振られたのにあきらめきれずに彼の町にいって胸に飛び込みたいという歌。
アポなしはやめたほうが・・・と心配してしまう。

<MC>
和製マドンな君臨!
風が吹き荒れてスカートを巻き上げられてかわいいのなんの。
美人だし、笑うととってもキュートが現れた場面。

「はいてます!」って誰かのギャグを先取りしているシーンがかわいい!

20. Blue On Pink


知らない歌だったのでノーコメント。

21. LIAR


これもなんとなく聞いたことがある程度で思い出ナッシングのためコメントなし

22. トワイライト -夕暮れ便り-


明菜ちゃんのかわいい声が堪能できる1曲。
ただ、絵葉書に
「元気です」と
一行だけしたためてポストに落とされたほうは、ちょっと重すぎてきついなと思いながら聞いてた。

23. セカンド・ラブ


これ、出だしから目に涙をいっぱい溜めててまずいなと身構えた。

♪恋も二度目なら 少しは上手に
愛のメッセージ伝えたい♪
もう泣いてるじゃん・・・

♪帰りたくない そばにいたいの
そのひとことがいえない♪

もう、だれに向かって言ってるのかイタイほど伝わってきて、これ以上、聞けない・・・

♪切なさのスピードは高まって
とまどうばかりの私♪

↑これまさにあなたの歌を聞いている今の私の心境です・・・


24. スローモーション


デビュー曲。
ということで、実はあんまり思い出がなくて
その前のセカンド・ラブの涙がひきづって感情移入できず・・・

そんなこんなで1時間半ノンストップで見続け、さらに誰にも頼まれてないレビューを書くためにもう一度聞きながらnoteを書いたため、飽きもせずに3時間も見た。

改めて聞いていると、報われなかった恋、それを引きずって生きていく女性、不倫をやめたいけどやめられないなど、ハッピーエンドな歌が少ない。

しかも、涙を流しながら誰かに向かって語りかけている感じが涙を誘う。なぜこんなに泣きながら歌っているのだ!と気になって、平成最初のスキャンダルと言われた、あのジャニーズタレントとの会見の日を調べてしまった。
実はそこまで鮮明には覚えてないんだけれども、明菜ちゃんが捨てられたってのは覚えている。とググるとやっぱりあった。さすがグーグル先生!

1989年7月にあの事件があって、その年の年末にあの会見があったそう。
で、このライブは1989年4月・・・
ということは、まさに悩みまくっていた時期では?と思えば、涙流しながら歌っていたのも納得。

結局、明菜ちゃんはあれからカムバックはしてないし、今もどうしているやら。もし、あのときあの彼と結婚していたら、山口百恵みたいに引退して主婦になっていたのだろうか。

それにしても声の伸び、ハリがすごくて、MISIAもびっくりの歌唱力。
今でも歌えてたら、まだまだいけたんじゃないかと思うと切ない。

今年のGWの3日間は、スマフォ、テレビ、PCをすべてオフにして過ごすデジタルデトックスをやってみた。スマフォをオフにしたため、音楽も聴けず、無音での生活。つらいかなと思いきや、新聞や本をじっくり読んだりして過ごし、特に不都合は感じず、逆に4日目にテレビを見た時に、視力があがった?と思うくらいクリアに見えていいことだらけ。しかし、やはり音がない生活はさみしかった。

そう思うと、音楽ってジャンル問わず、心を豊かにしてくれるなとしみじみ感じた。さて、次はだれのライブ映像見ようかな。

#いまから推しのアーティスト語らせて


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