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14歳と参議院選挙2022④ - 街宣になかなか人が集まらない土地に”推し”が降臨。マイクを片手に次々と人々の胸を熱くしていった話 -

 この日も息子の推し活に付き合わされて、れいわ新撰組の山本太郎氏の街宣を見に行った。
 「平日は連れて行ってあげられないよ!」と言っていたため、山本太郎氏の街宣を見られるのは7月9日の土曜がラストか……とガックリしていた息子だったが、なんと、推しが地元に来るというミラクルが起きた。
 昨晩から大はしゃぎな息子であったが、本人を目の前にして完全に硬直していた。と、いうのも新宿や渋谷とは比べ物にならないくらいの至近距離!1mも離れていない場所に、推しが立っている。そりゃ、硬直してしまうだろう。

街宣になかなか人が集まらない土地

 話はややズレるが、この場所について話をしておきたい。
 Twitterなどでも「ローカルな場所」「船堀や小岩ではなく、東大島でもなく何故ここ?」と言われていたが、その気持ち……わかる。
 2つある改札口のどちらも、駅前に大きなバス停がいくつも並ぶ広いスペースがある。そのわりに、政治家が来ても人がなかなか集まらない場所という”負”のイメージがある。

 数年前、街宣をやっている様子を何度か見かけたことがあるが、マイクを持った候補者、ビラ配りをするボランティアスタッフ達、動員されたであろうプラカードを持った数名が立っているほかは、足をとめて話を聞く地元民はほとんどいなかった。両方の改札口にそれぞれ大きいスーパーや飲食店が立ち並んでいるし、駅やバス停の利用客も多いため、人通り自体は多い。しかし、立ち止まってはくれないのだ。「人通りが少ないから、聴衆も少ない」よりも、より残酷に地元民の無関心が浮き彫りになる。

 過去のそんな記憶が頭をかすめ、欣喜雀躍する息子を横に、私はちょっと心配していた。

酔っ払いのおじさんが聞き入る。冷やかし半分の学生グループが聞き惚れる。厚くなる人垣。

 しかし、今日は違った。
 時間よりやや遅れて山本太郎氏が到着したころには、マイクの周りにはかなりの数が集まっていた。
 本人が話し出すと、どんどん人が増えていった。冷やかし半分の学生グループや、酔っ払いのおじさんまで、次々に足を止めて聞き入る様は圧巻だった。

 この場所ではツーショット写真の時間がなかったが、それもそのはず。18時前に到着してから、次の場所に移動しているはずの19時ごろまで、山本太郎は熱弁していた。
 かつて、この場所に政治家が来てこんなに人が集まったこともなければ、チラシや名刺をもらおうと、人々がワッと詰めかけるということも初めてだったように思う。いつもとは明らかに違う”熱”を感じた。

 その後、今日の最後の街宣場所である西葛西まで移動して、演説を聞いた後、写真を撮ってもらった。息子はメチャクチャ嬉しそうだった。
 おそらく、息子が山本太郎氏を見られるのは土曜がラストになると思う。最後の地が東京都内ならだが……。
 
 れいわについては、色々と思うところもあるが、この数年間でものすごく洗練された印象だ。単なるイロモノ政党と切り捨てることはできない風格をまといつつある。
 成長著しい政党や政治家を、子どもとともに見つめることができた。
 今年の参議院選挙は、私にとっても印象深いものになった。

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