見出し画像

インパール作戦の佐藤中将って知ってる?

彼をモデルに漫画を描いたことがある。すごい脇役なんだけど。

インパール作戦っていうのは第二次世界大戦中のビルマ(今のミャンマー)からインドに入る作戦だったんだけど、少しの食料しか与えられずに行軍して、日本兵のほとんどが餓死した。生き残った日本兵は同胞の死体を食って生き延びていたくらいだ。その中で、陸軍の上官の命令に背いてとっとと帰ってしまった師団があった。そのリーダーが佐藤幸徳中将。「そんな少ない食料で行軍したら餓死しちゃうよーなにゆってんの?」みたいなかんじで帰ってしまい、その後、精神異常と言われて精神病院にぶちこまれていたひとだ。

この話には、登場人物に3つのグループがあるじゃない?

①食料を与えずに軍隊に無理な行軍させる大日本帝国陸軍の上官
②部下を守るために上官の命令に背いて師団ごと帰っちゃった佐藤中将
➂下っ端日本兵

どれが保守だと思う?

いや、まず、どれに感情移入する?私は➂下っ端日本兵。

下っ端の日本兵として、②の佐藤中将は優しい。自分を守ってくれる上官だ。このひとがリーダーの師団で良かったー、おかげで死なずに済んだ、と思うところだ。佐藤中将は私にとって、「守る男」だ。

②の佐藤中将の行為を、正義、と言うとなんだか話がおかしくなる気がしてしかたがない。佐藤中将は正義云々じゃなくて、その時代、その文化、その場所の社会通念に洗脳されてなかったんだろうと思う。他はみんな洗脳されていた。①の陸軍は特に。精神論でなんとかなる、日本は神の国なので。と思ってたのだ。この話のキモは、正義云々じゃなくて、洗脳されていたか、されてなかったか、だ。佐藤中将だけ、社会通念に洗脳されてなかったのだ。

佐藤中将みたいな守る大人は、とても少ない。①の陸軍みたいなひとたちが自分は保守だと言い張っていて、だいたい➂の下っ端日本兵ばっかりだ。➂はいわゆる「虐待された子供」。虐待する大人と虐待された子供ばかりで、「え、なにやってんの?それって虐待では?」って言う、守る大人が異様に少ないかんじ。

佐藤中将は、民族の若年層を生かすじゃん。

なんで、佐藤中将を精神異常と言って精神病院に入れる大日本帝国陸軍の軍国主義を、保守だ、という話になっているのか。今もだ。何を根拠にアレを保守だと思うの?本当はみんな、守る大人が欲しいんだと思うんだよ。特に守る男。社会通念を、「それって一種の文化的洗脳でしょ?そんなことしたら、弱いひとが死んじゃうでしょ。てゆうか、うちの子たち守んないとでしょ」って言って、守ってくれる、強い男が欲しいんだと思う。守る男は、妻子を守るし、民族を守るし、社会を守る、家父長制保守。大日本帝国なんか一度全部まるっと日本を滅ぼしてた気がするんですけど。

でもなぜか、今は、家父長制が悪いっていう話になっちゃうんだよね。家父長制のデメリットもよくわかってるつもりなんだけど、なんかそういう話じゃないと思う。もし佐藤中将が家父長でも保守でもないんだったら、なんて呼べばいいのかな?あの思想は、なんと呼べばいいのかな?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?