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フードスタイリストとはなんぞや。


はじめまして。
フードスタイリストのつがねゆきこです。

この仕事を始めて12年になりますが
何をする仕事なのか毎度聞かれることでもあるので、
ここで少しお話しできればと思います。

フードスタイリストに興味がある人
フードスタイリストにお仕事を依頼したい人
ただの興味、でも


読んで頂けたら嬉しいです。


フードスタイリストってどんな仕事?



何をしてくれるの?

そうですよね。
元々私の身近にもいなかった職業なので
ふわっとしたイメージしかありませんでした。


私は、こう答えています↓

食周りをメインとしてスタイリングをする人。
テーブルシーンなど、
お料理が入る「シーン(情景)」を作ります。

この写真なら背景バック、器

これは抜けがあるシーン。器、カトラリー、グラス、テーブル、椅子などが必要ですね。



活躍する場は、ざっくりと大きく2つに分かれます

  • 動画(TV.CM.映画.webなど)

  • 静止画(広告.書籍.雑誌.webなど)

いずれも、イメージを最適な"モノ"に落とし込み、
シーンを作り込むのが仕事になります。



作り込むために、
必要なモノを集めたり作ったりして

『イメージをカタチにする』
のが仕事です。


被写体がお料理なのか、
食卓なのかでも変わってきますが

必要なものは何か考え、そのものを用意します。

天板もイメージに合わせて作ったり



動画や広告業界に存在する

「フードさん」
映り込みに必要な料理を調理して用意する人

「シズル屋さん」
湯気や雫を再現する人

現在では別の専門職だと認識しています。


ただ、調理やシズルの再現は
フードスタイリストもやります。

シーンを作るのに必要なコト、モノの調達を担うので
料理が必要であれば用意もします。


結局のところ、
何をどこまでやってくれるのかは
その人によるところがあるのですが

フードスタイリストが "調理だけをする人 "
ではないことは明確です。


やりがいはどんなところか。 

イメージするシーンの最善のカタチを
フォトグラファーが最高の光と画角で捉えてくれて
自分の想像を遥か超える1枚になります。


さらには、
その写真で沢山の人の心を動かすことができたら
こんなに刺激的で面白いことは無い!と思っています。

独立当初は動画もなんでも、
とにかく頂けるお仕事にはチャレンジをしました。
(TV、web、カタログ、etc...)

ただ、小さい頃から母のレシピ本を見るのが好きだった私は、
人の手に残る "書籍"への想い入れがあり
気づけば10 年以上、静止画をメインとしてお仕事をしています。(動画もやりますが)


50冊を超える書籍や、広告の撮影を通して
イメージの”質感”を捉え、具現化する難しさを感じます。 



「カフェでのランチ」

と聞いて、あなたはどんなシーンを思い浮かべますか?

洗練された空間でワンプレートで
色とりどりな食材を使ったバランスのいいランチ? 

それとも、テラス席でパンケーキランチ?

はたまた、ノスタルジックなお店でサンドイッチやナポリタン??


そう。前提がない状況では
想像は相手の自由なのです。

●どんな時に
●誰に見てもらいたいか
●見た人に何を伝えたいか

これらの情報をクライアントから聞き出し、
汲み取り、その場のシーンを最適化します。

自分が携わった本や広告を見て、
人の心を動かすことができるかどうか。




とても、やりがいを感じながら邁進して

あっという間に12年が過ぎました。


仕事をする上で私が意識すること

  • ヒアリングは根掘り葉掘り
    ご相談いただく段階でイメージが固まっていない案件も多々あるので、とにかく"誰に向けて何を伝えたいか" 作りたい絵に向けての擦り合わせを大事にしています。  →要件定義ですね

  • アートディレクターがいる場合
    忠実にそのイメージを再現できるよう努めます

  • 美味しさや美しさを1番生かせる魅せ方を
    考える→ 提案

そう、「素敵な器を選ぶこと」はあまり考えていなかったりするんです。

私にとって"素敵"でも、
それが求められていることを現せるかの方が重要。


そもそも、素敵だと思ってもらえるものを選ぶのは
仕事として当たり前のこと、だと思っています。

いい大人になるまで、
無難に無難に群れに成すほうが安心するタイプだった私が "とにかくやりたい‼︎"  と思った仕事です。

自分が担当するからには120%で返します。


その為に何をしているか、
は、少し長くなりそうなのでまた改めて。


どうしたらなれるの?


「学校に行った方がいいですか?」

よく聞かれます。

学びたいのなら行くことをオススメします。

そこには学びと出逢いがあり、
それが自信に繋がることは間違いないので。

この業界では、師匠に就くのが一般的ですが、
私は祐成クッキングアートセミナーを修了しました。

そこから色々な料理家さんのアシスタントからスタートして、ご縁がつながり今へと至ります。

ただ、それだけが正解ではありません。

アシスタントをしながら、
自分は何が出来るのかをひたすらに考えて
当時HPをなんとか作ったのを覚えています。


"こうでないとなれない"わけではないので
最短ルートを求めるよりも

"どんな仕事をして誰を喜ばせたいか"
自分の中で明確にしていく事、


その為に何をすべきか考えて行動に移すこと
その時の自分の最善の道なのではないかと思うのです。


だってほら、資格もいらない職業なので
やるかやらないか、それだけなんです。


最後に、プロップスタイリストは
生活シーンとは少し切り分けた所で
商品であるモノを"印象的"に魅せる仕事ですね。

上と下では受ける印象がだいぶ違いますよね。

広告系だと、アートディレクターが入る事も多いのですが
魅せるそのもの(上の写真なら器)の特徴を捉えて
1番良い魅せ方を考えます。

海外では、プロップスタイリストの方が主流です。

実際、海外からの案件ではプロップスタイリストとフードは分かれていました。

日本では化粧品や物撮りが主な活躍の場で
ディスプレイなども担当します。

私自身も最近はこの比重が重くなつつあり
お料理では無い企業様の商品(モノ)をどう魅せていくか"  を考えながら具現化しています。



こんな方はご相談ください。


素敵な写真を撮って
商品の魅力を伝えたいけど
誰に頼んだらいいかわからない


そんな方こそご相談ください。

今までの経験とネットワークから
最適なチームを作ります。

スタイリストは、
「要件定義」をして
そのイメージに最適なモノを用意することができます。


そのイメージを最適な光で捉えてくれる
フォトグラファーがいて、
想いを言葉を紡ぐライターがいて
全てを俯瞰で最適解に導く編集者がいて
絵が完成されます。

それぞれのプロフェッショナルがあってこそ、
個々の魅力が立ち、
唯一なものができあがる。

その完成度を是非、見てもらいたいです。

さて、冬は撮影繁忙期!
今年も沢山の出逢いを楽しみたいと思います。


実績 *順不同

Apple panasonic カルチュア・コンビニエンスクラブ 
クラシコム 愛知ドビー
マガジンハウス 扶桑社 主婦の友社 
集英社 光文社 誠文堂新光社 パルコ出版
電通 博報堂プロダクツ etc














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