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人生いろいろエッセイ

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#家族話

一粒のお米には7人のなまはげがいる

食べ盛りの甥っ子軍団とランチにいくと、数か月、エサと出会えなかった猛獣のごとく、一心不乱に食べあさる。 「ごちそうさま~、うんまかった~」 食いっぷりはいい。しかし、ご飯がもってあった白い皿をみると、ところどころにご飯粒が残っている。 「ご飯粒残ってるよ。ちゃんとキレイに食べなよ。一粒のお米には、7人のなまはげがいて全部食べないと出てきちゃうんだから~」 すると甥っ子が 「なにそれ、意味わかんない」 なはまげが何?という質問もなく、ゲームの世界に入っていった。 甥っ

かぐや姫とメリーポピンズとラピュタとスターウォーズ

幼稚園から小学校にかけて、日本昔ばなしと世界名作劇場を欠かさずみていた。 小公女セーラのかわいそすぎる状況に号泣し、南の島のフローネになりきって、潮風をほほにうけ、裸足でかけていく自分に憧れ、お父さんに「家族で遭難しよう!」と提案したこともあった。 中でも一番心にぐっさりと響いたのがかぐや姫。 竹から子どもが生まれるわけないし、3か月で姫に成長するなんてどんなエイリアンだよと今でこそ突っ込みどころ満載のお話だが、当時は、羽衣を羽織れば、ふわふわと宙に浮いて、月にいけると

コロナの売人から地元アイドルに戻るまで

ようやっと緊急事態宣言もマンボウも何もない日に戻った。 しかし、1年以上も続くコロナの恐怖はなかなか払しょくできない。 特に感染者数が少ない田舎は、感染拡大地域から誰か来るというだけで戦々恐々とするらしい。と聞かされる帰省者もハラハラドキドキもんだ。 モデルナワクチン2回接種、PCRと抗原検査の陰性証明をひっさげて帰省した。 感染拡大地域に住んでいるだけで「コロナの売人」扱い2019年夏の帰省を最後に2年帰省できずにいた。 何度か帰省できそうなタイミングがあったものの、周

手を振り続ける父

大人計画とクドカンを愛し続けて20年以上。 池袋ウェストゲートパーク放送中は、ロケ日を確認して早朝から池袋に張り込んだ。 タイガー&ドラゴンでは落語に見事にはまり浅草通いする日々。 というわけで、クドカンと長瀬がタッグを組んだ「俺の家の話」も楽しく、いや、首長族もびっくりなぐらい首を長くして金曜10時を待ち焦がれ、楽しませてもらっている。 クドカン作品らしく、笑いをまき散らし、至る所に伏線が敷かれ、あっという間に50分が過ぎてしまう。笑いの比率が多いドラマなはずなのに、

けんか鶏の日はきりたんぽの日

秋田の冬の風物詩「きりたんぽ」。 きりたんぽといえば、日本三大地鶏の一つ「比内地鶏」を思い浮かべるのが普通。 しかし私は違う。 おいしいきりたんぽが食べられるのはシャモが負けた日。 じいちゃんにとっては痛恨の日が私にとっておいしいきりたんぽが食べられる日だった。 じいちゃんは動物好きで多趣味 じいちゃんはとにかく動物が好きだった。 家には、犬、金魚、コイ、亀、うさぎ、そして大量のニワトリがいた。 どっかからもらってきた雑種の犬は、じいちゃんの適当なしつけのせいで、散

大晦日に14回目のプレゼント

いつも12月31日は、4時ころからお母さんの手料理のごはんをぱくつきながら飲んだくれて、7時過ぎくらいからリビングでゴロゴロ紅白を見て、9時くらいに年越しそばを食べながら 「今年の紅白も半分くらい知らない人で半分くらい昨年と同じ曲だったね」 なんて言いながら、ゆく年くる年のボーンボーンを聞いて寝るはずだったのに紅白を横目に一人noteを書いている。 コロナのばかやろーーーー! こんな寂しい大晦日の午前中、実家から大量の荷物が届いた。 ほうれん草や白菜、ブロッコリーあた