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ピクニックするように、ものを売って生きていきたい

今週末は、高円寺フェスという高円寺の街をあげたお祭りです。
みうらじゅんさんや大槻ケンジさんといった高円寺ゆかりの人とトークショーと、駅前広場での「ゆるキャラプロレス」が目玉のこのお祭り。

Salmons(大学時代からゆるくやっている3人組ユニット)も、アフリカの国々の布を売るべく、街の一角で開催されるマルシェに出店しました。

布や現地の写真も並べて、朝11時には準備万端。

「日本のインド」とも呼ばれる高円寺。
異国情緒のあるものや、カラフルな柄物が好きな人が多いはず!
持ってきた大量の布が売り切れるかもなどと、話をしていました。

が、待てども待てども、人が通らない…!
たまに通るのは、目の前のマンションの住人くらい。
「こんにちは〜」と挨拶をしてみるものの、みんな会釈をして通り過ぎていきます。

そんな状況で、布が売れるはずもなく。
私たちは、暇を持て余していました。

お寺と商店街の間の沿道は、秋の日差しがやわらく。
他の出店者も暇そうにおしゃべりをしたり、編み物をしていたりして、なんだかとてもほのぼのしています。

暑くも寒くもない快適な気候で、私たちもお菓子を食べてぼんやりしたり、おしゃべりしたりしていました。
メンバーの一人、さとちゃんは、気づくと眠っていました(さとちゃんは大学時代、OBとのごはんでも眠った強者)。

「カフェでしゃべってるのとやってることは同じだけど、外だからきもちよくいていいね」
「もはやピクニックだよね。高円寺の路上でピクニックできるって贅沢じゃない!?」
「ピクニックをして、たまに布を売る。これからもそういうスタンスの活動にしてはどうだろうか」

14時を過ぎるころには、「お客さんがほぼ来ない」ことは問題ではなくなり、ピクニックを満喫していました。

通りがかったマンションのおばあさんに、
「あなたたち、こんなところにコタツだして、なにしてるかのと思って、笑って見てたのよ」
と言われる始末(布をかけた台が、コタツに見えたらしい)。

なんだかこのお客さんが来ない、ピクニック状態の店が楽しくなってきた私たち。
ぼんやりするなかで、ふと思い出したのが、アフリカで見た光景でした。

「でも、アフリカで会った商店の人ってさ、わりとこんなかんじだったよね」
「くつろいでたよね。お客さんが来てても、適当に見ていってってかんじで、お釣りとかもすごくだるそうにだしてたからね」
「客としてはそのぐらいの接客でいいから、私もこのくらいのゆったりさで仕事をしていきたいよ」
「人としてそのほうが、自然な気がするよね〜」

結局この日は、
台湾の赤ちゃん服のデザイナーさんにガーナの布、
ダンボールで小物をつくるバンドマンの方に「あなたは毎日かわいくなる」という言葉のはいったハート柄のケニアのカンガ、
買い物帰りらしいきれいめな服装の女性にカメルーンのバミレケ族の布(ちょっと意外)
の3枚が売れました。

11時から16時半まで出店したので、2時間弱に1枚の計算。

それでも、いつものPCやスマホに追われて室内にいる身としては、昼間ずっと外でぼんやる座ってるのなんて久しぶりで、
なんだかゆっくり旅したあとみたいな、いい気分で1日を終えたのでした。

(途中でマルシェのまわりを阿波踊りが通過していき、特等席で阿波踊りを見れるという、高円寺らしいうれしいオマケもありました)

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