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DSD(性分化疾患)のポーザー(真似る人)についての雑感

noteで、DSDのポーザーについて書かれていた記事を見つけたので、下に貼らせて頂きながら、私の雑感を。

ポーザーについていろいろ


ポーザーについて改めて説明するのは大変なので、上の方のnoteをご覧頂ければ。

DSD(性分化疾患)にせよ、いろんな世界にせよ、自分がそうだと思い込んだり、そうだと騙ったりする方がみえるケースはありますね。

DSDの世界では、某漫画家Aさんが頭の痛い問題だったりしますが(いや、その疾患名でその症状は医学的にあり得なさ過ぎるので、ポーザーでは無いかもしれないけど、でもかなり嘘大げさ紛らわしいが混じってそうです。というか、他の方の紹介とかでも医学的にないから、と言うのが多く、新しくDSDについて知りたい方は、読まれない方が良いかもしれないです)、そのほかにも、結構そういう方がいらっしゃったりします。

本当にDSDになりたいなら

いや、本当にDSDになりたいのなら、私の疾患あげますよ。子供はムリだし、痛い・副作用のキツイ注射を2週間に1回(エナルモンデポー:上の写真の)、または1週間に3回2本ずつ(ゴナトロピンとゴナールエフ)しないといけなかったり(ただし、ついにギブアップして止めましたけど。今後止めたことによる諸症状に耐えることになりますが。)、さらに、私のタイプのDSDではオマケが付いてきて、少しのことで命に関わる(汎下垂体機能低下症+中枢性尿崩症で、副腎が機能していないので少しのショックで適切な治療が出来なければ死んだり、薬48時間ほど飲まなければ死んだり、抗利尿ホルモンも出てないので、水が飲めず薬も飲めなければ、1日10リットルほどの尿を放出して脱水で死んだり、短期的には死なないけど、やっぱり大切な甲状腺も機能してないので、薬長期にわたり飲めなければ死んだり。体温調整も出来ないので高体温・低体温で死んだり。)のですが。死亡フラグが多すぎますが、それでも良いのであれば。

私の疾患名は

あ、私のDSD上の疾患名は、「視床下部性性腺機能低下症」(ゴナドトロピン分泌不全)と、まぁWikipediaでは「カルマン症候群」として紹介されていますが、それと少し違う、臭いがわかるタイプです。それに、「視床下部機能障害」といって、脳の中枢である視床下部が機能障害を起こしているので体温調整その他恒常性の維持が出来ず、下部組織(部下)である、下垂体(前葉、後葉ともに)が機能しておらず(汎下垂体機能低下症+中枢性尿崩症)、ホルモンもいくつか出ない、という疾患です。

本物のDSDとは???

なお、これ、引用のnoteでもツイートで議論のある、本当にDSDかと言われると、ちゃんとDSDの分類表に「ゴナドトロピン分泌不全」「カルマン症候群」は入っていますが、小児慢性特定疾病の分類では、「内分泌疾患」の、「下垂体機能低下症」「尿崩症」「低ゴナドトロピン性性腺機能低下症」の分類になり、ズバリの「性分化疾患」に書かれているものではないんですよね。だから違うと言われてしまえば、ぐう、としか言えませんが。(下垂体機能低下症とかはリアルに命に関わるので、特出ししてあると考えられなくもないですが。現在でも、成人の「指定難病」に入っているDSD疾患は命に関わるもの中心ですしね。)

告知って結構残酷ですよ

DSDの告知って、結構残酷なものですよ、まずは多くのDSDは、妊孕性(子どもを産んだり産ませたりする能力)がないので、実子が無理ですという事実を突きつけられますし、やはり今まで男性・女性と思っていたのが、その根幹が揺らぐような告知のされ方をされるケースもやはりあります。「半陰陽フレームワーク」といって、「男女どちらでもない」みたいな告知のされ方をすることもあります(近年は少なくなりましたが)。
そして、多くのDSDは、ホルモン補充を始め、いろいろな治療を必要とするケースがあり、生涯にわたる治療を突きつけられることになります。

いま、別のDSD疾患の疑いがある状況だけど辛い

私ごとですが、いままでのDSD疾患に加え、別のDSD疾患の疑いがかかっている状態ですが、それだけでも結構辛いものがありますよ。男性で生まれ、男性ホルモンが出ないだけ(まぁ、それに伴いいろんな症状や身体特徴はありますけどね)かと思ってたら、まさかの婦人科に行ってくださいの指示と、「子宮あるかもしれない」疑惑(ミュラー管遺残症候群疑い)ですよ。
これ、結構根底からいろんなものを覆してしまうので、結構悩んでいたりします、実は。結構辛いです。まさかの婦人科の段階でも結構どうしようか状態になってましたが、さらに「子宮あるかもしれない」ですしね。

男性だけど子宮(場合により卵管・膣上部など)あるとか、おもろいやん、と関西人的ノリで思う反面、やはり、自分の身体に対して、違和感というか、なんというか、言い表せない感情はありますよ。
まだ、確定ではないので、大丈夫ですが(今週MRI撮って、来週結果発表)、これ、確定したら、心理的にまた不安になりそう。相談できるところはいくつか作ってあるので、そこにひたすら相談かな。大丈夫、何とか乗り越えてみます。(男性ホルモン補充療法や、性腺刺激ホルモン補充療法をやめた時点で、「緩やかに女性化しつつある」(泌尿器科、総合診療科医の評価)と言われたので、その女性化の一環と思えば、って無理があるか。まぁ、フォトウェディング(ウェディングドレス着て)挙げた時点で、女性として「も」生きられるという覚悟はしてきたので、大丈夫かな。)

DSDを持っている人が経験してきた苦悩

本当にDSDを持っている人は、上記2つのような、告知と、告知前の検査の段階と、非常に苦悩し、辛い思いをしてきている人が多いです。あと、検査も意外と辛いものがあったり。治療も辛いですしね。

ポーザーの方に理解して欲しいのは

ポーザーの方に理解して欲しいのは、本当にDSDを持っている人は、上記のような苦労や、場合によっては簡単に死んでしまうような状況(疾患)を併発していたり、苦悩が多いことです。
決して、「男性でも女性でもない」「男性でも女性でもある」ような、夢のあるような、単なる話では無く、実際には「男性」「女性」ですし、自分自身の身体のことというデリケートかつ難しい、そしてアイデンティティ(ジェンダーアイデンティティでは無く、もっと根幹的なアイデンティティ)に関わる問題だと言うことです。

ポーザーの方には、ポーザーで無く、DSDのアライになって欲しい

明らかにポーザーだなとわかる方と接したこともありますが、本当にDSD(インターセックス)に関して、よく勉強されているなと感じたことがあります。
逆に、そこまで勉強されているなら、ポーザーとしてDSDを騙るより、DSDのアライとして、DSDの人に寄りそって頂いたり、いろいろご協力頂いたり、話し相手に(時には相談相手に)なっていただけると、嬉しく思います。そちらの方が、お互いに建設的ではないでしょうか。
もしこれをご覧になっているポーザーの方がいらっしゃれば、ぜひ、アライへと転向して頂けると嬉しく思います。

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