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3月11日を会社で過ごせない理由

私は新卒で今の会社に入って2年目なので、社会人になってから3月11日を2回経験したことになる。

そのどちらも、会社で過ごしたことはない。
理由はとても簡単で、会社で仕事をしながらこの日を過ごせる自信がないから。

いつも、この日が近づくとなにかしら体の不調がちょこっと現れる。完全に自分が意識してそうなっているんだろうなと自覚している。


そういった、体の不調はもちろんのこと、いつも通りの顔して働くことができないな〜と思うし、ちょっとしたことですぐ感情的になったり、泣き出してしまうかもしれない。
なにより周りの人たちがどう過ごしているかを気にしてしまう自分もいる。

周りの人たちにとっては、とくに自分ごとではないことかもしれないけれど、黙祷もせずにもくもくと仕事をしていたり、いつも通りに打ち合わせがあったりしたら私はその場にいることはむずかしそうだな〜、勝手に切なくなるな〜なんて思ってしまう。

だから、あえてそんな光景を見ないように自ら「休み」にしている。

事業を東北にも展開している会社だから、もしかしたら黙祷したり、話題に出てくるかもしれないけど、それはそれでその場で普通になにも関係なかった人みたいに立ち振る舞いはできそうにないなとか考えたりしている。

だから、どちらにせよ私にとっては複雑な気持ちになるぐらいなら一人で、または事情を知ってくれている人たちや気持ちを分かち合えそうな人たちと過ごそうと思ってしまう。


もしかしたら今後、責任が伴う立場になったらこの日に休むことが許されなくなるかもしれないけれど、少なくとも今は休めるから、自分が過ごしたい方法で過ごせばいいかなと感じている。


今日の私は公園のようなところにいて、風が吹いて木がさわさわ揺れていたり、鳥の鳴き声を感じられる場所で黙祷をしたけど、周りには誰も立ち止まったりする人なんかいなくて、いつも通りの時間が流れていた。

そんなことしてられない世の中なのかもしれないけど、私はそんなことできなかったら生きてられないな、やってられないな、と思うし、そんなことなんて言わずに大切にしたい。


当時、私は中学3年生で、なにもできなくてもどかしかった。
その中でもなにが一番もどかしかったかって、そうやってもどかしいと感じる人たちがあまり周りにいない、いつも通りに時が流れていることに違和感を感じない人たち(当事者じゃないからもちろんそうで、その人たちにも生活があるから悪いわけではもちろんない)の中に私自身が身を置いていることが一番もどかしかった。

だから、高校の休みのときはなるべく東北に行っていた。少なくとも同じ空気を吸って、そこで起こっていることを自分の目で見ていたかったんだなと思う。

それは私のエゴだったかもしれないけれど、それをやらせてくれた東北のみなさんに感謝してもしきれない。
一緒に仮設住宅に泊まらせてもらって、朝ごはんを食べたり夜な夜なお話したことは一生忘れられない。
たくさんの経験と想像力と自由をもらった。


もし会社で黙祷の時間がないんやとしたら、私が黙祷の時間とりましょうって言えばいいんじゃない?とも思ったりするけど、なんかそれは違うような気がする。
私が言うことは、私の生活で当たり前のものを特別にみんなに組み込むような感覚に近い気がする。

もし会社で黙祷の時間があるならいいんじゃない?って思ったりするけど、それもなんかちょっとはよかったなと思う反面、私はそこにどういう風にいられるんだろと考えたらまだまだ時間が必要そう。


別に実際に地震を経験して、津波をこの目で見たわけではない。ただ、大切な人たちが津波にのまれていったと考えると、私は被災者に分類されるわけではないけれど、今も苦しんだり、思い出して泣けてしまう。
きっと、身内がどうこう関係なく思いを馳せている人たちはいると思うし、私の周りにもいてくれているから、そんな人たちと一緒に今日を大切にしたい。


それと同時に、会社ではむずかしいな〜と思う働き方に違和感を感じなくなくはない。まどろっこしい言い方になるのは私が確立できていないこともたくさんあるから。


どこにでも、どんなふうにも考えが及んでしまうよね〜
でも今日だけはいいよって毎年自分に言い聞かせている。そして明日からは切り替えようねとも。
と言いつつ、こういう時間で出てくる気持ちは芯に近いことが往々にしてあるから、切り替えすぎなくてもいいとも思いながらうまく行き来をしている気がする。

どんなふうに生きたいか。
やっばりこの日には考えさせてもらう時間になる。
その中で、どんなふうに働けるかは社会人と言われるフェーズに入って、たくさんの重量を占めているな〜
そんなこんなもあり、やっぱりそろそろ一人旅が必要だな。最近すごいそれを思う。

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