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オープンDの音色を追って 9

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 GAROのファンになってからというもの、ギターに興味が湧いています。
 最近はYouTubeでアコースティックギターを買い取るお店のチャンネルを見ています。MartinやK.Yairiの音が聞けます。
 高価なギターを持っている人は、一人で何本も持っているものなんですね。
 車が好きな人みたいな感じですかね?

 ギターといえば、前から吉本新喜劇の松浦真也が好きだったんですよ。
「この人、お笑いやけど、ギターはマジやん」と思っていました。
 必ずギターを持って舞台に出るので、いつも楽しみに観ています。
 松浦真也が最近買ったギターはWaterlooというメーカー(Collingsのビル・コリングスが手掛けるブランド)のだそうです。
 ご本人のTweetによると「トラスロッド入ってない、極太ネック、超軽量、音でかい、色々ワクワクするギターです。音色はカラーンとしてて、なんかスライドギター弾きたくなりますね。」
 ? ? ? 
 ギターを弾かれる方には良さが伝わる表現なんですよね?
 私もわかるようになりたい……。

 ところで、前回から中津川フォークジャンボリーのことが気になっているので、図書館で本を借りて来ました。
『60年代フォークの時代 日本のフォーク&ロック・ヒストリーⅠ』前田祥丈、平原康司・編著 シンコーミュージック 1993年3月12日初版。
 GAROの活動は70年からだし、フォークじゃないし。
 ……と言っていても仕方がないので、とにかく借りて来たのです。

 フォークソングが盛り上がりを見せたのは、1959年のこと。アメリカのロードアイランド州でニューポート・フォーク・フェスティバルが開かれました。
 この催しは翌60年にも開かれましたが、同じ年のニューポート・ジャズ・フェスティバルで、入場できなかった客が暴動を起こしたので、以降の二年間は取りやめとなります。
 1963年にフォーク・フェスティバルは復活。ここに(GAROとは縁の深い)ボブ・ディランが『風に吹かれて』で初登場し、フォークロックの開拓者としての存在感を示しました。
 当時のフォークソングは、ベトナム戦争への介入や徴兵制への批判を含み、プロテストの手段ともなっていたのです。
 同じ頃、日本の音楽界はというと、60年安保の敗北によるシラケムードの中、フォークブームが起こり始めていました。

 レコードデビュー前のGAROが出演した第3回全日本フォークジャンボリーは1971年8月7日~9日に岐阜県恵那郡坂下町(現在の中津川市)椛の湖(はなのこ)の湖畔で開催されました。
 参加者は25,000人となっています。
 第2回までは「暑かったら湖で泳げます」というふれこみだったのですが、台風があり、この時の椛の湖は増水していました。
 ですから遊泳は禁止されていたのですが、泳いで溺死してしまった観客がいたそうです。
 今だったら完全にイベント自体中止になるレベルの事件です。

 ステージにはメインとサブがあり、14:00~サブ、16:00~メインで演奏が行われていたようです。

 GAROについての記述は「第六章 フォーク黄金時代」にほんの少しだけです。

 出演者のほとんどは時間を分けメイン・ステージにもサブ・ステージにも出演していったが、その中でも評価が高かったのが、まだレコードデビュー前のガロ。ウッドストックのシンボルともなったCSN&Yのコピーやオリジナルをみごとなハーモニーで聴かせていった。

60年代フォークの時代 日本のフォーク&ロック・ヒストリーⅠ

 著者があまりGAROには興味がないのがわかります。
「フォークの時代」と題しているので当然ですが、吉田拓郎(よしだたくろう)、岡林信康あたりのことが主に書かれています。
 はっぴいえんどはフォークではないと思いますが、はっぴいえんどについては、岡林信康のバックをつとめたことなどわりと多目に書かれていますし、写真も載っています。

 そして、この章に掲載されたGAROの写真が不思議なのです。

『60年代フォークの時代』より

 撮られたのは、背景が暗いことから、おそらく夜。GAROがメインステージに出たのは19時頃からだとされていますから、一致しています。
「CS&Yばりのハーモニーを聞かせたガロ」(Nが抜けています)というキャプションの写真は、手拍子を打っているボーカル、ギターを弾くマークとトミー。そして彼らの背後に立って、演奏を見ている小原礼。なぜ……?
 リハーサルの写真なのでしょうか。それにしては周囲が暗いです。
 この写真により、サポートメンバーに小原礼がいたことは間違いないですが、楽器を持たずにただ見ているって、どういうことなんでしょう?

「えとせとらレコード」ホームページ内の「1971年 全日本フォーク・ジャンボリー音源」コーナーに詳しい分析が載っていました。
 私がオークションで入手したCD『1971フォーク・ジャンボリーVol.2』のジャケットとDISC1のピクチャーレーベルは同じ写真で「これ、GAROじゃないかな? でも当時の人って大体こういうファッションだし、写真が小さくてよくわからないな」と思っていたのですが、上記ホームページに照らすと、GAROで合っているようです。ボーカルはお馴染みの肘を張っているポーズです。
 しかし、この写真にも謎があります。
(つづく)
(文中敬称略)

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