＃171 苦しい幸せと穏やかな不幸

人は弱いもので
できなかったことが続くとどんどん弱気になって
自分は元々大したことなかったと
後から理由をつけて精神を保つ

それでも期待を捨てないから
どこかでもっといい自分を描いている
心の底から自分を全て認められたら
人生は豊かになるのだろうけど
そんな穏やかな人生は本当に幸せなのだろうか

死ぬより辛い苦しみは確かにある
いいことより悪いことが多い人
喜びより悲しみの方が大きい人
生きる意味が分からない人
世の中は不公平だ

数％の大富豪に支えられ
哀れな多数が慰め合うように
人生はお金じゃないとか
弱者の美徳が謳われている

そんなくだらない世界であの人は
「お前が生きがい」だなんて抜かす
そんな理不尽な世界でこの人は
「お腹がいっぱい」と満足そうな顔をする
そしてまた苦しいことを繰り返す
苦しさからやっと解放されただろうに
また忙しそうに動き出す

それをただ見ているだけで
何もしていないこっちの方が
何故か苦しそうなこの矛盾

利口なハズの自分より
馬鹿なあいつが笑っている異様さ

良くもならず悪くもならず
止まっていることの恐ろしさ
平穏なシアワセ