見出し画像

【介護3.0時代】介護DXの本質

介護保険外のオーダーメイド介護サービス「イチロウ」を運営している株式会社LINKの水野です。

今日は、昨今話題の介護業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)について書こうと思います。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)についておさらいをしていきましょう。
インターネット上で、一番わかりやすいと思う記事から引用させていただきました。

引用:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは? 言葉の意味を事例を交えてわかりやすく解説

その中では、DXについて下記のように記載されています。

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念。その内容は「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」というものです。

言い換えると、“進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること”。「Digital Transformation」を直訳すると「デジタル変換」という言葉になりますが、“変換”というよりも“変革”という言葉が鍵になります。

ただし、DXが及ぼすのは単なる「変革」ではなく、デジタル技術による破壊的な変革を意味する「デジタル・ディスラプション」。すなわち、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすものです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の意味
・デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること
・既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの

介護におけるDXをサクッとまとめると、テクノロジーを活用し、介護のあり方を変革させ、利用者や提供者の価値を圧倒的に向上させるということになると思います。

デジタルトランスフォーメーションとデータライゼーションの違い

よく言われる介護のデジタル化に関しては、紙に書いていた介護記録をIPadなどの電子媒体で記録することがあげられます。これは、アナログ情報をデジタル化する局所的な「デジタライゼーション」になります。大きな社会的革新を生み出す「デジタルトランスフォーメーション」とは遠く、あくまで局所的な変化です。

介護のDXを進める鍵は、介護にテクロジーが浸透していくと同時に介護保険制度も変わっていくことだと考えています。ポイントは同時に起こることです。介護記録をデジタル化をしたところで、介護業界が抱える大きな課題を解決できるわけではありません。

画像1

介護DXの鍵

介護業界を本質的に変革させるには、介護にテクロジーが浸透していくと同時に介護保険制度も変わっていくこと来ましたが、具体的に訪問介護介護事業所の運営をイメージしながら説明していきます。
まずは訪問介護事業所がどのように商売をしているかを考えていきます。

訪問介護事業所の売上構造

時間単位の売上が国よって決められている  *東京都の地域単価を参照
・身体的介護
 2,750円 / 30分
 4,350円 / 1時間

費用構造①(間接的な人件費)

1事業所・利用者数に応じた人員の配置
・管理者:事業所毎に1名配置
・サービス提供責任者(現場マネジメント):利用者40名に対して1名配置

費用構造②(原価となるホームヘルパーの人件費)

東京都のホームヘルパーの平均時給
1,292円 / 1時間

上記の内容で考えていくと、規模を拡大したりサービス品質を向上しても1時間毎の粗利率は変わりません。(時間が増えても、その分ホームヘルパーの時給も増えていくため)ポイントになるのは、間接コストととなるサービス提供責任者の人数です。国のルールでは、どんなに業務を効率化させてもサービス提供責任者の人数は、利用者数の増加に合わせて増やさなくてはいけません。

訪問介護事業所においては、アナログな業務をデジタル化させ、効率化してもサービス提供責任者の配置基準が40名である限り、利益に変化はなく、経営におけるインパクトはありません。

画像2

上記のグラフは、デジタル化により業務が効率され、160名の利用者を1人のサービス提供責任者でマネジメントできるようになった場合に、利用者40名毎にサービス提供責任者1人を配置するルールが緩和された場合と緩和されなかった場合の利益額を表しています。

・左:緩和され、1名のサービス提供責任者が160名をマネジメントした場合
・右:緩和されず、4名のサービス提供責任者でマネジメントした場合

緩和によって左のグラフの利益額が押し上げられたことがわかります。このように、どんなに業務を効率化するシステムを導入しようと、同時に介護保険法の緩和がされなければ、事業所にとって大きなメリットはありません。(サービス提供責任者の残業は減ることは非常に良いことだと思います)

これは、サービス品質の向上ために教育システムを導入するなどの売上アップを狙いたい場合にも言えます。導入するためのコストに伴い、売上(1時間あたりの単位数)が品質が向上したとして単位数が上がらなければ、費用とう一緒で事業所にとって大きなメリットはありません。

上記の内容でわかるように、介護業界のDXは介護保険法の緩和(変化)とセットで考えなければ、どんなに良い取り組みやシステム、サービスも普及することはありません。事業所にとっては導入するメリットが小さいからです。

私たちが考える介護のDX

本当の介護DXは、デジタル化による業務の効率化・最適化と同時に、介護保険法の緩和が必要だと書きましたが、全国に38万以上ある介護事業所に対して一斉に要件を緩和できないことも理解できます。やたらに緩和すれば、緩和を利用した不適切な品質の低いサービスが横行するのは必定です。

先程の訪問介護事業所のように、
介護保険法をもとにした既存構造に、テクノロジーを付け加えていくだけでは、大きな変革は望めません。どんなによいシステムを開発しても、本質的に介護業界を変革させるDXにはなりません。

私たちは、既存構造にテクノロジーを付け加えるのではなく、テクノロジーを中心に介護を再設計していく必要があると考えています。
それが、オーダーメイド介護サービスのイチロウです。私たちもソフトウェアを開発し、介護事業所へ売る仕組みを作ろうとした時期もありましたが、本質的な解決にはならないと踏みとどまり、今のイチロウに至りました。

イチロウには、既存の介護保険法のルールはありません。テクノロジーを中心にお客様にとって最適なサービス設計をトライ&エラーを繰り返しながら作り上げています。介護士の手配から派遣、マネジメントまで全ての工程をイチロウプラットフォーム上で行っています。ここまでやるから、テクノロジーを活用する意味が出てくるのです。

私たちイチロウの中のもっと大切な考え方は、お客様に喜んでいただけるかです。そして、どれだけ効率的に喜んでいただけるかを追求しています。
重要なKPIは4つです。

・お客様の満足度
・働くヘルパーの満足度
・LTV(特に継続期間)
・ユニットエコノミクス

既存の介護事業者のKPIとは全く違う指標でサービスを運営しています。
この中心にあるのがインターネットなどのテクノロジーです。

私たちは、介護保険法の外で、国の決めた指標に合わせるのではなく、常にお客様に喜んでいただけるかを考えながら、新しい介護サービスを作っています。これだけ読むと、ワイルドサイドでアウトローな印象を持たれるかもしれませんが、国や厚生労働省、他の介護事業所と想いは同じです。日本の介護のことを憂いており、一人一人の高齢者の生活がより良いものになることを願っています。

いつか、私たちが取り組んでいる内容が評価され、公的な介護事業者として認められ、私たちが作っている介護システムを、既存事業者の方へ使用してもらえることを目標に、これからもイチロウを進化・成長させていきます。

既存の仕組みの延長線上に、介護の発展は望めないことを受け止め行動を変えるべきです。少しでも介護DXの本当の必要性を理解し行動する人が増えることを願っています。

そんなイチロウを運営するLINKでは仲間を募集しています!

イチロウでは、さらにサービスを成長させてくれる仲間を募集中です!
今、イチロウの更なる成長のため、エンジニアからカスタマーサクセス、サービス提供責任者まで幅広く人材を募集しております。
ご興味のある方は、下記の会社紹介資料でLINKのこと、イチロウのことを紹介しているので是非読んでみてください!

毎週木曜日に、カジュアル面談やMeetupも行なっております!
申し込みフォームはコチラ

ご応募お待ちしております!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?