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来年で漫画家生活26年目なんだが、よもや自分がこんなに長く漫画描けてたうえに異世界転生webtoonさんざん読みながら瞳キラキラさせる方法の書籍を読みつつ絵の練習してるとは思わなかった。いや、どんなもんか描いてみたくなるじゃん。あれどうやって描いてんのかな?とか。

来年の目標はたぶん「楽しく漫画描けますように」だな。楽しくないといきなり体をぶっ壊す。心が壊れて自動的に体を壊すのだ。動けなくなって勉強できなくなるのが一番怖いから、とにかく来年も楽しく漫画が描けていればそれでいい。

この歳まで仕事があってありがたいです、と先日、知人の編集さんに言ったら、「それは自分を過小評価しすぎ」と言われた。そうだろうか。私が若い頃、アシスタント行ってた頃は少女漫画家はどんどん退職していくのが普通で、結婚したら辞めるひとがとてもとても多かったんだ。自分は働きたかったけど、結婚出産しても働かせてもらえるかわからない、と思ってた。そもそも祖父母が私に漫画家のアシスタントを許したのは、どうせ結婚するので家事手伝いでその間遊んでてもいい、みたいなかんじだったんだ。25歳までにはお見合いで結婚させる、ぐらいの勢いだった。よくこんな26年も続いたもんだ。

同人誌は自分が描きたくても描けなかったものを、と思って今ブロマンスを描いてるんだけど、なんか申し訳なくなってて、読者さんが読みたいものを今度Twitterでアンケートとろうかと思っている。次に描く作品の参考にさせていただきたい。

わりとどんな仕事も楽しくやってる。漫画関連の仕事全般好きだ。つらいこともまああるんだけど、それでも仕事があって良かったなと思うほうだ。次の仕事が楽しくてつらいこともだんだん忘れる。つらいことがあっても、どうせしばらくしてると忘れてしまうのだ、というのがよくわかってるほど、長いこと仕事してた。本当に19歳のとき、清水の舞台から飛び降りる勢いでアシスタントの仕事に入って良かった。周囲は漫画家の夢なんか叶えられるわけない、と思っていただろうが、なったうえに自分でもこんな続いてびっくりだ。全然売れてないのに続くって我ながら本当にすごい。なんで仕事が来るのか自分でもよくわからない。

あと、個人的に若い頃から社会学系の書籍を読むのがわりと好きだった。今は政治経済の書籍ばっかり趣味で読んでいる。それで特別に良かったことなんて無いんだけど、わけわからない無茶をしない、というのが良かったと思う。わけわからない無茶、というのは、いきなり不倫したりいきなり全財産変な投資や事業に突っ込んだりしない、という意味だ。新自由主義で社会の底抜けてるのはもうとっくに知ってるし。これからさらに平準化と同質化によって、社会状況は経済面で悪化していくだろう。最近判明した国交省による基幹統計改竄のニュースには一言モノ申したい気分にはなってるが、まあ今にわかったことでもないし。逆に、堅実すぎて無茶、みたいなことはする。今は井戸が欲しい。災害時用の。

今は、家族も健康だし生活も安定してて、人生でこれほど幸福な時期はないのではないか、とふんでいる。子供の頃は親が自営業で経済的に不安定で本当につらかった。大人になって結婚してからがおおむね楽だ。子供の頃の基準が低い人間は、大人になってからが楽なんだよねー。子育て一段落だし、むしろこの先は大変なんじゃあないかな。いろいろと。ひとまず、つらい時期に「あーあの時期ほんと安定してて幸福だったな」って思えるように、今、全力で幸福をかみしめるようにしている。死ぬときに、あーあのnoteを悠長に書いてた時期、ほんと幸福であの時期があっただけで私の一生は幸福であった、ぐらいの勢いで幸福でいるようにしている。毎日神仏とご先祖様に礼を言う勢い。

幸福な時期ってたぶん一生のうちそんなに無いし、長くも無い。


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