下手なのにカッコいいダンサーがいた話

めっちゃカッコいいダンサーがいた。
僕の考え方すべてをひっくり返すほどの衝撃があった。
その時のことついて。

学生時代に学生主催のダンスバトルに参加した。
一次予選、二次予選、トーナメント、といった感じの流れ。
当時大学4年生の僕は、そこそこ上手だったし、バトルに慣れてたから、いい感じに楽しんでいた。

で、本題。
1次予選、輪っかを作って1人ずつ披露していくサークル方式で、そのダンサーはいた。

ブレイキンなboyだった。
つたないトップロックからビタ止まり、床に手を着いてのゆっくりした6歩。からの3歩。
何とか止まったチェアーからのバッチリ決める最後の立ちポーズ。
明らかに1年生で、今年始めたばかりっぽい。

大変失礼ながら、正直全然上手くないし、そして勝ち上がることもなかった。

僕はその子がとんでもなくカッコよく見えた。
僕が審査員だったら、その子をピックしてたし、自分と戦ってたら負けを認めただろうね。

彼の全力が僕にぶつかった。
最近先輩に教えてもらったであろう技を、何とか使ってやろうとする姿。
上手じゃないことは承知した上での、堂々とした勇気のある踊り。
そしてその場を楽しんでいるという表情。
彼の踊りからそれら全てが伝わってきて、僕は1人静かに感動していた。

それ以来僕はカッコいいダンスについて、改めて考え直すこととなった。
その人間がどんな生き方をしているのか、何を大切にしているのか、それを全力で伝えることが、僕が彼に感じた「カッコよさ」の表現なのかね。

そんな感じでした。
ほんじゃまた。

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