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『mine』感想・ネタバレ注意

全然関係ないんですが、熊の話を聞いた直後になぜか夏休みに近場のキャンプ場を予約してしまった。無謀だろうか。我ながら危機管理ゼロすぎる。近場といってもツキノワグマ出るんだーうちのほう。さすがに街中はいないんですけど。

今日はネトフリのドラマの感想。しかもまだ途中までしか観てないんだけど、面白過ぎて誰かに言いたいけどネタバレするから言えない。というわけで以下ネタバレ。ネタバレにめちゃめちゃ注意してください!!!

上流階級が舞台のドロドロ愛憎劇で、それぞれ登場人物に一癖も二癖もあるんだけど、後継者は誰かで揉めている。家長のおじいさんはすでに危篤で死にそう。結果的におじいさんの遺言で後継者が決まるんだけど、正式な後継者は孫・スヒョクで、最も良識のある青年だった。歳の近いメイドを愛し、彼女のために婚約破棄。好きなひとのためならば、すべて失ってもいい、という誠実さと決断力がある。

もうひとりの会社の経営面での後継者は、長男の嫁・ソヒョンだ。真面目で律儀で壊れそうな家を必死で支えようとしているうちに、すっかり家父長っぽく冷徹なかんじになってしまった女性。本人はレズビアンなんだけど、家父長ゆえにそのことは必死に心に秘めようとしている。普段は冷徹なんだけど、いざというときすごく情にもろい人で、優しく、惚れた女に一途で、それがものすごい魅力的だ。一番好きなひと。

まっとうな家父長制の家長が選んだ後継者は、次世代の男には居ない。次世代の男はなんでも金で揉み消すサイコパスか、女にだらしのないボンクラで、その嫁たちが常にその男たちに振り回され、酷い目に遭っているが、なんとかして家が壊れないように支えている。もちろん先代の家長もその宿業の一端を担っていたわけだけど、先代はきちんと反省して、どうすればよかったのかを知っている。家制度の郎党である、守られるべき弱者たちも守らなければならない。先代の女たちは無教養でヒステリックで足ばかり引っ張り、役に立たない。こんな中、次世代の女たちが、なんとかして自分の子供世代をまともに育てあげ、家を継がせないと。

家が、国が滅んでしまう。

そういう話だ。

ものすごい家父長制の崩壊と次の新しい家制度の模索の話に見えるんだよ。次の家制度のメタファーだ。だいたい似たような問題を日本も抱えている。韓国はいつも日本の先を行っている。韓国はまだかろうじて、家父長制のポジティブな良識が残ってるから、誰が正しくて誰が後継者としてふさわしく、家や国を運営していくことが出来るかがわかってる。それも素晴らしい。日本はね、脚本術ですらブロークンなんだ。壊れてることが良いこととされ、クラッシックなものは嫌われるんだけど、それゆえにメインカルチャーがサブカル化している。いや逆か。サブカルがメインカルチャー化している。それが、思いのほか輸出にネックだ。他の国はそうじゃないから。

優秀な、外部からの嫁のおかげで家制度がうまくいくかはまだわかんないんだけど、そういうの冷静に模索できててえらいなーって思って。韓国のドラマはいつもすごい冷静だ。そして視座が高い。そこがすごくすき。

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