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人は巨大な出来事を前にすると失語するんだな。

って、この10年わかったことのひとつだ。

戦争みたいに大きなことがあると、ひとは言葉を失ってしまう。戦後の預金封鎖とかもだ。資料があんまり残ってないってよく聞く。戦争敗戦のうえに経済破綻で日本人は打ちのめされ、そのことを表現するための言葉を失ってしまったのだろう。他人事だといくらでも言えるんだけどね。

今も、そうだ。

ひとはみずからが直面した巨大すぎる出来事は言語化できない。言語化する訓練を受けていなければ。だから、誰も読んでなかろうとも私は黙らないのだ。むしろ、黙りたくても黙れない。うっかりしてると失語してしまうから。

なんかそういう本能みたいなもんだ。黙ってるといけない、みたいな。

そして、きちんと巨大な出来事を言語化しようと、必死で言葉を紡いでいるひとの文字に惹かれるし、自分もそうでありたいと思う。誰か、切実にそういうのを探しているひとがいるんじゃあないのかって思うのだ。自分みたいに。切実に、生きるよすがのように、マイノリティであっても、誰かが必要としてるんじゃあないのって。

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