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いままで沖縄などの国内植民地に植民地としての不具合を押し付けていたので、いざ自分が植民地としての不具合に直面すると認識できない。

みたいな構図に見える。あまりにも、植民地主義に縁が無かったからわからない、経験が無かったので、みたいなかんじに見える。でも、もともと虐げられる立場のひとは、あ、これ典型的な植民地主義のパターンでは?とすぐに気が付く、みたいな有様。

女性差別に関してもほんとそれで、女性差別とか家父長制とかミソジニーに直面してこなかったひとたちが、目の前にミソジニーが来てもミソジニーだと認識できない。みたいなかんじになっている。市井のフェミニストが「あれ、これミソジニーでは?」と気づいても、学者がよくわからないのは、やはり日本って思っていたよりも明確に階級格差が酷かったのでは?みたいな気になっている。

ひとまずこの書籍、くだんの箇所だけ読んでみたんだけど、

トランスジェンダリズムのほうがバックラッシュでミソジニー。

と言っている。キム・ジナが。

日本だと逆だ。我々ジェンダークリティカル側、他称TERF側、「女性スペースを無くさないでください」と言っている側が、バックラッシュ側で右派である、と言われている。韓国のフェミニストは逆の話をしている。

キム・ジナという政治家が、韓国のフェミニストの代表、というわけでもないし、もちろん異論もあるだろう。そもそも欧米だけでなく北米、日本、韓国、というか、NATO全域でこの思想戦は行われている。それだけでもおかしい。全然文化も均一でもないのに同じ話がされて同じように反発されて同じように大激論になっている段階で、なんだか気持ちが悪い話だ。

キム・ジナがそう言っているよ、と言ったって覆るわけがない。それはよくわかっている。ものすごく大きい話だし。しかし、しかしだ。

「くつがえる可能性のある話だよ」

と認識されるだけで、いきなり「女性スペースを無くさないでください」と訴える一般のお母さんたちをネットリンチしたりはしなくなるのではないか。と思っているんだけど、どうだろうか。今はトランスジェンダリズムが正義と言われていても、数年後、覆って、その時はネットリンチの責任を問われ、訴訟問題になるかもしれない。人間、そう思うと警戒する。

私が欲しいのは、その警戒だ。

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