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イタリアにはチキンのパスタがない理由。

連休が終わって、夫は仕事。
でも在宅勤務だったので、きっぱりオン、という感じでもないような。
いや、本人は仕事モードだったと思うのだけれど、私はなんとなく、ね。

写真は、昨夜の締めのブロッコリのパスタ。
ブロッコリをパスタと一緒にゆでて、オリーブオイル、にんにく、アンチョビと合わせて、木べらで潰すようにして、茹で上がったパスタと和えました。
パスタはラ・モリサーナのメッツィ・リガトーニ・ブロンズ。しこしこ歯ごたえがあります。
この大きめの穴の中に、ブロッコリソースを入れ込みたかったのですが、そう簡単には入ってくれず(笑)
でもこれはこれで美味しかったです。

note料理部(私が勝手に命名)シチリア在住のkaorinaさんから「イタリアにはチキンのパスタがない」と聞いて以来、どうしてだろう、とずっと考えていたのです。
kaorinaさんも明確な理由はわからない、ということで。
そんなことは知らなかった時も、そして聞いた後も、私はチキンのパスタを作っております。

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Instagramにこのパスタを載せた時に、「イタリアにはチキンのパスタがない」のはどうしてか?という疑問を書いたところ、なんと某パスタメーカーの方がこのような書き込みをしてくださいました!

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イタリアではパスタは「具材と食べる」ものではなく、「味付けして食べる」のが伝統的な調理法となっている。そのため鶏肉だけではなく、本来、豚肉も牛肉もパスタと一緒に食べるものではなく、豚肉の保存食であるパンチェッタやグアンチャーレ、牛肉を煮込んだ後のスーゴやクズ肉を利用したラグーが本来のパスタソースになる。
鶏肉はそのようなパスタソースへの利用方法が少ないため、「パスタに鶏肉は利用しない」のが伝統的な調理法の考え方となっているようだ。
今は応用レシピとして自由に楽しむ方が増えている。
素材を大切にするイタリア料理ならではの「おいしいお肉はそのまま食べよう」という考え。

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なるほどー!
具ではないのね。あくまでもパスタのソース。
豚肉や牛肉も、そのまま生のお肉を使うというよりも二次利用。
フレッシュなお肉はそのまま食べるのが基本。
とても腑に落ちました。

私の持っている本(PATAさんもご所蔵)『イタリア「地パスタ」完全レシピ』(小池教之・池田愛美/世界文化社)には77のパスタが紹介されているのですが、実は一つだけ、エミリア・ロマーニャ州のパスタとして「鶏ラグーのガルガネッリ」が紹介されているのです。
でもこれも鶏モモ肉に加えて、ハツやレバーを使ってラグーにしています。
ここから先は私の想像。
もともと鶏はそのまま食べるというよりも、鶏が産んだ卵を食べるために飼われていて、卵を産まなくなったら鶏をつぶす。でも肉が硬いので、肉を食べるというよりもスープを取ったり、そのスープを取った後の身を内臓などと一緒に煮込んでラグーにすることもあった。
そういうことなのかな、と。
鶏肉を食べるというのは、家禽としての鶏肉が出てきてから、ですよね。
だからチキンのパスタが伝統的に作られることはなかった、という推定。

これが正しいとは言い切れませんし、他に説があるかもしれません。
でもこう考えると、納得できるなあ、と。
もし、何かご存知の方がいれば、ぜひ、コメント欄に書き込んでください。
お待ちしています!

追記:ヴェローナ在住の友人のだんな様(イタリア人)は、「合わないからじゃないか」「素材としてのお肉らしさを生かした調理法はパスタ以外にある」というご意見だったそうです。
「フランスやドイツに行くと、ジャガイモの代わりにメインの付け合わせでパスタが出てくることはあっても、イタリアではない」
友人(日本人)思うに、「カツカレー的な発想がない」のではないか、と。
カツはカツで、カレーご飯はカレーご飯で別々に味わいたいと思うのだろうと。
次回、日本に一緒に帰国することがあれば、カツカレーを食べさせてみる、と。きっと「許せない」んじゃないかと思う、ということでした。

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