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「ハイパーインフレになるかならないか」という話に焦点がいってしまって、財政ファイナンス→金融抑圧によって数十年かけて通貨の価値が棄損されてゆくことが誤魔化されているように見えるんですよ。


財政ファイナンス&金融抑圧は戦後のイギリスがやっていて、それを英国病と呼ぶ。数十年かけて1000円あったイギリスポンドが、150円前後に下がった。金利抑えてるから長年インフレが起きないっていう形の隠れ通貨安もある。それで通貨の価値がおよそ10分の1。ハイパーインフレではなく、コストプッシュインフレで物価上昇しますけど、まともな外貨や貴金属に替えておけば、簡単にヘッジできる話でもあったんですね。

日本でも、それを知ってるひとは金融抑圧しはじめた2013年段階で円安のリスクヘッジをしていて、通貨価値棄損されても資産が保全されるように投資のポートフォリオを組んでいる。わりと簡単にできます。でも、国民がいっせいにそれをやったら、自国通貨が壊れてしまう。MMTはそれを防ぐための、国境を超えたプロパガンダだったのではないか、と疑ってるのですが……。金融緩和じたいは欧米もやっているので。

思想が国境を超えてるのも、トランスジェンダリズムを思い出すんだよな。すごく手がこんでいる。

たとえば、90年代前半に1億円稼いでそれを預貯金だけで持っていたとしたら、半分ちかくに価値が目減りしている、という話です。輸入インフレのせい。でも、預貯金の金額は変わってないから、減ってないと思っている。それを貨幣錯覚と呼びます。その資産価値をリスクヘッジで保全する必要があったのです。金融緩和をはじめた2013年あたりからも、だいぶ下がっている。

MMTに典型的だったのは、近いけど微妙に位相の違う議論をして目をそらすこと。ハイパーインフレになるかならないかは、この10年、本当は大事な話ではなかったんです。今後はどうなるか全然わかりませんけど。ドルが不安定すぎて。

世の中のひとは、認知戦なんかやってないし、認知戦認知戦言っているやつ陰謀論者。くらいに思ってる。プロパガンダも出ていなければ、洗脳されてるひともいない。そんなかんじの世界観でいるわけです。そして、その手のタイプのひとほど、ガンガンに騙されて、ガンガンに損をしている。損をしていることすらも、よくわからない。その繰り返しなんですよ。権威が国民を騙すってそういうことです。権威主義者ほど、気前よく騙されがち。

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