感情のコントロールができない女の取扱説明書
コロナ禍の中で変わったことといえば、テレワークを堂々とできるようになったこと。テレワークは通勤の煩わしさもなく、お昼休みはソファーで昼寝も気兼ねすることなくできて最高!なんて言ってたのは、最初の2~3か月くらいで、最近はフル出勤とはいかないまでも、週1くらいは会社に行きたいと思うようになった。
なぜならば、在宅で一人で黙々と働いているとストレス発散の場がないから。
ストレスの元凶は、11月上旬からスタートしたプロジェクトに参加しているタエコ(仮称)。まさに、あ~いえば上祐の言葉がぴったりなタエコとの2か月にわたる戦いのみならず、ことなかれ主義ゆきんこがとった傾向と対策をまとめることで、ストレス発散をしたいと思う。
タエコプロフィール(←ゆきんこ調べ)
推定年齢45歳
半年前に入ったばかりの派遣社員
中肉中背猫背
眼鏡の奥の目がするどい(ザーマスっぽい)
自称 デザイナー
フォトショやイラレはおてのもの(らしい)
タエコの第一印象
タエコとの出会いはコロナ感染者がジワジワと増えだした11月上旬。
とあるプロジェクトのクライアントとして出会った。
クライアント先の上長(サトシ)も上から目線の物言いがあまり好きではなかったが、何も発声してないのに、「なにか文句でも?」と言いたげなものすごい圧を出しまくっている女が気になった。するとその女を指さし、
サトシ:「今度から、タエコが窓口となってやり取りするのでよろしくお願いします」
ゆきんこ:「よろしくお願いします」(with Smile)
したにも関わらず、ちょこっと頭を下げただけでニコリともしない。
私のような誰にでも愛想笑いする女が嫌いな感じか?それにしても、愛想もへったくれもないな~と思っていると突然
タエコ:「早速ですが、これとこれとこれを送ってください」
と持っていた資料をバババッと広げ、指示をしてきた。
さっと目を通してすぐに準備できないものと察知し
ゆきんこ:「すみません、社に戻って確認するのでお時間頂戴できますか?」
タエコ、口元に不敵な笑みを浮かべながら「それではいつ準備できるか、”早急に”ご連絡ください」
だから、確認してから連絡するっていってんだろ!と思ったものの、クライアント。ぐっとこらえ
ゆきんこ:「はい、わかりました。確認次第ご連絡します」
タエコと会ったのはこの日が最後。以降、メールと電話のやりとりが続く。
打ち合わせした日は、社に戻り、別の仕事の打ち合わせ。そのときタエコからの記念すべき携帯電話1回目が入る。
「タエコです。先ほどの打ち合わせでお願いしていた件、どうなりました?」
ってまだ、数時間しかたってないのに、なぜ待てない?と思い、ついつい
ゆきんこ:「あの、少しお時間くださいとお伝えしましたけど・・・」
と言い返したもんだから、タエコのハートに?火をつけてしまった。
タエコ:「早急にご連絡くださいと言いましたよね?こちらは連絡を待っていたんです!そういう言い訳は結構ですので、早急にご確認ください。」
とまくしたてられ、一方的に切られた。こ、こいつは私の苦手としている、女心と秋の空、いや気分や、いや、ヒステリック気味女だ!!いや~なのにあたったな~とがっくり。
パニック女に口では勝てない
タエコのようなせっかち女は、今知りたいことをすぐにゲットできないと次に進めない。そして、せっかち女にちょっとでも口答えすると自分のことは棚にあげ、100倍返しで、反撃するスキを与えないほど、ギャンギャン騒ぎまくるということを忘れていた。
一度火がともされると、待ってましたとばかりにマシンガンのようにしゃべり続け、正直、聞いている方は、ギャンギャン騒いでいるから何を言っているのかわからずに呆然。パニックになっている女に、相手のミスを見つけて反撃しても聞く耳もたず。
ばっち~んと頬っぺたでもぶっ叩かない限り止まらないのだが、さすがに
暴力には訴えられないので、結局、沸点が下がるまでじ~っと待つよりほかないのだ。口で勝とうなんて100年早い!
