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【スタートアップ】スタートアップがシード期に達成すべき「PMF」について考える

介護保険外のオーダーメイド介護サービス「イチロウ」を運営している株式会社LINKの水野です。

わたしたちは、2020年9月に6500万円の資金調達を行い、この3月で6ヶ月が経過しました。資金調達から6ヶ月で達成したことや反省点などを振り返りました。その中で感じたシード期のスタートアップが実行すべきことについてまとめてみます。

スタートアップがシード期に達成すべき「PMF」

シード期のスタートアップは、まずはPMFを達成すべきだと言われます。PMFを達成すれば、シリーズAに進めると。

まずPMFとは何か・・・
PMFについて考える際によく見返すDCMの原さんのnoteがあるので貼っておきます。私が説明するより、読んでもらう方が早いかなと思います。

PMFとは何かを考えるにあたって、6ヶ月前の事業計画を見返し振り返ってみました。(リード投資家の菅原さんからも6ヶ月で達成できたこと・できなかったことを棚卸しておくと良いとアドバイスもいただいたので)

一番大きな発見は、当日の事業計画が荒かったことです。チャネル毎の顧客単価や成長率など様々な数字が曖昧で、現在の実績として持っている数字とかけ離れていました。

この事実に向き合いながら、自分なりにPMFとは何かについて考えてみると、「ビジネスに関わる曖昧な数字を検証し、正しい数字を理解すること」「どの数字を伸ばせば事業がより大きく成長するかを理解すること」の2つだと思いました。

このビジネスにおける数字の理解と最適化を行うがことで、どこに投資をすればどう伸びるかを理解することができます。ここを理解するための検証を続けるのが、スタートアップがシード期に実施すべきことなのだと思いました。

そこで、スタートアップが検証すべき重要な要素を、イチロウの数字を照らし合わせながら考えていきます。

1. LTV(顧客生涯価値)の検証

イチロウのサービスメニューは主に、通院の付き添い、自宅の介護、自宅の家事、入院中の介護です。その各メニュー毎に、顧客一人あたりの顧客生涯価値(LTV)があります。下記がイチロウがLTVを算出するための公式と実際の数字です。(さすがに数字は編みかけさせていただいています)

LTV(顧客生涯価値)= 時間数/1回 × 利用回数/1ヶ月 ×(利用料金 × 利益率)× 継続月数

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顧客数が少ないシード期においては、顧客単価や継続率など、少ない母数では正確な数字が出ません。そのため、事業計画においてサービス毎の顧客獲得数を設定しても、実際の数字との乖離が出ます。

実際に、自宅の介護においては、6ヶ月前は918,717円だったLTVが、320,478円まで下がっています。最初に利用してくださったお客様の顧客単価が高かったために、918,717円という異常な値が出ていました。
このLTVのブレにより、事業計画もブレてしまっていました。これにより、当時作成した事業計画との乖離がすごかった・・・

とはいえ、イチロウのポテンシャルとしては320,478円が限界値ではなく、獲得すべき顧客層や継続月数を伸ばすことで、918,717円に近い数字もしくはそれ以上の数字が出ると思っています。

2. 顧客獲得チャネルの検証

6ヶ月前のイチロウの顧客獲得チャネルは2つでした。

・Webサイト
・ケアマネジャーへのダイレクトメール

このチャネルにより4つのカテゴリーから依頼を受けていました。

・要介護者の家族
・有料老人ホーム
・身元保証会社
・ケアマネジャー

検証が進んでいたなかった当時は、2つの顧客獲得チャネルに対して、いくらの広告費と営業等の人件費をかければ、1人の顧客を獲得できるか曖昧でした。

当時、Webサイト経由でLTVの高い「自宅の介護ユーザー」を獲得することができていたため、ホームページリニューアルやSEO強化を行いました。これにより、「自宅の介護ユーザー」の利用者数は8倍になり、売上も36倍になりました。

この成長に伴い、自宅介護ユーザーを獲得するための広告費からユニットエコノミクスを算出することができるようになりました。

ユニットエコノミクス = LTV(顧客生涯価値)÷ CAC(顧客獲得コスト)

この6ヶ月でWebサイトチャネルからのユニットエコノミクスを理解することができました。
実際に、現在のイチロウにおける自宅の介護ユーザーのユニットエコノミクスは7倍となっています。

3. オペレーションにかかる人材の検証

今回の資金調達の際に、マネックスベンチャーズの和田さんから「1人のCS(カスタマー担当者)で何人の顧客を対応できるのか」と聞かれたことを覚えています。私はその時「60名です」と答えたような気がします。

この60名にも100%の確証はありませんでした。
当時は、1人の顧客を最高に満足させるオペレーション構築もできていませんでした。満足してもらうために頑張るという気合しかありませんでした。

この6ヶ月で、イチロウでは「認定パートナー制度」や「スラックを活用した情報共有」などの仕組みを作りました。現在検証した仕組みを磨き込無ことで、実際に1人のCSで60名の顧客を担当することが見えてきました。

イチロウ事業概要 5.3

これにより、顧客数が成長するにあたって、CSを採用すべきかを理解することができるようになりました。

PMFに向けた6ヶ月間の反省

改めて事業計画を見返し、イチロウというビジネスをスケールさせるために検証すべき要素の半数も満たせていないことがわかりました。これはまだイチロウというビジネスを理解できていないということだと思います。半数も検証できていないことについて、大きな2つの反省点があります。

・ビジネスのゲームルールを理解できていない
・検証すべき手数が少なかった

とはいえ、反省点ばかりで長くなりそうなので、別の記事で改めて書こうと思います。

今回は書きながら自分でも読みにくいなと思っています。
読みにくいながらも最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回の反省noteもお楽しみに!

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