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3月の好奇心
約3千円を、好奇心を満たすもしくは湧き上がらせるような事に使う試み、好奇心予算。
第二回目の今月は、突然ブームが到来したZINEにしました!!!
巷ではかなり前から流行っていたけど、最近写真集作りたいなと考えていたのと、同人誌やZINE制作に知見があるXフレンズの話を聞いてるうちに、とりあえず作ってみるしかない!となりまして、今更ZINEブームが到来している次第であります。
好奇心予算をZINE関連にするにあたり色々考えた結果、これまで立ち読みをした事はあれど購入した事は無かったので、先ずはZINEを買ってみることに。
行ったことのあるZINE専門店に直行してただ買うのもつまらないので、他にZINEの品揃えの豊富な書店は無いものかと、Googleで[ZINE ニューヨーク 🔍 ]と調べてみたら、なんとブルックリン美術館でZINEをテーマにした展示がやっていることが判明!これは行くしかない!!という訳で行ってきました。
テーマは「ZINEを作ったアーティスト達」で、ZINEの始まりから現代までを時代背景と共に移り変わるZINEの役割や目的を歴代のZINE製作者や関連する作品と共に見られるとても見応えのある展示でした。
とっても長くなりそうなので、なるべくかいつまんでいきます。
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ZINEの始まりは、1970年代頃*にメールアートと呼ばれる手紙や葉書による展示会やライブの案内に作品そのものやその類を送る文化が発展し、ファンがパンクやインダストリアルのミュージャンの写真や言動をテーマにファン雑誌(Fanzine)を制作するようになったらしい。
(*Fanzine自体は1930年代のSF界隈が発祥らしいとの話もあるみたいですが、今回の展示では1969からの記録のみでした。)
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1975年からパンクブームに伴い、DIY切り貼り方式のアイコニックなスタイルのZINEが流行。
ZINEはバンドの広告ツールであり、”伝説”を作り伝える重要な役割を担ったらしい。
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これまでもZINEはゲイコミュニティと密接に関係があったけど、1980年後半頃からは様々なジャンルのZINEが出てきて、フェミニストやクィアコミュニティで個人の経験を語る情報共有媒体としてZINEが使われるように。
そして、これまではバンドのプロモーションに使われていたZINEが、逆にZINE制作で知り合った人たちがバンドを組んだり、映像制作をするようになるという逆転現象が起きたらしく、どうしても音楽に行き着くの面白いなと思った。
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1990年代以降ZINEは情報共有やコミュニティ形成ツールから段々と個人の芸術表現へシフト。
近年では特徴的なコラージュだけでなく写真やイラスト、ファッションなど、芸術作品としてのZINE制作が増えてきているそう。
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さて。
前置きが長くなりましたが、ZINEについての知識が少し増えたので、いよいよZINEを買いに行きます。
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大小様々なZINEが売っていますが、さっきの展示でもあったように、今や一言にZINEと言っても目的や表現方法に決まったものは無く、イラストだけ、写真だけ、クラシックなコラージュ、文字が詰まったもの、色々で、何を買おうか悩んでしまいます。
製本がちゃんとしてるやつはそれなりのお値段するのでピンキリだけど、おおよその相場は
●A4を8分割したミニサイズ : $2.5〜$10
●A5の半分サイズ : $10~$15
●A5サイズ : $15〜$30
●大きいサイズ : $30+
といった感じ。
個人的にはA5サイズで10数ページなら$10が限界ではないかと思う。
知名度があって専用のBOXがあるようなZINEはA5サイズで$5で売っているものもあったが個人出版は値段とクオリティのバラツキが大きい。
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どっから手を付けていいか分からないまま色々見ているうちに、手に取り購入を検討する判断基準となっていったものはこちら。
◆表紙
デザインが整っているかだけではなく、気になる見た目(写真とか可愛いイラストとか変なイラストとか)
◆タイトル
何となくどんなものか想像のつくタイトルで興味のあるジャンルだったり、なにそれ?ってなるタイトルだと手に取りがち。
◆買うに値する中身か
•イラストのみだとよほど気に入らないと買う気は起きない。特に幼稚園児の落書きのようなイラストZINE多いのでジャケ買いは怖い。
•写真は基本知らん人の日常スナップはなんか恐い。ストリートスナップはテキスト無くてもカッコ良いかどうかが重要。
•文字がメインだとその場で読み込む訳にはいかないので興味のあるジャンルだと表紙やタイトルから明確であれば値段により検討。
•コラージュゴテゴテ系のパッション感じるZINEは立ち読みするには面白いけど買って手元に置きたいかと言うと違うな。
•制作年が古いと少し躊躇してしまう
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折角なので面白いやつを数冊買いたいと思ってたけど、正直好奇心予算とはいえ値段と中身のバランスで買ってもいいなと思えるZINEほぼない。
安くてネタにはなりそうなものもいくつかあったけど、買いたいと思ったやつが$20だったので面白枠だけでプラス$20使う気になれず、ネタに走りきれなかった。
そんなこんなで色々見た結果、最終的に選んだのはこちら。
写真と詩で適度な分量があり、奥付けもきっちり書いてあるので自分が作る際に参考にできそうだったのでこれにしました。
今作ってる試作品も写真と詩?の組み合わせなので、この組み合わせ好きなんだな、私。
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今回私は全くZINE界隈を知らずに買いに来たけれど、これだけ膨大な選択肢の中から好みのZINEを見つけ出すには、やみくもに箱の中を漁るのも楽しいけど、好みの製作者を見つけるのが近道だなと感じた。
選んでる最中、何度か製作者やモデルと思しき人が友達と「わー!ほんとにあるー!!」みたいなキャピつきをしてるのを見掛けてほっこりしました。
いつかは私もそんな日が来ると楽しいな!
と夢が膨らんだところで今月はおしまい。
☆2024/4/30追記
3月に行けなかったお店で「まさにこれがやりたかったんや!」という事が出来るお店だったので続編を書きました。
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