漫画に表象されるトラウマの件はすんごい昔からよくわかってるんですけど、傷の扱いは難しいんだ。他人がうかうか触るのも危ない。本人は苦しいから慰撫されたいんだろうが、他人が慰撫することで固着が酷くなったりかさぶたが剥がれたりして、とにかく、ろくなことがないんだ。要は、他人が触らないほうがいい。

トラウマに流されそうになったら、とにかく自分で、「あーこの時の私、本当につらかったな」「この時はこうしかできなかったし、しかたがなかったんだな」「この時の自分、わりと頑張ってえらかったな」とか、自分で自分を慰撫しながら、つらい記憶を真正面から受け止めず、カメハメ波が来たみたいに体を斜めにして、体の横から後ろに流すイメージをしろ。

と言われる。まあ認知療法みたいなもんだ。認知療法じたい、傷のある本人からしたら「つきはなされた」という印象を受けると思うんだけど、そのくらい、他者のうかつな慰撫って危険なんだよ。いきなり抱き締めて泣きながら慰撫!!みたいな他人にはむしろ警戒したほうがいいんではないかと思う。やんわり距離を置く人間のほうが、誠実です。自分の器がわかってるからだ。

真正面から受け止めるのを繰り返すと、固着が酷くなる。固着が酷くなると、そこに気力という名のエネルギーをとられてしまって消耗するんだ。固着に気力を消耗してしまって、自分の人生でやりたいと思っていることが出来なくなる。そのために、できるだけ固着を作らない。固着が出来てしまったら、その固着を強固にさせない工夫をする。固着は、繰り返し固着を作らなければ、あるいは自分で固着を強固にしなければ、ゆるやかに時間をかけてほどけていく。薄れていくし、忘れていくんだ。そこまで行かずとも、固着を悪化させない、というのは大事なこと。もちろん、そのまま固着を持ってたい。持ち続けて固着に気力を消耗していたい、というひとは、そのままでいい。他人がとやかく言うことじゃない。

その辺の他人にどうにかしてもらう、というのは危険だからやめたほうがいい。もうどうにも自分じゃ出来ない、となったら、臨床心理士など、専門家がいいと思う。その辺のド素人は絶対ダメです。私もダメです。せめてカウンセリングか。数年がかりで通うのが普通です。そういうの地道でゆっくりな変化が、とても大事なことです。急に突然良くなる、みたいなほうが危険なことぐらいわかるはずだ。宗教とか洗脳とかは急に良くなると思うけどな。恋人に癒してもらおう、みたいなのも危険、というか、アレもある種の宗教だし洗脳です。トラウマ軽めのひとは、自分で認知療法の書籍を読むのもいい。上記のやりかたは別のひとから聞いたんだけど、書籍もたくさん出ている。

この本、自己啓発っぽいタイトルで売ってるけど実際は認知療法系の書籍です。あくまで軽めの人向きかなあー。殴る蹴るとか、性的虐待受けた、となったら、きちんとしたカウンセリングの専門家に相談したほうがいいと思う。

すんげえヤバイトラウマがあるわけではないのに心身消耗、という場合は、食べ物を見直すか生活習慣を見直すしかない。脳の機能の問題かも。というわけで以下の昔の記事参照。

まあでも今ほんと新自由主義で喰われてて変化激しく、その件で気力奪われてるひとも多そう。それはある程度しかたない。新自由主義てすごいからな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?