ことなかれ主義のゆきんこは、結局、タエコの要求をのみ、他の仕事そっちのけで、残業してまで対応をした。そして、これがタエコを調子づかせた。
ありとあらゆるメールや電話で”早急に”を使い、
「あたしの要望は最優先で行え!」
的な扱いになってきた。
タエコとの仕事だけをやっているわけではないのに、急がせるもんだから
前回の添付ファイルを再度添付してしまった日にゃ、鬼の首とったりとばかりに
「ちゃんと確認してから送付してください!!!!!」
と「!」を6個もつけてきた。
電話のみならず、メールでもこの攻撃。
しかも、CCにプロジェクトチームメンバー全員をいれている。
私を公開処刑にして、私はちゃんとやっているアピールをしたいのか
そもそも自分の感情を抑えることができなくて何も考えずにメールをしているのかもはやよくわからない。
心を無にして相手にしない
1度のミスを許さず、毎回、メールに定型文のごとく
何度も言っていますが、チェックを徹底し、確認してからメールを
お送りください!!!
勝手に判断せず、必ず確認してから作業に入ってください。
と送られてくる。
ミスをしたくてしたわけでもないし、たった一度のミスをこれみよがしにつっついてくる嫌がらせメール。勝手に判断するなというから、いつもなら
こうだろうな?と判断して作業することでも、一応聞いてからと思ってメールすると
マニュアルみてもわからないでしょうか?
ときた。
先ほどもお伝えしましたが、●●ですので!!!
と書いてきたときも、聞いてないし、電話ももらってないのに内容をさも言ったかのようにして自分を正当化して責任をなすりつけてくる。
といったことにいちいち反応していたら、受信ボックスに「タエコ」の文字があるだけで吐き気を催し、胃液が混みあがってくる。
そうなると気持ち悪くて、食欲がなくなり、12月は1年で一番デブになる月なのに2.5kgの減量に成功した。
最後はアウトルックを開くのに時間がかかる始末。
こ、これは、やばい!!!うつの前兆!と対策を練ることにした。
といっても、あ~いえば上祐、いや、あ~いえばタエコ。
何をいっても響かない。
となると、心を無にして、ギャンギャン騒がせておくしかない。女というものはしゃべらせておけばすっきりする生き物。
いちいち反応せずに、流す。
こんな至極簡単なことだけれどもすぐには対応できない。しかし、2.5kgの減量にともない、頬がこけ、目の下のクマがパンダ並みになり、アダムスファミリーに仲間入りできること間違いなしの青白フェイスを見ながら、元の元気なゆきんこに戻るべく、スルーを決め込み淡々と業務に励んだ。
そして、一番大事なこと。
文句を言ってストレス発散!
何か用事を見つけては社内の人間に電話をかけ、愚痴をきいてもらった。するとタエコに苦しめられていた人間発見!
タエコは私のことが性にあわないから嫌がらせをしているのかと思っていたら他の人にも同じ対応なようで、ようは単なるパニック女ということ。
最近はタエコの電話を取らないようにし、
「お電話出れずにすみません」
とメールをして、おそらくこれの催促だろうというものを予測して
メールで返信するようにしている。
というのも、タエコが電話をしてくるときは、血が上りまくっているときで
冷静な判断ができておらず、言いたいことを適当にまくしたてるから何をいっているのかわからないし、認知症ですか?というくらい何度も同じことをいうので、疲れる。
ちょっとした間違いを
「どうなんですか?どういうことですか?」
と答えるまでずっと繰り返すのだが、間違ったものは間違ったのだから、
どういうことですか?と言われても答えられない。
となると、
「申し訳ございませんでした」
としんみりと答えるしかない。すると水を得た魚のようにガンガン攻め込んでくる。だから電話拒否を決め込んだ。
ストレスもハンパなく、やみそうになりつつも、プロジェクトも佳境。
やっとタエコのスルーの仕方も覚え、なんとか病まずに済んでいる。
ここで一句詠みたい。
在宅勤務で 見えない時こそ 気遣いの言葉
反面教師タエコに感謝すること
パニック&ヒステリック女にはどうあがいても勝てない。
これが嫁だったらほんと恐ろしい。気分によってヒステリックになってギャンギャン騒がれたらたまったもんじゃない。フラリーマンの気持ちがよくわかった。
は!ここまで書いて今更気づいたが、推定年齢45歳のタエコ。
更年期障害の初期症状?!いや、でも更年期だからといって毎日あんないや~なメールを送るまい。
まだ、タエコとの仕事は続いているが、だいぶスルーの仕方を覚えたので
気楽にはなっている。しかも、タエコのおかげで学ぶことがたくさんあった。
1.電話をかける前に言いたいことを整理しよう!
