Kindle本待ち

Kindleで出版してくださらないんですかねこの本。

99%のためのフェミニズム宣言 シンジア・アルッザ https://www.amazon.co.jp/dp/4409241354/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_gtvMFbZBKB6KR

我々昭和時代に幼少期育った女は、たいていお母さんが専業主婦だった人が多くて、自分もそうなるべく育てられました。日本社会のマジョリティが専業主婦のいる家族制度から共働きの家族制度に移行しはじめたのは20年前くらいで、徐々に働く主婦が増えていったんだけど、それはある時突然、女性たちが、「私たちは働きたくて働きたくてしかたがない!仕事大好き!!」みたいなかんじで働きはじめたから。

……ではなくて、男性の実質賃金が下がって主婦が働きに出なければ家計が回らなくなったからです。ごく単純に、貧乏になったから。それだけ。

この、「日本はこの20年で貧乏になった=貧困格差が広がった」言説はよく言われますけど、理由がよくわかんなくって、なんとなく天災みたいな印象になってますよね。それが新自由主義という社会システムの影響。という話なんですよ、この辺って。影響した具体的な政策はさておき。

新自由主義の影響で女性が働かねばいけない切羽詰まった状況になって、そこであまりの女性の働きにくい環境に悲鳴をあげたのがネオリベラル・フェミニズムというもので、昔のフェミニズムとは微妙に位相が違う。でもだいたいおんなじですよー。家父長制度の文脈に関しては昔のほうがうるさかったのと、ネオリベラル・フェミニズムは新自由主義の社会的悪影響が見えなくなりやすい。そこぐらいかな。あとジェンダーフリーとジェンダーレスの選り分けが雑かな。よくそれで私は頭を抱えている。

そんな極端に違うわけじゃないので分断はしなくていいんでは、と思うのは私がわりと中途半端な人間だからか。私、カツマーだったからほんとネオリベ要素強めなんですよねー。私は、自分がフェミニストだ、と言ったらフェミニストに怒られるだろう、と思ってた。中途半端だから。カツマーだから。結婚してるから。おまえなんか、フェミニストではない、と、フェミニストに言われるだろう、と思っていた。

勝間和代は新自由主義者であってフェミニストではない、でもフェミニズムに貢献してくれた人。と、上野千鶴子教授は言ったけど、やっぱ早い段階で「あれはフェミニズムじゃなくてネオリベラリズムの中のフェミニズム」と、古参の教授たちはわかってたんでしょうね。しかし、新自由主義の悪影響鑑みても、女性の社会進出を進めてくれるから、「ま、いっか!」って思ってたんだろうな。なにせ10年前ですら衆議院議員の女性比率が3%で、最近ようやく10%以上に上がってきて、自分が生きてるうちにここまで女性の衆議院議員が増えるとは思わなかった、とちょっと感動しました。他の先進国はだいたい男女半分ずつぐらいだけど。そのくらい日本ってGEM指数OECD諸国最下位レベルで低かったので、フェミニズムの学者さんたちもきっと、新自由主義で貧困格差が開くくらいなんだ!まあ、いいじゃないか!と思ったんだろう。そして、ここをフレイザーが「フェミニズムは新自由主義の侍女」と批判したんだろう。

だからこの本の帯に「敵は資本主義!」って書いてあるんだろう。新自由主義って、過度の過当競争の資本主義だから。と、読む前から想像しています。全然違ったらごめん。

でもそんな私でもときどき、「ま、いっか」と思う時もある。酷いミソジニー見ると、うんざりするし、まあいいか!って思っちゃうのよね。たぶん良くないんだろうけど。マズイんだろうけど。そんなかんじで、私はあいかわらず、すごいどっちつかずで中途半端だ。こんなこと書いたらやっぱりどっちからも怒られそうだ。


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