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(日々)バイトするアヒルと、憎まれ口を叩く猫/クーラーなし38度の教室/なにか創るのが楽しい20代

2023/4/23 バイトするアヒルと、憎まれ口を叩く猫


近所の運動場でフリーマーケットをやっていたので、立ち寄ってみる。ダンスをする若者、食べ物の売店、アクセサリー屋、そしてたくさんのポストカード屋。

絵を描く人の発表の場でもあるらしい。アーティスティックなものから、キャラものまで。

占いをしているアヒルのポストカードを買ったら、
「このこ、バイトするアヒルばかり描いているんです。よかったらインスタ、フォローして」
売り子のお姉さんが、隣にいたイラストレーターの女性を紹介する。

たしかに、他のポストカードでは、アヒルはせっせとブンボーフエ(古都フエの名物麺)の仕込みをしたりしている。

別の店では、憎たらしい顔をした太った猫の横に、ベトナム語のセリフがはいったシールを買う(弟の奥さんが好きそうだったので)。
今度はイラストレーターさん自身が、売り子をしていた。

「ベトナム語、読めますか?」
「mèoが猫だってことしか、わかりませんね笑」
「そうそう、このキャラは、そのmèoという言葉を、notという意味で使うんです!」

たしかに、猫のセリフには、全部mèoとはいっていた。ベトナム語では、猫の鳴き声もmèoというから、「行かない」を「行かにゃい」と言うかんじだろうか。
どおりで憎たらしい顔をしているわけだ。

バイトをしているアヒルに、憎まれ口ばかり叩く猫。
ベトナムの若者たちの「かわいい」の感性に触れた気がした。

2023/4/24 クーラーなし38度の教室


ホーチミンは今、一番暑い時期らしい。
帽子をかぶっていても、10分歩くと、熱中症になりそうだ。

子供の頃住んでいたフィリピンも、この時期が一番暑かった。
小学4年生のとき、教室のクーラーが壊れて、しばらくサウナのような温度で授業を受けた。

大変だったけれど、それに耐えられているのがどこか誇らしく、みんなで暑い暑いと言うのを楽しんでいたような気もする。
先生がうまくみんなをのせてくれていたのかなぁ。

2023/4/25 なにか創るのが楽しい20代

伝統的な器をセレクトして売っているお店で、どんぶりを買う。
買い物をした人は、下の階のカフェで5000ドン割引があるらしい。

立ち寄ると、3人の若者が家具を動かしている。
そのうちの1人が注文を受けてくれ、ソファで刺繍をしている若い女性にどくように言い、そこに座るように言われる。カウンターにいた別の女性がコーヒーを準備しはじめる。

オレンジと水色の壁に、観葉植物、額にはいった今っぽいイラスト。カウンターには茶色の革のハイチェア。奥の壁には、白いもふもふの毛でできた龍の顔の壁掛けオブジェ。こんなに、インスタ映えしそうなかわいい龍ははじめて見た。

コーヒーとワッフルセット(コーヒーだけにしようとしたけれど、ワッフルなしのメニューは存在しなかった)が運ばれてくる。

私へのサーブが終わると、また家具の移動が再開した。
光が射す場所にテーブルを移動させていたらしい。そこにワッフルをのせ、葉っぱで影を
つくって、撮影している。Instagram用だろうか。

葉っぱの角度を一生懸命調整する姿に、20代の頃、なにもわからないながら写真展をしたことを思い出した。楽しかったなぁ。

壁を水色に塗ったり、絵を飾ったり、オレンジ色のソファを置いたり、刺繍をしたり、ワッフルをつくったり。
どういう経緯かはわからないけれど、彼らは自分たちがクールだと思う世界観を、その場につめこんでいるようだった。

路地裏の一角で、平日の昼間から同年代の仲間とそんなことするなんて、なによりすばらしいことのように思えた。


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