小池百合子という人 (2)

 しかし彼女のこの学歴は詐称されていたものだった。これに関する証言は、朝堂院大覚氏が一月万冊の佐藤章氏の対談で事細かに話していた。
 
 つまりカイロ大学への編入はカイロ大学のDrハーテムという教授の口添えで編入試験を受けずに、いわゆる裏口入学で二年生になった。
にもかかわらず百合子氏は、カイロ大学での勉学に励む事もなく進級試験に落ちて、三年生になる事も無く退学したそうだ。このことによって、彼女は日本で関西学院大学を一年次で中退をし、カイロ大学は二年次で中退をしたのだ。

 しかし大学を二度も中退したのは必ずしも彼女の意思ではない。当時の家庭の経済状態によるところが大きかった。
  彼女がカイロ大学の二年生の時に、父親の勇二郎氏は、日本での事業の失敗により借金返済が出来なくなった。そこで債権者から逃れるため、カイロへ逃げた。
 その時に小池一家の生活費など、全面的な支援をしていたのが朝堂院大覚氏だった。だから朝堂院氏は現在90才位の高齢にもかかわらず、はっきりとした口調で昨日の出来事のように、小池百合子氏のカイロ大学入学と、退学についての顛末を細かく語っていた。
 
「これ以上百合子をカイロ大学に通わせても、本人がアラビア語を学ぶ気も無い。これ以上学費をかけても卒業できないならば、退学させるしかないが、卒業もできないままで、日本に帰ったとしてもどうしようもないから、百合子をカイロ大学卒業ということにしよう」と朝堂院氏父親とで申し合わせた。
 これが、ジャーナリストの佐藤章氏との対談で6月20日のYouTube動画で朝堂院氏の口から出た言葉なのだ。
 
 つまりはカイロ大学への入学も退学も本人が決めたことではないと言う事実なのだ。このことからわかるように、はじめから百合子氏はカイロ大学に対して全く興味を持っていなかった。しかし日本への帰国後は自らカイロ大学卒業、しかも首席で、と自ら公表したことで、日本のマスコミに取り上げられた。
 
 当時も今もアラブの世界に関しては、多くの日本人はほとんど知識がないといえる。アラビア語を話せる人も少ないし、ましては発音など聞いたことがある一般の人は全くと言っていいくらい、いないだろう。私が知る限りでは、エジプト人のタレント、フィフィならば良くわかると思うのだが・・・
 
 そういう訳で、日本社会ではなじみのないカイロ大学と日本女性初の首席卒業という言葉に当時のマスコミがまんまと騙されたというわけだ。このことはマスコミの責任は免れない。きちんとした、つまり裏をとった報道なしに、民衆の目を引きそうな、物語を公表したからだ。

 若い百合子氏はこれに味を占めたに違いない。マスコミは遠いアラブでの出来事なんか調べやしないのだから。卒業証書が必要になったら、バザールにでも行って買えばいいのよ。なんて思ったのかもしれない。「世の中の人を騙すのは簡単ね」と世間を舐めてしまったのだろう。

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