メールでさまざまな仕事を済ます時代。
電話をかけるときは、それ相応の急な用事があるときだからついつい焦って
まくしたててしまうこともあるはず・・・と反省をし、電話をする前に何をしゃべるか、どの順番でしゃべるかをメモしてからかけるようになった。
そうすることで、通話時間短縮にもつながる。
2.電話は笑顔で話す
タエコが電話をしている姿をみたことはないけれども、声の感じだと目を吊り上げて金剛力士像のような顔に髪を逆立ててしゃべているのが目に浮かぶ。
あ~はなりたくないな~と、考え、いや~な相手との電話でも極力笑いながらしゃべるように心がけるようになった。
そうすることで口調も柔らかくなることに気づく。しかも笑っているといやなことなはずなのになんだかいい気分になっている。
ただし、あんまり笑いすぎると、緊張感がなくてだらしないのでほどほどに。
まあ、タエコクラスの女相手にニコニコしたところで、やさしさは伝わらないのでそこはご了承をば。
3.メールは倒置法で書かない
早急にお願いします!!!時間がないので!!!
これはタエコの得意技メールの一例。
●●なので!!!
と必ず書いてくるのだが、このメールを受け取ったときのいや~な気持ちといったら、表現のしようもない。
ビックリマークの連打が気持ち悪さの元凶か?と思ったものの、きちんとビジネスライクに書けば問題ないことに気づいた。
早急にお願いします!!!時間がないので!!!
↓
スケジュールひっ迫の中、大変お手数ですが、早めのご提出をお願いいたします。
同じ内容だけれども、こうやって書かれたら、頑張ろう!と思う。メールの書き方はくれぐれもご注意を。
4.ありがとうは魔法の言葉
タエコのメールには
いつもお世話になっております。
がない。
いきなり
タエコです。
何度も言っていますが・・・・
と続く。
確かに間違えたこともあるけれども、なんだったらタエコのミスもあるのに
なぜかそのミスも全部私におしつけるかのごとくメールをしてくる。
いつもお世話になってね~から、嘘はかけね~よと思っているかもしれないが、この一文は重要だ。
たまに、文末の
よろしくお願いします。
もないときがある。
以上、早急に作業着手願います!!!!!
とビックリマーク倍増のことのほうが多いし、見事なほど助詞がない。
こうなると、は~とため息しか出てこない。
ちょうど同じころ、別の案件でやりとりしていたクライアントからこんなメールがきた。
いつも無理なお願いをうまく処理してくれてありがとうございました。
とても助かりました!
引き続きよろしくお願いいたします。
ほんとに無理なお願いばかりで、緊急に頼んでくる人だったが
「ありがとう」
の一言で、うんうん、いいの。お役に立ててよかったわ。という優しい気持ちになった。
「ありがとう」は本当に素敵な言葉だ。
クライアントには「ありがとう」とフランクには書けず
「ありがとうございました」
になるが、社内の人に何かしてもらったときや返信があったときは末尾に
よろしくお願いします
の代わりに
いつもありがとう
をつけるようにしている。
ヒステリックな女は反面教師に
ストレスでアダムスファミリーになってしまったものの、タエコのおかげで
自分の今までの行動を見直すきっかけにもなった。何やってもダイエットできなかったのに1か月で2.5kgも痩せたし。
人との出会いで無駄なものはないとはよく言うけれども、
あ~こいつやだな~と思う人にあったら
「あ~こういう女にならないようにしよう」
と半面教師にして、自分がいい人になれたことを喜ぶことにしようと思う。本当の本当は会いたくないけども。
というわけで、少しだけいい人になれた記念に一句
押し付けるな 自分にとっての 当たり前
字余り
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