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好きなデザイナー

好きなデザイナーのこと。
葛西薫さんと、矢後直規さん。

自分がなんとなくデザインの方向に進もうと思いはじめたのは大学2年生くらいの時だったが、当時は「グラフィックデザイナーといえばこの人」みたいな業界のレジェンドさえ全く知らなかった。それからもう何年も経って、いろんなデザインを見たり自分でも考えたり作ったりするようになったが、今あらためて自分が好きだと思うお二人。


葛西薫さん

デザイナーとして働きはじめて手にしたお金で、青山ブックセンターで買ったデザイナーの作品集は葛西薫さんのこちら。

ユナイテッドアローズ・ポスター 1998

はっきり覚えている、出会いは大学の図書館。デザインのことよくわからないなりに広告やデザインまわりの図録をぱらぱら見ていて、葛西薫さんのユナイテッドアローズの広告を見たとき、あ、なんかこれ好き〜と感じた。ぱっと見で惹かれたのはこのイラスト(イタリアの画家、ジャンルイジ・トッカフォンド作)なのだけど、アートディレクターって自分で描いた絵だけを使うんじゃなくて、自分が撮った写真だけを使うんじゃなくて、材料すべてを自分でゼロから作るんじゃなくて、他の人が作ったいいイラストや写真をいいかんじにコントロールしてかたちにする、そこが肝になる仕事なんだな〜と漠然と思った。

葛西さんのデザインはイラストも写真もコピーもその文字の入れ方も、何のどこをみても可憐で上品さがあると思う。憧れる。

ところどころに入っている手書きの文字もしっとりしていて素敵。こんな味のある字を書けたらいいのに。


矢後直規さん

こちらは最近買った矢後直規さんの作品集。
何年も前にはじめてポスターを見て以来SNSでちらちらと拝見していて、いつみてもかっこいいものを作られているなぁ〜やっぱり好きだなと最近決定的に感じたので購入に至った。

そのポスターをはじめてみたのはこちらも大学の時。研究室の教授に連れられてギンザ・グラフィック・ギャラリーのTDCの展示を観にいった。その後「印象的な作品をメモしておいて、あとで一人ずつ発表してね」という授業で、私は矢後さんの鉛筆でゴリゴリ書かれた感じのポスターを選んだ。世の中パソコンでレイアウトされたものばかりのなかで、真逆をいってるかんじで無骨でかっこよく見えたから。鉛筆だけで広告を作るなんて、イラレやフォトショのスキルがなくてもいいなんて、と感動したけれどだからと言って子どもが作ったようにかわいらしいというわけではなくて、のびのびとしたかっこよさのあるものですごく惹かれた。

購入した作品集にはそのポスターは載っていなかったけれど、こちらはそれにちょっと似た鉛筆テイストのもの。

鉛筆ゴリゴリポスターに惹かれたものの、それから矢後さんの作品を拝見していて中には繊細で可憐な雰囲気のものもあって、そちらの方向もめちゃくちゃ好き。


たぶん自分が好きなのはアナログな表現と少しの可憐さ

お二人のデザインで私が好きと感じるのは、すこしどこか可憐というか上品というか、しっとりしたところがあるからだと思う。作者のお人柄を知らずにチャーミングだな、と感じる。性別も性格を知らなくても作品だけを見てそう言える。

あとはパソコンだけで作られたものではなく手描きのニュアンスがどこかに入っているのも広告広告してなくて作品として持っていってるかんじがしてかっこいいなぁと思う。

自分が作るデザインはまた別なので、別に目指さなくてもいいけれど、憧れるなぁと思っていつも見ている。

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