小池百合子という人 (3)

 元々小池氏には、嘘をつくという感覚が無いように見受けられる。四年前の二期目の都知事選の時に他の候補者だった鳥越俊太郎氏に対して街頭演説の際に「病み上がりの人」と発言した。その言葉は、聴衆の目前で発した言葉だったにもかかわらず、鳥越氏から「私を病み上がりの人と言いましたよね」と指摘されると、小池氏はテレビカメラの前できっぱりとこう言った。「私はそんなことは言っておりません」

 万人が見ている前で発した言葉が自分にとって都合が悪いとみるや、言ってないと即答できるのは、普通の感性を持った人間にはできない芸当だと断言できる。何故なら私たち人間には記憶する能力が備わっているから、意図的に記憶を消すことは極めて難しいからだ。

 小池氏が都議会で学歴詐称問題を質問されると、必ずと言ってよいほど、質問には答えない。自分の口から出す言葉は、カイロ大学が卒業を認めた、そして卒業証明書も持っているというだけで、自分が卒業したとは決して言わない。こういう言い方をするのは、卒業の事実は無いが大学側、またはエジプト大使館が小池氏から何らかの形で見返りを得たため、彼女が卒業したと公言している、と考えている人が大勢いる。そしてそれが、日本にとって重大なのだと。
 
 百合子氏の十代後半から二十代後半でマスコミに登場するまでの約十年間は経済的にとっても苦しい時期だった。当然カイロでの学生生活も辛かった時代だ。
 父親の勇二郎氏はホラ吹きで有名な人物で、周りの人たちは勇二郎氏の言動に振り回され、人望も全くなかったらしい。挙句の果てに勇二郎氏は返済不能な借金までも背負い、生活は破綻し、家族はバラバラになって海外生活を余儀なくされた。そんな父親に憎悪の念を持ったとしても、子供は親の生き方を学んでしまうのは当たり前のことだ。
 
 世間にカイロ大卒という噓をつくことで、出世をして行き、手に入るものがどんどんと大きく豊かになるうちに、噓は無かったものとして考えた方が、都合が良いし、楽なのだ。

 おまけにおじさんの権力者に取り入ることで、いとも簡単に権力と富をもたらしてくれることも知ってしまった。
おじさん達は若くて可愛い女の子にはいとも簡単に権力の階段の上り方を教えてくれるし、他の権力者も紹介してくれるのだ。
こうして小池氏は彼女なりの権力の階段の上り方を身に着けていったのだろう。

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